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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

北山 猛邦 『私たちが正座を盗んだ理由』(講談社文庫)

2014年07月31日 08時51分08秒 | 
 いやうっかり。今朝のNHKドラマ「花子とアン」が、関東大震災の話とは知らずに、おじいさんが観ているのにつき合って観てしまったら、青い夏の空とセミの声と日付が画面に出て、うわっこれは「あの日」だ、と思ったらもう涙がでてきました。NHKのドラマだから、描写はなるべくあっさりしようとしたんだろうけれども(「あまちゃん」の震災場面もそうだった)可哀想で苦しくて、何度も涙を拭きました。ただ、余震がひっきりなしにくる怖さのなか、子どもたちに童話をお話するのは、実際じゃちょっとできないよねぇ(苦笑)と思いましたけど。「あの日」の前の描写って、演出としてはすごく残酷で効果は抜群だと思います。



○ 北山 猛邦 『私たちが正座を盗んだ理由』(講談社文庫)

 次男が学校の図書館でみつけて「お母さん向きかなと思って」借りてきてくれた一冊。文庫化される前に講談社ノベルスで発刊されているので、ネットで感想をググるとたくさん出てきました。メフィスト賞を受賞されたデビュー作「『クロック城』殺人事件」のタイトルは覚えていたんですが、作品は初めて読みました。

うん、確かに私の趣向にカスッた感はあったんだが、なんだかどこかで読んだ事のあるようなお話ばかりで、しかもすっきりしない。裏表紙に書いてある、

>優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感である。

というのは、煽り過ぎだと思います。たぶん、こういうお話はもうメンドクサイと思う私の、感動のハードルが低いんでしょう。

唯一読んで良かったなと思ったのは、五編の短編中の『妖精の学校』。なにかをたっぷりと含んでいるお話だなと思わせるオチだったので、読後にネットをググって最後の数字の意味を調べる&丁寧な説明をして下さっている感想サイトさんを読んで、ははぁ~と思ったところまでを含めての作品なのが、新しかったです(苦笑)

(あの数字をみて、すぐに意味が分かる人はどれだけいるでしょう?その作者さんの思惑がもうメンドクサイです、私はね。)

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