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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

母は愚かなり・・・さて?

2009年12月16日 14時13分13秒 | 日常
首相の母、上申書提出「子を助けるのは当然」(読売新聞) - Yahoo!ニュース

 これ関連のニュースをTVで観ていた時に、次男が「毎月1500万円なんて、想像がつかないな~」と言うので、「お母さんが君達に、毎週250円のWJを買っているのと、たぶん同じ感覚なんだよ」と言ったら、すごく納得されました。うん、激しく金銭感覚のレベルは違うんですけどね(笑)



 随分前の少女漫画になるんですけど、河惣益巳さんの『サラディナーサ』という歴史大河ロマン作品のキャラで、王の弟に生まれたが為に、不幸になるキャラが居たんです。もしも、一介の騎士として生まれていたのであれば、望みうる最高の地位と名誉を欲しいがままにしたであろう、武運にも人となりにも恵まれた優れた人物なんですが、唯一つ、王の弟=王位を脅かすかもしれない存在な為に、兄に疎まれてしまうんです。

血を分けた兄弟であるがゆえに、最も信頼し支えあっていたはずの二人が、王位や政権を争う、最も強大な敵になってしまう。大昔から綿々とあったであろう、シンプルで業の深い争いなんですが、カインとアベル、源頼朝と義経など、大概、片方には(あるいはそれなりに両方とも)愛情があるから、嘆きも大きくなるんですよね。

なんでこんな話をしているかというと、アニメ『獣の奏者 エリン』が、残すところあと二話でクライマックスを迎えるからなんです。原作既読の方は、アレだなとお判り頂けるでしょうか。

私、初めて原作を読んだ時は、久々にびっくりしました。長い時間をかけて、陰謀の芽を育ててきた、あの人の壮大な計画に驚き、残された者の慟哭を想像して、児童文学でここまで書くか!と唖然としたんです。
(最近の上橋先生のインタビューで、先生が「獣の奏者は児童文学として書いたのではありません」と語っておいでだったんですが・・・私は子供たちに読ませたいので、児童文学でとおします)

そして、もし彼らの母親が生きていて、この有様を見たらどう思ったかしら?と、考えずにはいられませんでした。

もう、すっかりお名前を忘れちゃったんですが、女性の作家さんの短編集に、兄弟で王位を争わせない為に、母である王妃が弟は不倫の末に生まれたと噂を流すんです。結果として王宮を追われ、牢獄でぼろをまとって暮らすような生活になってしまうんですが、息子である兄王が、真意を質しに何年も牢獄を訪ねてきても、あやふやな返事をして、けっして本当の事を言わないんですね。それゆえに、兄王は弟をどうすることも出来ずに、そのまま生き永らえさせるんです。

愚か、と言われるかもしれませんが、自分の生んだ子どもたちが、争ったり殺しあったりするのを止めさせられるんなら、母親はそうするだろうなと私は思いました。男の子を二人も生んで、お世継ぎも助け手も出来て安泰と思っていたら、まったく違う未来が待っていたなんて、どれだけ辛いことでしょう。


 物語の中ですら書かれない様な愚かな行いでも、母親ならしてしまうだろうなと、冒頭の報道を見る度に思うんです。財閥に生まれ育ち、政治家の妻&母となった女性の本音を伺う事は、簡単にはできないですが、世間には、愚かな母と押し通した方が、息子の保身になると考えているのかも?と思うのは、穿ち過ぎでしょうか。





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6 コメント

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上申書 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2009-12-16 18:03:41
 この上申書が書かれるまでには、当の母上のみならず、秘書さんやら弁護士さんやらその道の方たちがいっぱい関与しているに違いませんから、どうやったらなるべく双方に傷が付かないようにいろいろと考えられて書いてあると思います。(そうでしょう?)

 だから読んでハイ、そうでしょ母は愚かね、とそのまま鵜呑みにはできません。その点でいえば
>息子の保身
は十分考えてありますとも。
皮肉に考えてしまうのは、あまりにも金銭感覚が違いすぎるのに呆れているからです。(笑)

 総理も昔は
「秘書がやったとしても政治家が責任を持て」
とさんざん言ってたと思いますが ?
返信する
うちもジャンプで説明するか(笑) (けい)
2009-12-17 01:29:50
控除廃止・・・うんたらかんたらで・・・やっぱ政治家は、次元が(金銭感覚が)違うから、庶民の気持ちなんてわからないよね~!と、思っていたらこれ、、、笑っちゃうしかないでしょう!これじゃ2ヶ月で、マンション買えますよ、札幌なら、あはは~(呆)
うちも毎週ジャンプ買ってるのよね、家計費から(苦笑)だって、私も読みますので(苦笑)

実は、私の地元、この一族のビルたくさんあるんですのよ。なんか、子供の頃から、この名前見ると、金持ちっていいよね~と思っていたもので、私はあの政党に入れませんでした(ど~ゆう感覚?笑)

母は愚かかぁ・・・息子の保身の為なら、やるでしょうね、ええなんだって!これはいつの時代だろうが、金持ち貧乏の違いもないでしょうね。客観視なんて到底ムリですしね・・・

短編集のお話、じ~んときちゃいました。私もその立場なら、そ~するだろうな・・・
兄弟で政権を争う話、色々読んだり見たりしたけど、どれも悲しいんだよな・・・
私が読んだ話はどれも、弟の方が権力者に向いてるパタ~ンが多いです。で、兄が弟を恐れ・・・
で、弟はそれでも純粋に兄を慕っていたくて・・・こ~ゆうの弱いです、うううっ
あ、花咲けるのルマティもそ~ですね
返信する
ハトさん家はまだまだ成金だい! (クロンシュタット)
2009-12-17 05:57:57
東京の農家一族。しかも吉祥寺のすぐ近く。
農地はバブル時に坪300万円でした。
売っちまったら、別世界を覗けます。
私自身は分家の分家なので傍観者でいられますが。

遺産相続で70歳代の兄弟同士争う親戚がおります。
裁判所で刃傷沙汰となりました。
でもあざけることはできません。その金額は100億以上。
誰しも人間性を失う恐れがあります。

本家は牛舎とサイロと放牧場を持っています。
駅前道路をバスが通れるよう、自費で拡張しました。
さすがにTVにも出ました。
戦前は駅から自宅まで1キロ近くの道を、よそ様の土地を通らず歩けたそうです。
でも、当主は、もっぱらママチャリ愛用です。

こんな話は限りなくありまして、いやみったらしくなるのでやめときますね。
義理の両親は、あくまでも生涯一農家です。
質素な生活は尊敬に値しますよ。
返信する
うん、「呆れる」が一番ぴったりくる表現です。 (すず)
2009-12-17 08:36:06
>トミー。様

>「秘書がやったとしても政治家が責任を持て」

 これ、あちこちで引用されてますけど、まさか我が身に振りかかって来るとは思われなかったんでしょうねぇ。

上申書は、仰るようにその道のプロの皆さんが集まって「巧くいくように」書いてあると思います。穿った目で見ちゃうのは、もうしょうがないですよね(苦笑)

一昔前の政治家さんは、大地主やら財閥の出身でなければ、選挙を戦うお金を賄えなかった訳で、その因習がまだ残っているんだなぁと、さんざん改革だなんだと言われていても、実情はこんなもんだよなと、ますます政治に対する気持ちが冷めちゃいました。
返信する
好い例えでしょ?(笑) (すず)
2009-12-17 08:43:05
>けい様
 自分で言うのもなんですが、WJのたとえ話は、好い出来だと思いました(笑)それくらい感覚が違う事が当然なのかぁ~と、政治家さんに対する気持ちが、ますます冷めました。

そう、兄弟で争うってのはほんと哀しいです。三兄弟で継承者争いとかね~(by北斗の拳)父親と息子だと、また違った印象になるんですけど、たとえ異母兄弟とかでも哀しいです。
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今の時代に、「生涯いち農家」は大変なことですよ。 (すず)
2009-12-17 08:52:27
>クロンシュタット様
 地方在住民からすると、東京で農家?と思ってしまうんですが、大きな農家さんがまだ沢山残っているんですよね。
でも、こちらですら、大農家と言われるお宅でも暮らしがたたず、田畑を手放してマンションにしたり、こどもたちは別の職業に就いたりしています。生涯いち農家で居る事は、政治家さん以上に大変な事じゃないでしょうか。

選挙がどれだけお金がかかるモノなのか想像はつきますが、大地主や財閥出身でなければ成り立たない政治家さんは、好きじゃないです。そうでなきゃ回らない政治そのものが、おかしいでしょう。
(こんな事書くと、また謎のコメントがくるかしら・苦笑)
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