紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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攻撃的名演…ショスタコーヴィチ交響曲第12番~ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省交響楽団

2008-03-17 22:27:00 | クラシック交響曲・管弦楽曲・協奏曲
何か今日は、超攻撃的なオーケストラ曲が聴きたくなりまして、この盤を取り上げちゃいました。

20世紀ソビエトの生んだ大作曲家、「ショスタコーヴィッチ」の交響曲第12番ニ短調「1917年」作品112で、演奏は「ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー」指揮、ソビエト国立文化省交響楽団…謂わばお国物っていうやつですね。

とにかく、劇的な表現の演奏で、ロシア革命臭さがぷんぷんの、えぐい演奏ですけど、迫力十分で音の洪水が眼前に迫って来ますよ。

アルバムタイトル…ショスタコーヴィッチ作曲 交響曲第12番ニ短調「1917年」作品112

ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)
ソビエト国立文化省交響楽団

第1楽章…「革命のペトログラード」モデラート~アレグロ(13:48)

第2楽章…「ラズリフ」アレグロ~アダージョ(12:39)

第3楽章…「オーロラ」リステッソ・テンポ~アレグロ(4:32)

第4楽章…「人類の夜明け」リステッソ・テンポ(10:34)

1983年録音

原盤…メロディア  発売…ビクター音楽産業
CD番号…VDC-544

演奏について…まず、「ロジェストヴェンスキー」の手兵として機能している「ソビエト国立文化省交響楽団」について、簡単に説明しておかなければならないだろう。
このオーケストラは、西側で活躍していた祖国のスター「ロジェストヴェンスキー」を呼び戻すために作られた、ヴィルトオーゾ集団なのである。
だから、演奏技術は高水準で、「ロジェヴェン」の意図する通りに演奏機能を果たすのである。

この交響曲自身の持つ、ロシア臭…オーケストラで表現すれば、燻し銀色…いや、鉛色の管楽器の音色が必要となってくるのだが、それについて言えば、申し分の無い音色と技術がある。

それにも増して特筆すべきは、音色こそ(敢えて)鉛色だが、オーケストラの演奏は、非常に精緻であり、何より素晴らしいのは、ロシア臭を漂わせながら、都会的に洗練された部分、つまりやぼではない品位、資質を、このオケが持っている事である。

その理由としては、やはり「ロジェストヴェンスキー」が齎している力が大きい事は否めない。
西側で多くの事を吸収し、咀嚼して来た「ロジェヴェン」による棒だからこそ、オーケストラが従順に反応できるのだと思う。

とにかく劇的で、演奏の起伏が激しい…大地をも揺るがすど迫力サウンドの演奏ですが、ピアニシモ系の部分では、非常に精緻極まりない、微細な表現もなされているんです。

楽章による色分けはこう言ったイメージですね。

ほの暗く不安感たっぷりで、ディープで厳格な、いかにもロシアっぽい第1楽章。

内面から滲み出て来る、抑圧のいらだたしさが、少しずつ顔を出す第2楽章。

行進曲風の展開に趣を感じ得る第3楽章。

最終コーダの盛り上がりが最高潮の、劇的な解釈で幕を閉じる第4楽章。

最後に…戦争嫌いな方には不向き?…確かにそうかもしれない。
しかし、平和ボケしている日本人には、たまにはこう言った緊張感がびんびんの曲を聴くのも良いかもね?
政治家の皆様が、銭金に目が眩んで、真の社会(国家)について、鑑みない日本人へのペーソスがいっぱい詰まっていて、良いと思うなぁ…僕はね!!


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