今日は、今年、生きていたら生誕100年と言う、記念すべき年に当たる、20世紀クラシック界の巨匠指揮者、「ヘルベルト・フォン・カラヤン」が、手兵「ベルリン・フィル」を振って、ベルリン芸術週間での、歴史的ライブ録音にて、「マーラー」の「交響曲第9番」の演奏アルバムを紹介します。
「カラヤン」の「マーラー」演奏にはそこそこ定評が有るものの、磨きぬかれたオーケストレーション故に、実際は、作為的だの美術工芸品、偽宝石(ジルコニア)などと、言われる評論家の方々が多い事も否めません。
そう言った意味では、「ワルター」や「バーンスタイン」の「マーラー」直系の愛弟子達や、「テンシュテット」、「アバド」達の「マーラー」演奏に対して、定評のある指揮者等と評価を比べてると、低いと言わざるを得ませんでした。
「カラヤン」とは、アプローチやスタイルが違うものの、一般的な音楽好き(俗的)な我々にだけ?評価されていた、「マーラー」指揮者と言えば、「ゲオルグ・ショルティ」が代表的ですが、「カラヤン」も「ショルティ」と同様の評価、(専門家から見方が)なされていたと言っても過言では無いでしょう。
つまり、俗人受けが良く、評論家や専門家からの評価は、こと「マーラー」演奏に対しては、高いものでは無かったのです。
しかし、本アルバムの、この演奏は、その評価を覆したばかりか、20世紀の全「マーラー」演奏の中でも屈指の評価を得た、超絶的な名演奏なんです。
一言で言うと、「カラヤン」がレコーディングの鬼、録音の魔術師では無かったことが証明されて、ライブで最高のパフォーマンスを表現できる、真のマエストロ(巨匠)である事を、実力でもって知らしめた演奏、アルバムなのです。
とにかく、全編に漲る緊張感と、「カラヤン」の研ぎ澄まされた「タクト」の魔術に、「ベルリン・フィル」の団員達も、極限状態まで高まった精神を集中して、演奏に邁進しています。
曲的には、「マーラー」の第9は、聴き易い曲では無く、一寸マニアックで、長大な曲なのですが、多くの指揮者がベスト・パフォーマンスを遺している曲ですので、是非、慣れて聴いて頂きたいと思います。
アルバムタイトル…カラヤン/マーラー交響曲第9番ニ長調
演奏…ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
曲目…第1楽章 アンダンテ・コモド ニ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 ゆっくりとしたレントラーのテンポで、いくらかぶきっちょに、そして非常に粗野に ハ長調 4分の2拍子 非常に拡大されたスケルツォ
第3楽章 ロンド ブルレスケ イ短調 2分の2拍子 きわめて反抗的に
第4楽章 アダージョ 変ニ長調 4分の4拍子 ロンド形式
1982年9月 ベルリン芸術週間におけるライブ・レコーディング
原盤…ドイツ・グラモフォン 410-726-2 発売…ポリドール
CD番号…F66G-50038~39 2枚組
演奏について…冒頭の解説でも、かなり述べているので、手短に行きましょう。
まず、一つには「カラヤン」と言う、詳細、ディティールを磨きぬく手法を得意とした、指揮者の力量を、余す事無く伝える演奏形態に、寸分違わず応える、「ベルリン・フィルハーモニー」のビルトオーゾぶりと、技術を味わってもらいたい。
二つ目に、ライブ・レコーディングと言う、得も言えぬ緊張感により、高められた各人のコンセントレーションを、「カラヤン」が一つの指揮棒によって纏めて、精神性の非常に高い演奏が、徹頭徹尾成されている。
三つ目に「マーラー」の第9と言う曲自体が、名演を生んだ大きな要因になっていて、その理由としては、「マーラー・ミュージック」中、最も美しいと評価されている、第1楽章と、美しい死が訪れる、究極の美音楽(空間)の第4楽章、アダージョが、「カラヤン」の磨きぬいた美音、美しさと、とてもマッチしている事。
中間の第2楽章は、とても変化に富んだ面白い楽章であり、同じく第3楽章も「道化」の楽章として、趣の深い演奏が強いられるので、こう言う「ポピュラー・ミュージック」的な演奏を演らせたら、「カラヤン」の右に出る者はいない。
つまり、全楽章を通じて、「パーフェクト」な演奏がなされているので有る。
是非、「カラヤン」の「ベスト・パフォーマンス」の出来栄えの、この1枚、アルバムを聴いて下さい。
「カラヤン」の「マーラー」演奏にはそこそこ定評が有るものの、磨きぬかれたオーケストレーション故に、実際は、作為的だの美術工芸品、偽宝石(ジルコニア)などと、言われる評論家の方々が多い事も否めません。
そう言った意味では、「ワルター」や「バーンスタイン」の「マーラー」直系の愛弟子達や、「テンシュテット」、「アバド」達の「マーラー」演奏に対して、定評のある指揮者等と評価を比べてると、低いと言わざるを得ませんでした。
「カラヤン」とは、アプローチやスタイルが違うものの、一般的な音楽好き(俗的)な我々にだけ?評価されていた、「マーラー」指揮者と言えば、「ゲオルグ・ショルティ」が代表的ですが、「カラヤン」も「ショルティ」と同様の評価、(専門家から見方が)なされていたと言っても過言では無いでしょう。
つまり、俗人受けが良く、評論家や専門家からの評価は、こと「マーラー」演奏に対しては、高いものでは無かったのです。
しかし、本アルバムの、この演奏は、その評価を覆したばかりか、20世紀の全「マーラー」演奏の中でも屈指の評価を得た、超絶的な名演奏なんです。
一言で言うと、「カラヤン」がレコーディングの鬼、録音の魔術師では無かったことが証明されて、ライブで最高のパフォーマンスを表現できる、真のマエストロ(巨匠)である事を、実力でもって知らしめた演奏、アルバムなのです。
とにかく、全編に漲る緊張感と、「カラヤン」の研ぎ澄まされた「タクト」の魔術に、「ベルリン・フィル」の団員達も、極限状態まで高まった精神を集中して、演奏に邁進しています。
曲的には、「マーラー」の第9は、聴き易い曲では無く、一寸マニアックで、長大な曲なのですが、多くの指揮者がベスト・パフォーマンスを遺している曲ですので、是非、慣れて聴いて頂きたいと思います。
アルバムタイトル…カラヤン/マーラー交響曲第9番ニ長調
演奏…ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
曲目…第1楽章 アンダンテ・コモド ニ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 ゆっくりとしたレントラーのテンポで、いくらかぶきっちょに、そして非常に粗野に ハ長調 4分の2拍子 非常に拡大されたスケルツォ
第3楽章 ロンド ブルレスケ イ短調 2分の2拍子 きわめて反抗的に
第4楽章 アダージョ 変ニ長調 4分の4拍子 ロンド形式
1982年9月 ベルリン芸術週間におけるライブ・レコーディング
原盤…ドイツ・グラモフォン 410-726-2 発売…ポリドール
CD番号…F66G-50038~39 2枚組
演奏について…冒頭の解説でも、かなり述べているので、手短に行きましょう。
まず、一つには「カラヤン」と言う、詳細、ディティールを磨きぬく手法を得意とした、指揮者の力量を、余す事無く伝える演奏形態に、寸分違わず応える、「ベルリン・フィルハーモニー」のビルトオーゾぶりと、技術を味わってもらいたい。
二つ目に、ライブ・レコーディングと言う、得も言えぬ緊張感により、高められた各人のコンセントレーションを、「カラヤン」が一つの指揮棒によって纏めて、精神性の非常に高い演奏が、徹頭徹尾成されている。
三つ目に「マーラー」の第9と言う曲自体が、名演を生んだ大きな要因になっていて、その理由としては、「マーラー・ミュージック」中、最も美しいと評価されている、第1楽章と、美しい死が訪れる、究極の美音楽(空間)の第4楽章、アダージョが、「カラヤン」の磨きぬいた美音、美しさと、とてもマッチしている事。
中間の第2楽章は、とても変化に富んだ面白い楽章であり、同じく第3楽章も「道化」の楽章として、趣の深い演奏が強いられるので、こう言う「ポピュラー・ミュージック」的な演奏を演らせたら、「カラヤン」の右に出る者はいない。
つまり、全楽章を通じて、「パーフェクト」な演奏がなされているので有る。
是非、「カラヤン」の「ベスト・パフォーマンス」の出来栄えの、この1枚、アルバムを聴いて下さい。
これは、曲が指揮者を本気にさせるのでしょうね。いわゆる名指揮者といわれる人で、この曲を凡演に終わらせる人はいませんね。カラヤンしかり。えりっくさんの言われるように、本気のカラヤン、とくにライヴで燃えたときの彼はすごいですよね。
このアルバム、昔持っていたのですが、何を血迷ったか、誰かに譲ってしまったのでした。廉価になったら買おう思って数年たちます。
仰せの通り、「マーラー第9」は、とにかく名盤の宝庫ですよね。
もしかすると、クラシックの全曲中、最も「名盤」と言われる演奏が多いかもしれません。
一期一会の代表作「バースタイン/ベルリン・フィル」の奇跡の超名演とか、前述以外でも、古典的な名演として「バルビローリ」とか、「ジュリーニ」なんかの評価もメチャ高ですよね。
最近の名盤はあまり知らないのですが、「ブーレーズ」とか「アバド」の新盤、個性的な「インバル」、「レヴァイン」「ドホナーニ」「ラトル」なんかの評価も高そうですね。
残念ながら、全部は聴いた事がないんですけどね。
カラヤンって、マーラーの交響曲は、
4番、5番、6番、9番、「大地の歌」しか録音していませんね。
2度も全集を作ったバーンスタインとは対照的です。
納得のいく演奏ができないと思えば最初から取り上げなかったのでしょうか。
逆に残された演奏はどれも素晴らしいですね。
個人的にはカラヤンの「巨人」と「復活」を聴きたかったですが・・・。
早速のコメント、とても嬉しいです。
そう言われて見ると、「カラヤン」の「マーラー」演奏って仰る通りしか有りませんね。
苦悩や人間的な弱みがまともに反映される「マーラー・ミュージック」が、あまり好きじゃなかったのかも知れませんね。
また、下衆の勘ぐりですが、巷では第2次世界大戦中の、「ヒトラー」のユダヤ人虐殺に対して、「フルトヴェングラー」「E・クライバー」等多くのクラシック・マエストロが反旗を翻し?亡命まがいに他国へ逃れたのに対して、「カラヤン」は「ヒトラー」に無理強い的だったらしいが、共感?して、その部分で悪者扱いされている背景も有ったりして…
つまり、ユダヤ人の誇りである「マーラー」の深遠な感情を表現するのには、一寸違和感が有ったのかも知れません。
あくまでも私なりの下衆の勘ぐりですので、厳しい突込みはご勘弁を……(笑)。。