紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ドーハム、アンドリュー・ヒルも参加…ジョー・ヘンダーソン~アワ・シング

2008-01-18 23:14:19 | ジャズ・テナー・サックス
こんばんわ。
つい最近ですが、近所の大型レコード店が、突然閉店になるとの事で、今月末までに、店頭にある在庫品の殆どを20%引きして販売する事になって、射幸心を煽り捲られて、ブルー・ノートの諸作品をまとめ買い(大人買い)してしまいました。
その中の一枚が、今日紹介するアルバムです。

アルバムタイトル…アワ・シング

パーソネル…リーダー;ジョン・ヘンダーソン(ts)
      ケニー・ドーハム(tp)
      アンドリュー・ヒル(p)
      エディ・カーン(b)
      ピート・ラロカ(ds)

曲目…1.ティーター・トッター、2.ペドロズ・タイム、3.アワ・シング、4.バック・ロード、5.エスカペード

1963年9月9日録音

原盤…BLUE NOTE 84152  発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-6646

演奏について…とてもお気に入りの一曲は…2曲目の「ケニー・ドーハム」作曲の「ペドロズ・タイム」
いかにも「ドーハム」作品らしく、哀愁タップリのハード・バップ佳曲で、聴いていると、心にじんわりと染み入ってくる。
序奏の「ドーハム」のトランペット…朴訥で有りながらも、好フレーズを入れてくれるので、曲の良さにとても合っています。
「ヘンダーソン」のソロは、もう「ヘンダーソン」節が全面に出されていて、まだデビュー初期の頃とは思わせない程、貫禄充分です。
それから、ピアニスト「アンドリュー・ヒル」の参加と好演が大役を担っていて、哀愁と危ういさと、新主流派としての新しい感性が、煌くアドリブ・サウンドを演奏してくれて、素晴らしい効果を上げています。
ベースの「カーン」も、ほんのお披露目のソロを見せてくれて…最後はデヴュー作品、「ページ・ワン」の「ブルー・ボッサ」を彷彿させる、メロディで〆て、聴いている私たちの気分は上々です。

3曲目のタイトル曲「アワ・シング」…序奏から「ヘンダーソン」が、彼にしてはかなり過激なトーン&フレーズでブロウします。
変則的で、小洒落たコードで伴奏する「ヒル」と、変幻自在に曲を動かし、リズムにアクセントを付ける「ラロッカ」が、カッコイイサポート演奏をしてくれます。
その後の「ヒル」のアドリブが、また良いんですぅ。
「ラロッカ」のリズムと、あえてずらして、少しタイムラグをさせた弾き方をしたりして、曲にハイセンスの息を吹き込んでくれます。
「ドーハム」のアシストに徹した演奏も○ですね。

5曲目「エスカペード」…この時代特有の、2管ユニゾン演奏から曲が始まる。
ファンキーで、モードで、少しセンチメンタルで…このメロディを聴くだけで、もうぞくぞくきちゃうもんね。
「ヘンダーソン」のアドリブ・ソロ…ラスト・ナンバーらしく、クールでニヒルな彼の個性を活かしつつも、一寸だけ情感が見える所が粋だね。
「ドーハム」は、やっぱり「ドーハム」の世界観が確立されているねぇ。
決して吼えたり、叫んだりはしないけれども、伝えたい情熱はハッキリと伝わる。
野球の例えで悪いが、球速は145kmだが、体感速度が速く、打者を詰らせたり、空振りを奪う、読売ジャイアンツの「上原投手」のピッチングみたいですね。
つまり、見た目は派手じゃないけど、結果はすごい!完璧な仕事を成し遂げるているんですよ。
チームにとっては最も頼りになる男なのです。

オープニング曲「ティーター・トッター」…モード時代らしい、(当時の)時代の先端を行く雰囲気の曲調で、「ヘンダーソン」のセンス抜群のアドリブ・プレイは魅力たっぷり。
それに付随して、「ヒル」、「カーン」、「ラロッカ」のリズム・セクション3人のプレイも相当良いですねぇ。
完璧に乾いていて、そしてクールなリリシズムのオーラを放って、決してセンチメンタリズムには陥らない演奏です。
3人の中でも、その代表格は、やはり「アンドリュー・ヒル」でしょう。
音数は少なめなんですが、鋭い感性のフレーズとブロック・コードを的確に叩き込むんです。
テーマの途中、突然に終わるエンディングも…新主流派らしいです。(大笑)

4曲目「バック・ロード」は、少し古典的なファンキー・バップ・チューンです。
「ヘンダーソン」は、ここでもソー・スマートなブローイングで、カッコをつけます。
「ドーハム」は、ファンキーなんだけど、渋くて渋くて、名脇役、助演男優賞の演奏を見せます。


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