紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ウエス・モンゴメリー~ボス・ギター

2007-06-13 23:54:01 | ジャズ・ギター
今晩は、大好きなウエスのギター・アルバムで寛ぎましょう。

アルバムタイトル…ボス・ギター

パーソネル…リーダー;ウエス・モンゴメリー(g)
      メル・ライン(org)
      ジミー・コブ(ds)

曲目…1.ベサメ・ムーチョ、2.ディアリー・ビラヴド、3.酒とバラの日々、4.ザ・トリック・バッグ、5.カナディアン・サンセット、6.フライド・ハイズ、7.そよ風と私、8.フォー・ヘヴンズ・セイク、9.ベサメ・ムーチョ(テイク2)、10.フライド・ハイズ(テイク1)

1963年4月22日 NYC録音

演奏について…まず、ギターとオルガン&ドラムスと言う編成の妙に乾杯!っと言ったところに目が行きます。
どの曲も非常にハイ・センスな演奏がなされており、ウエスのすごテク(オクターブ奏法)と、ジャジーでブルージーで、且つポップ的なお洒落も兼ね備えた、心地良さがとても快適なサウンドです。

まず、最高の演奏は、普通とは毛色の違う1曲目の「ベサメ・ムーチョ」です。
なにか、ブルーベックの変拍子のような序章から曲が始まり、ウエスはとてもジャジーな演奏で、オルガンの「ライン」はとてもブルージーだが控えめに、そして「コブ」はシンバルワークを中心として、あくまでバックに徹していて、二人とも大変ウエスを引き立たせた演奏です。
ウエスはとにかく、素晴らしいアドリブ・ソロを弾きまくりますが、ウエスのギターは決して五月蝿くないのがとても良いですね。
3人の渾然一体と化した、名演に全てを忘れて没頭しましょう。

3曲目のスタンダード「酒とバラの日々」は、ウエスのもう一つの顔とも言える、ナイーブで、ほのかにじんわりと暖かいトーンのバラードを奏でる。
哀しげな旋律であってもウエスが奏でると、どこか癒されとても優しい気持ちにしてもらえるのが何とも不思議。
彼のオーラは、本当に「真紫」ですね。

8曲目「フォー~」の哀愁を帯びた曲は、しっとりとして落ち着いたバラード演奏で、ウエス…何をやっても様になる。
題名通り、「ボス・ギター」と呼ばれるのも伊達じゃない。
ライトはここでは、バッハのオルガン曲の様な荘厳な演奏をカッコよく決める。

5曲目の「カナディアン~」の正しく「ライトなボッサ」は、夏の夕暮れに向かって、ハイウェイをドライブがてらに、品の良いBGMとして、是非とも聴きたい佳曲です。

7曲目「そよ風と私」も良い意味で期待を裏切る、ハイスピードの演奏。
ここでのウエスはそよいでいる「そよ風」ではなく、「疾風」の如くギターラインを疾走する。

2曲目と4曲目は、おしゃれなドライブ感一杯の演奏で、ラインもコブも全力でカッ飛んで、真打「ウエス」がその後を追従して、迫力のギターをブリブリ言わします。

夏に聴く「ウエス」は最高です。