皆様、お早うございます…いや、お久しぶりです。
先週は、とにかく多忙な一週間で、ブログ更新どころかブログの閲覧すらしていない状況で、大変ご迷惑をおかけしました。
今週から、気合を入れ直して書きますぞ!って言いたい所ですが、仕事の疲れで体調も崩しており、今日も床に臥せながら、やっとブログを書いている次第でして…
まぁ、言い訳はさておき、このアルバムについて説明すると…ジャズの大巨人5人「クインテット」が、カナダ、トロントのマッセイ・ホールにて、一期一会でセッションをした伝説の一夜の事である。
セッション参加のメンバーと言うと、アルト・サックスが「チャーリー・チャン」こと「チャーリー・パーカー」、トランペット…「ディジー・ガレスピー」、ピアノ「バド・パウエル」、ベースが「チャールス・ミンガス」そしてドラムが「マックス・ローチ」。
正にモダン・ジャズの創世紀、バップの大巨人が一同に会した、奇跡の演奏(レコーディング)なのである。
尚、今回は当初発売された「ミンガス」が企画したアルバムでは無く、オリジナル・レコーディングのマスター・テープでの演奏(アルバム)を紹介させて頂きます。
アルバムタイトル…ジャズ・アット・マッセイ・ホール~フロム・オリジナル・レコーディング
パーソネル…チャーリー・パーカー(as)
ディジー・ガレスピー(tp)
バド・パウエル(p)
チャールス・ミンガス(b)
マックス・ローチ(ds)
曲目…1.ウィー、2.ホット・ハウス、3.チュニジアの夜、4.パーディド、5.ソルト・ピーナッツ、6.オール・ザ・シングス・ユー・アー~52丁目のテーマ
1953年5月15日 トロント、マッセイ・ホールにて録音
原盤…debut 発売…ビクター音楽産業
CD番号…VICJ-23061
演奏について…1曲目「ウィー」…ノッケから「パーカー」、「ガレスピー」が、素晴らしいアドリブ連発で、いきなりトップ・ギアで疾走する。
特に「ディズ」の出来が抜群で、ブリリアントな音色で、快活なフレーズを次々に繰り出して聴衆をこの「スーパー・コンボ」の世界へと引き込む。
続く「パウエル」も絶好調…病院から出てきたばかりとは思えない程、感性が冴えている。
「ローチ」も大巨人のソロイスト達に負けてはいられないと、超絶技巧のドラミング・ソロをかまして存在感を見せ付ける。
2曲目「ホット・ハウス」…ここでもテーマは、巨人2管のユニゾンから始まる。
すぐに「バード」が煌くソロを吹くのだが、何がすごいかと言うと、ここで演奏している楽器(アルト・サックス)がプラスチック製のおもちゃ同様の品物だと言う事で、そのおもちゃでもすごいアドリブを次々に繰り出す所なのです。
余談ですが、勿論、この曲に限らず、この日の演奏(録音)の全曲が、このおもちゃアルトにて演奏されているんですよ。
詳細はCDの解説書や、「マッセイ・ホール」についてのジャズ記事などを読んで頂ければ幸いです。
この後、「ディズ」「パウエル」は1曲目同様、冴えてますし、「ミンガス」もソロパートが用意されており、「しかめっ面」で不気味に演奏している様が眼に浮かびます。
残念なのは、ベース音がしっかりと録られていない事なんですが、これにより当初発売のこのアルバムでは、「ミンガス」が録音・発売の権利を持った事もあって、ベースのパートだけ「オーヴァー・ダビング」しての発売がなされたのです。
3曲目「チュニジアの夜」…とにかく「バード」の出来が最高潮で、汲めど尽きぬアドリブ・フレーズが洪水の様に繰り出されるんです。
「ガレスピー」は、この曲では音のうねりを重視したソロを取って、クレシェンドとデクレシェンドの演奏対比が見事で、流石チュニジア(アフリカ)の夜は激しいと言うのを伝えてくれます。
「パウエル」はいかにも「パウエル」らしく、思うがまま天才の煌きに従って演奏している。
このスーパー・コンボのアクセント役は、ハッキリ言って「パウエル」でしょう。
4曲目「パーディド」…今までの3曲がかなりハードな演奏だったのか?ここらで一休み的に、ラテン・リズムの寛ぎ系のテーマから始まる。
「バード」もラテン好きなアーティストなので、この演奏では余裕を見せながら、気楽に吹いているのが良いですねぇ。
しかし時々、高速のアドリブ・フレーズを織り交ぜて、自身のスキルをチラ見せするのが、乙と見るか?いやらしい(笑)と思うか?どっちかなぁ。
「ガレスピー」は、終始、大真面目に曲に取り組んでいて、好感が持てます。
「パウエル」…本当に彼は自由人そのもので、これだけのメンバーがいても臆する事無く、我が道を突き進む。
と言って、勝手気ままに演っている訳ではなくて、独自スタイルで演っても天賦の才によって、他のミュージシャンにピタッとマッチしちゃうんです。
5曲目「ソルト・ピーナッツ」…一番リラックスした名演で、「ディズ」が曲目「ソルト・ピーナッツ」を地声で言うのが、面白おかしくて…goodです。
しかし演奏に入ると「ガレスピー」のエネルギー爆発で猛演ですぞ。
「パウエル」は軽やかにしかしスピーディにアドリブを注ぎ、スポーツカー的な演奏が聴き所です。
彼等を強烈にドライヴィングする「ミンガス」と、ここが最後の見せ所とばかり、ガツン、バキン、ドカンとドラムをぶっ敲く「ローチ」の劇演は更に良いです。
ラスト「オール・ザ・シングス~」…解説書によると、どうやらこの日の演奏では無いらしく、ピアニストが「パウエル」では無く、「ビリー・テイラー」らしい。
そう言われると、今までの演奏とピアノは随分違う感じがする。
有る意味コンボとしては、「テイラー」の演奏の方がしっくりくるし、統制が取れているかもしれません。
だが、毒が無いのはつまらないとも言えますよね。
これだけのメンバーが集まったら、全員毒ガスでもミサイルでも何でもありだと思うし、統制なんか全く考えずに、ゴーイング・マイ・ウェイの「パウエル」だからこそ、やはり「マッセイ・ホール」なんだと思います。
ただし、演奏は悪くは無いですよ、いやむしろ名演奏と言った方が良く、私個人的には大好きなんです。
「ローチ」、「ミンガス」とも「テイラー」?の意図を理解しているのか、この曲ではバック・ミュージシャンとして、2管の二人をきっちりサポートしています。
この演奏がオリジナル・バンドだったなら、実はこの演奏が一番の名演だったかも知れません。
しかし、「マッセイ・ホール」と言う事を考慮すると…アルバムに収めなくても良かったかも…。。。
先週は、とにかく多忙な一週間で、ブログ更新どころかブログの閲覧すらしていない状況で、大変ご迷惑をおかけしました。
今週から、気合を入れ直して書きますぞ!って言いたい所ですが、仕事の疲れで体調も崩しており、今日も床に臥せながら、やっとブログを書いている次第でして…
まぁ、言い訳はさておき、このアルバムについて説明すると…ジャズの大巨人5人「クインテット」が、カナダ、トロントのマッセイ・ホールにて、一期一会でセッションをした伝説の一夜の事である。
セッション参加のメンバーと言うと、アルト・サックスが「チャーリー・チャン」こと「チャーリー・パーカー」、トランペット…「ディジー・ガレスピー」、ピアノ「バド・パウエル」、ベースが「チャールス・ミンガス」そしてドラムが「マックス・ローチ」。
正にモダン・ジャズの創世紀、バップの大巨人が一同に会した、奇跡の演奏(レコーディング)なのである。
尚、今回は当初発売された「ミンガス」が企画したアルバムでは無く、オリジナル・レコーディングのマスター・テープでの演奏(アルバム)を紹介させて頂きます。
アルバムタイトル…ジャズ・アット・マッセイ・ホール~フロム・オリジナル・レコーディング
パーソネル…チャーリー・パーカー(as)
ディジー・ガレスピー(tp)
バド・パウエル(p)
チャールス・ミンガス(b)
マックス・ローチ(ds)
曲目…1.ウィー、2.ホット・ハウス、3.チュニジアの夜、4.パーディド、5.ソルト・ピーナッツ、6.オール・ザ・シングス・ユー・アー~52丁目のテーマ
1953年5月15日 トロント、マッセイ・ホールにて録音
原盤…debut 発売…ビクター音楽産業
CD番号…VICJ-23061
演奏について…1曲目「ウィー」…ノッケから「パーカー」、「ガレスピー」が、素晴らしいアドリブ連発で、いきなりトップ・ギアで疾走する。
特に「ディズ」の出来が抜群で、ブリリアントな音色で、快活なフレーズを次々に繰り出して聴衆をこの「スーパー・コンボ」の世界へと引き込む。
続く「パウエル」も絶好調…病院から出てきたばかりとは思えない程、感性が冴えている。
「ローチ」も大巨人のソロイスト達に負けてはいられないと、超絶技巧のドラミング・ソロをかまして存在感を見せ付ける。
2曲目「ホット・ハウス」…ここでもテーマは、巨人2管のユニゾンから始まる。
すぐに「バード」が煌くソロを吹くのだが、何がすごいかと言うと、ここで演奏している楽器(アルト・サックス)がプラスチック製のおもちゃ同様の品物だと言う事で、そのおもちゃでもすごいアドリブを次々に繰り出す所なのです。
余談ですが、勿論、この曲に限らず、この日の演奏(録音)の全曲が、このおもちゃアルトにて演奏されているんですよ。
詳細はCDの解説書や、「マッセイ・ホール」についてのジャズ記事などを読んで頂ければ幸いです。
この後、「ディズ」「パウエル」は1曲目同様、冴えてますし、「ミンガス」もソロパートが用意されており、「しかめっ面」で不気味に演奏している様が眼に浮かびます。
残念なのは、ベース音がしっかりと録られていない事なんですが、これにより当初発売のこのアルバムでは、「ミンガス」が録音・発売の権利を持った事もあって、ベースのパートだけ「オーヴァー・ダビング」しての発売がなされたのです。
3曲目「チュニジアの夜」…とにかく「バード」の出来が最高潮で、汲めど尽きぬアドリブ・フレーズが洪水の様に繰り出されるんです。
「ガレスピー」は、この曲では音のうねりを重視したソロを取って、クレシェンドとデクレシェンドの演奏対比が見事で、流石チュニジア(アフリカ)の夜は激しいと言うのを伝えてくれます。
「パウエル」はいかにも「パウエル」らしく、思うがまま天才の煌きに従って演奏している。
このスーパー・コンボのアクセント役は、ハッキリ言って「パウエル」でしょう。
4曲目「パーディド」…今までの3曲がかなりハードな演奏だったのか?ここらで一休み的に、ラテン・リズムの寛ぎ系のテーマから始まる。
「バード」もラテン好きなアーティストなので、この演奏では余裕を見せながら、気楽に吹いているのが良いですねぇ。
しかし時々、高速のアドリブ・フレーズを織り交ぜて、自身のスキルをチラ見せするのが、乙と見るか?いやらしい(笑)と思うか?どっちかなぁ。
「ガレスピー」は、終始、大真面目に曲に取り組んでいて、好感が持てます。
「パウエル」…本当に彼は自由人そのもので、これだけのメンバーがいても臆する事無く、我が道を突き進む。
と言って、勝手気ままに演っている訳ではなくて、独自スタイルで演っても天賦の才によって、他のミュージシャンにピタッとマッチしちゃうんです。
5曲目「ソルト・ピーナッツ」…一番リラックスした名演で、「ディズ」が曲目「ソルト・ピーナッツ」を地声で言うのが、面白おかしくて…goodです。
しかし演奏に入ると「ガレスピー」のエネルギー爆発で猛演ですぞ。
「パウエル」は軽やかにしかしスピーディにアドリブを注ぎ、スポーツカー的な演奏が聴き所です。
彼等を強烈にドライヴィングする「ミンガス」と、ここが最後の見せ所とばかり、ガツン、バキン、ドカンとドラムをぶっ敲く「ローチ」の劇演は更に良いです。
ラスト「オール・ザ・シングス~」…解説書によると、どうやらこの日の演奏では無いらしく、ピアニストが「パウエル」では無く、「ビリー・テイラー」らしい。
そう言われると、今までの演奏とピアノは随分違う感じがする。
有る意味コンボとしては、「テイラー」の演奏の方がしっくりくるし、統制が取れているかもしれません。
だが、毒が無いのはつまらないとも言えますよね。
これだけのメンバーが集まったら、全員毒ガスでもミサイルでも何でもありだと思うし、統制なんか全く考えずに、ゴーイング・マイ・ウェイの「パウエル」だからこそ、やはり「マッセイ・ホール」なんだと思います。
ただし、演奏は悪くは無いですよ、いやむしろ名演奏と言った方が良く、私個人的には大好きなんです。
「ローチ」、「ミンガス」とも「テイラー」?の意図を理解しているのか、この曲ではバック・ミュージシャンとして、2管の二人をきっちりサポートしています。
この演奏がオリジナル・バンドだったなら、実はこの演奏が一番の名演だったかも知れません。
しかし、「マッセイ・ホール」と言う事を考慮すると…アルバムに収めなくても良かったかも…。。。
休み明けにいきなり「マッセイ・ホール」なんて物凄いアルバムを・・・・。
私、こちらは昔からあんまり聴いてなくて、「マッセイ・ホール VOL.2」なるバド・パウエル・トリオだけの演奏を良く聴いていた記憶があります。
年なのか?正直、未だ疲れが抜けていません。
そう言った環境下で、「マッセイ・ホール」…確かにハードすぎるかも?って思ったのですが、逆に歴史的名盤は、誰もが分かる?名演なので、コメントが書き易いのでは?と、至って単純な動機でチョイスしてしまった様な。。。