紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

若い頃のコルトレーンが参加したブローイング・セッション…インフォーマル・ジャズ~エルモ・ホープ

2007-09-20 23:42:04 | ジョン・コルトレーン
今日は、プレスティッジ所属だったが、アーティストとしては過小評価されている、ピアニストの「エルモ・ホープ」がリーダーとして残したアルバムの紹介です。

「ホープ」自体は、我々日本人には、無名かもしれませんが、このアルバムに参加しているメンバーは、「すごいメンツ」なので、聴く価値は充分にありますよ。

アルバムタイトル…インフォーマル・ジャズ

パーソネル…リーダー;エルモ・ホープ(p)
      ドナルド・バード(tp)
      ハンク・モブレイ(ts)
      ジョン・コルトレーン(ts)
      ポール・チェンバース(b)
      フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

曲目…1.ウィージャ、2.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーン・ビームス、3.オン・イット、4.アヴァロン

1956年5月7日

原盤…Prestige  発売…ビクター音楽産業
CD番号…VICJ-23753

演奏について…ハードバップの1曲目「ウィージャ」では、「エルモ・ホープ・セクステット」登場…の自己紹介的な派手目の演奏がなされる。
「ホープ」の品あるソロ、「モブレー」の温かみがある朴訥なアドリブメロディ、「バード」は煌びやかなソロを吹き、「コルトレーン」はソロを思索しながらも、割とストレートなアドリブを演奏する。
中途では、「チェンバース」の渋い、ボウイング・ソロが入り、「フィリー・ジョー」は所々で、超絶テクのドラムをぶっ敲く。
各人の良い部分を露にした名演奏です。

2曲目「ポルカ~」は、この曲の主役は、誰が何と言っても「バード」が吹き切るバラードの美演奏につきる。
ブリリアントだが、情感もたっぷりと表現して、ある意味、若者らしくない大人が演奏する、バラッドに酔わされる。
伴奏系では、勿論、アルバムリーダーの「ホープ」の知性的なピアノが、聴き所でしょう。

3曲目「オン・イット」では、バック3人「フィリー・ジョー」、「チェンバース」、「ホープ」のスウィング感覚バリバリのリズム・セクションがとにかく素晴らしい。
「バード」は2曲目程吹き切ってはいないが、知的なフレーズを吹く。
この曲のもう一組の主役は、交互に吹く「モブレイ」と「トレーン」だ。
この時代プレスティッジで流行った、交互に吹き合う、所謂テナーバトル演奏が良いねぇ。
この時代の「コルトレーン」のソロには、神掛かったオーラは全く無いが、非常に生真面目にテナーと向き合い、朴訥ながら一生懸命に吹いている事に共感を覚える。

4曲目「アヴァロン」は、急速調の4ビートで、序盤はコロコロ転がす様なシングルトーンでピアノアドリブを弾く「ホープ」と、ブラシでカッツリリズムを刻み続ける「フィリー・ジョー」、そしてこれまた実直ベースの「チェンバース」が主翼エンジンとなって、皆をぐんぐんとドライヴィングして行く。
中間になると、「モブレー」から次々続くアドリブソロも、短目だが、それぞれの才能が溢れていてgoodな演奏になっている。
そして全員でのフィニッシュも決まり、渋い好アルバムが一丁上がりです。
朴訥トレーンも悪くは無いよ!!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これは未聴(笑)です。 (加持顕)
2007-09-21 05:29:25
エルモ・ホープは好きで結構聴いているのですが、この作品は聴いてません(笑)。私、買うタイミングを失ったのかな?

おなじみのフロント2人に、ドラムが相性の良いフィリー・ジョー・ジョーンズなのでだいたいのサウンドは想像出来ますが。

それでは、またお邪魔します。
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エルモ・ホープ聴いてるんですね? (えりっく$Φ)
2007-09-21 19:21:02
さすが加持さん、「エルモ・ホープ」を良く聴いていらしたのですか?
私は逆に、多分この作品しか持っていないと思います。
棚から引っ張り出せば、もう1~2枚はあるかも知れません。(苦笑)
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