紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

近年人気が再沸騰…ヴァラエティ・イズ・ザ・スパイス~ザ・ルイス・ヘイズ・グループ

2007-11-30 10:25:52 | ジャズ・コンボ
皆さん、お早うございます。
今日も代休が取得できたので、朝からブログを書きますね。

このアルバムは、「ルイス・ヘイズ」がリーダーで約30年近く前に出したのですが、収録曲や演奏内容から、近年クラブ・シーンで人気が再燃しているとの事でセレクトしました。
クラブで人気が有ると聴いて、アシッド・ジャズの原点?かと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、実際はハードな内容で、一部にヴォーカルがフューチャーされていますが、正統派なアコースティック・ジャズとして大お薦めのアルバムです。

アルバムタイトル…ヴァラエティ・イズ・ザ・スパイス

パーソネル…リーダー;ルイス・ヘイズ(ds)
      ハロルド・メイバーン(p、el-p)
      セシル・マクビー(b)
      フランク・ストロージャー(as、fl)
      ティト・ソムバ(conga)
      ポルティーニョ(perc)
      レオン・トーマス(vo)…2、6トラック

曲目…1.ケリー・カラーズ、2.リトル・サンフラワー、3.スターダスト、4.ホワッツ・ゴー・オン、5.インヴィテーション、6.ナイシャ、7.マイ・フェイヴァリット・シングス、8.ダンス・ウィズ・ミー、9.ハンドレッド・ミリオン・ミラクル

1979年 NYにて録音

原盤…Gryphon G-787  発売…MUZAK
CD番号…MZCS-1057

演奏について…まず、私がこのアルバムを購入する時にアシストしてくれた名演、「マイ・フェイヴァリット・シングス」ですが、まず序奏で「メイバーン」がカラフルに煌びやかに、ブロック・コードでテーマを弾いて、皆のファイティング・スピリットを呼び起こす。
応えた「マクビー」がぶんぶんドライヴして、それにすぐさま反応して、「ヘイズ」のドラミングは勿論、コンガの「ソムバ」、パーカッション「ポルティーニョ」の気合も充分で、全員が一体となって煽り捲る。
とにかく「メイバーン」の名演が冴えていて、ホーン・レスの演奏ですが、聴き応え充分ですよ。

2曲目「リトル・サンフラワー」…ラテン・リズムから序奏が始まる、ヴォーカル入りのトラック。
リズム・セクションは最初からノリノリで行くが、この曲を素晴らしい仕上げに染めているのが、「ストロージャー」のフルート。
やはり、ラテンとフルートってバッチグーに合いますね。
所々の「口笛」(これはヴォーカルの「トーマス」が吹いているんでしょう?)も効果が抜群です。
「ソムバ」のコンガ…まじに行けてます。
「ポルティーニョ」のパーカッションの一連の楽器群が、粒立ち良く彩りを添えて、効果抜群で、来てます。
勿論、「トーマス」のアンニュイな雰囲気のヴォーカルも、どことなく「デヴィッド・ボウイ」のジャズ・ヴァージョン版みたいでgoodですよ。
この曲は確かにクラブ・シーンには、ど真中の当りですね。

3曲目「スターダスト」では、「ストロージャー」のアルト・サックスを中心に、見事に統制された、ワンホーン・カルテット演奏が気持ち良い。。。
「ストロージャー」のアドリブ・ソロは奇を衒ったとこが無く、的を射た、それでいてセンスと感性も充分で、素晴らしい演奏です。
「マクビー」の分厚いベース、「メイバーン」の品有る伴奏、そしてリーダー「ヘイズ」のドラムも、「ストロージャー」を強固にアシストします。

オープニングの「ケリー・カラーズ」…80年代(実際は79年だが)の、到来を告げるファンキー・チューン。
「キャノンボール」等が演っているよりは、かなり都会的なイメージのファンキー曲だ。
「ストロージャー」の序奏のアドリブ演奏も良いが、やはり中盤からガツンと出て来る「メイバーン」のピアノが最高に行けてる。
「マクビー」と「ヘイズ」、そして「メイバーン」の織り成すリズム・セクション・トライアングル演奏は完璧です。
中盤の「マクビー」の重厚なベース・ソロ…かっこいいの一言です!!
分かり易く言えば「大人による、大人のための、大人が(演る&聴く)ジャズ」です。

4曲目「ホワッツ・ゴーイング・オン」…「マーヴィン・ゲイ」の有名ポップス曲を、ジャズにアレンジした曲だが、セプテット(全員)による、コンボ演奏によってビッグ・バンド風で楽しい1曲に仕上げてます。
「ストロージャー」は、かなりフリーに吹いてくれますし、「メイバーン」もテクニックを見せびらかして、華麗なカデンツァを弾いてくれます。
「ヘイズ」は、あえて全員に自由にやらせていながらも、しっかりとコントロールしているドラミングは、見事と言って良いでしょう。
一聴ごちゃごちゃに聴こえるんですが、耳を凝らすとしっかりと統率が取れているんです。

5曲目「インヴィテーション」では、「ストロージャー」のカデンツァから、曲が劇的に始まる。
「ポルティーニョ」のギロ、「メイバーン」のブロック・コード、そして「ヘイズ」のシンバルが「ストロージャー」をフォローしていて、この後「マクビー」が強烈なベース進行で、皆を引っ張って行きます。
それからが、またまたこの、名人リズム・トライアングルがぶんぶんと疾走をするんです。
ドライヴィング力が半端じゃなく、鳴門の渦潮並に?引っ張り込まれそうです。
「ストロージャー」も再度、カデンツァを吹き鳴らし、この3人と渡り合います。
フィナーレも劇的で、最もバトル性が出された演奏がこの曲で、まじお薦めです。

6曲目「ナイシャ」…「ストロージャー」の哀愁あるアルト・サックスと「メイバーン」の流麗なピアノに導かれて、「トーマス」が味わい深く、男の色気を纏わせたヴォーカルを、バッチリ決めてくれます。
「トーマス」のこの歌い方は、悪さが取れた「マーク・マーフィー」の様ですね。
但し、「ストロージャー」他、全員がバック・バンドに徹しているシチュエーションの録音では無いので、主役「トーマス」が休憩中?に、ヴォーカル抜きのバンド演奏の時では、主役を喰っちゃうぐらい素晴らしいカルテット演奏をしてくれますよ。

8曲目「ダンス・ウィズ・ミー」…これは現在のクラブ・シーンにドンピシャのダンス・ナンバーです。
「メイバーン」のエレピ、「ストロージャー」のファンク色全開のアルト演奏が、ダンス・ミュージックに、はまります。
「ソムバ」「ポルティニョ」のラテン・パーカッショニストたちもエネルギーを100以上発散させていて、正しくノリノリ。
70年代フュージョン全盛期の、横綱、真打登場と言った感がする、ダンサブルな1曲です。

9曲目「ハンドレッド~」は、序奏からモンク調の怪しげなテーマが吹かれてから、「ヘイズ」の独壇場と化して、超絶ドラムを敲き捲る。
とにかく、アルバム・タイトル…「ヴァラエティ~」と名売って、色々な曲を演ってきたが、リーダー「ヘイズ」は、それ程見せ場を作らず(作れず?)、ちょこっと欲求不満?だったのを、最後の暴れドラミングで、発散させてフィナーレ!って言う所でしょうか。

いずれにせよ、聴き応え充分な好アルバムで、お墨付きです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿