What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

第1回山田風太郎賞 あれこれ考えてました。

2010年10月16日 11時04分35秒 | 
 相変わらず、貴志さんの『悪の教典』は図書館の順番が回ってきそうにありませんが、海道さんの作品を何か読んでみたくて、デビュー作の『真剣』(実業之日本社)を借りてきました。というのも密林の候補作『天佑』の書評に、

>海道氏は、デビュー作の“真剣”がハンパじゃなかったので、その後、こちらの期待を上回る作品がありませんでした(もちろん、平均点は軽くクリアしていますが・・・)。 しかし、この作品は凄い!無条件で面白い!

とあったのですよ。それなら、まず『真剣』を読もうじゃないとか思いまして、読み終わったらようやく候補作となった作品たちの共通点が見えてきました。

第1回山田風太郎賞 候補作品決定! - What A Wonderful World

どの作品も、「男(”男の子”と言った方が良いニュアンスです)の譲れない何かの為の戦い」を描いた作品なんですね。もし漫画部門があれば、つい最近完結した川原正敏さんの『海皇記』は候補作になったと思いますが、上橋菜穂子さんの『獣の奏者』は女性の譲れない何かを守る戦いを描いているから、候補作には選ばれなかったと思います。

好敵手(と書いて友と読む)があり同志があり親友があり、師(教師)があり先輩があり、強大な敵(謎の生命体だったり殺人鬼だったり不思議な現象だったり底知れぬ先輩だったり)があって、惚れ惚れするような魂や生き様を持った男達が群雄割拠する作品、それが山田風太郎賞候補作なんだと思います。そう思い当たったら、ここまでスタイルの違う作品ばかりが候補作になったのが、すんなり納得できました。


 しかし、「有望な作家の作品を発掘顕彰」というのと「対象作品は、毎年9月1日から翌年8月31日(奥付表記)までに刊行された日本の小説作品(長編、短編集、連作短編集等)」という二点を考えると、候補作をこの5つの作品に絞り込む作業というのは、さぞかし大変だったろうなぁと思います。そして、この中から一作を選ぶ作業はもっと過酷ですよね(苦笑)

しかし、審査委員の顔ぶれを見ると、どうしても筒井さんが「まず俺にこの賞を寄こせ」とか「有望な作家の~という基準に俺は当てはまるだろう」とか言ってそうで仕方ないんですが・・・(汗)

う~ん、二作品を未読で言うのもなんですが、私は有川さんの『キケン』を推したいです。


<ここからは、ちょっと下衆な話し>

 角川書店が創設した賞の第一回受賞作品が、他の出版社ってことありますかね?五つの候補作の中に、二つも角川書店が出した本があるんですよねぇ・・・この点がちょっとだけモヤモヤしました(苦笑)

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