紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

「マン・フロム・バルセロナ」~「テテ・モントリュー・トリオ」

2007-04-18 23:42:13 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
スペインはバルセロナ生まれの、盲目のジャズピアニスト「テテ・モントリュー」が中心のピアノトリオ演奏アルバムを紹介します。
とにかく、このアルバムはジャズ好きよりもむしろクラシック好きの方々に聴いて頂きたい演奏です。
モントリューの演奏技術、とりわけペダリングと装飾音符の使い方の上手さは感動ものです。
それでは詳細です。

アルバムタイトル…「マン・フロム・バルセロナ」

パーソネル…リーダー;テテ・モントリュー(p)
      ジョージ・ムラーツ(b)
      ルイス・ナッシュ(ds)

1990年10月30日 ポルトガルで録音

曲目…1.アランフェス協奏曲、2.星影のステラ、3.イージー・リヴィング、4.枯葉、5.フォー・ユー・マイ・ラブ、6.チューン・アップ、7.アイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イージリー、8.ジャンゴ、9.ホエン・ライツ・アー・ロウ、10.プリーズ・アイ・ライク・トゥ・ビー・ジェントル、11.チュニジアの夜

演奏(曲)について…いつもは比較的簡単に、ベスト1(お薦め曲)が言えるんですが、このアルバムは「全てが聴き物」と言える程、高水準の演奏ばかりなので、「この一曲に決定!」とは行きません。
まず、表題の「アランフェス協奏曲」は当然このアルバム中メインの1曲です。
スペイン出身のピアニストにとってご当地物ですので、知情意のバランスが素晴らしく感動的です。
「星影のステラ」は、特にドラムス「ナッシュ」がキラリと光る演奏をしています。
3曲目「イージー~」と5曲目「フォー・ユー~」はとにかくロマンティックで、「テテ」のピアノに酔いしれてしまいます。
男性と言うより、女流ピアニストが弾いていると思えるぐらい美しい演奏です。
「枯葉」と「チュニジアの夜」は、「テテ」には珍しいぐらい、かなり原曲をくずしてテンポも速めにとっていますが、この2曲は「テテ」のピアノに触発された「ナッシュ」と「ムラーツ」二人が素晴らしいインプロバイザーと化しています。7曲目「アイ・フォール~」は、官能的なタンゴかアイスダンスを見せられているような、「テテ」と「ムラーツ」の二人の「演奏の絡み」がすごいです。
「ジャンゴ」は「テテ」が「ジョン・ルイス」をリスペクトした演奏なのでしょうか、かなり原曲に近い演奏をしていますが、そこは「テテ」が「テテ」たる所以、後半にドマティックなサプライズを用意しています。

とにかく、全曲楽しめる奇跡のようなアルバムです。


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