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ナツノの日常のことを書いています。
しばらくの間コメントお休みさせてくださいね…by ナツノ

夏の終わりと秋の始まり

2006-09-05 | 季節

テレビからトントントコン、秋場所のお知らせです。トントコンという太鼓の音は郷愁を誘います。あの音の響きは、幼い日の夕方時間を連れてくるようです…

二学期が始まると、朝の教室の空気はもう冷たくてきらきらしています、けれど夕方、掃除当番が終わる頃は、オレンジ色の西日が斜めに差し込んできて、教室はまだむうっと暑く、なんだか空気もくたびれた感じ。

名残のセミの声がたくさん響く校庭を横切って、すなぼこりで真っ白になったズックをひきずり家へ帰ると、勝手扉の横のあたりで、母はたいてい洗濯物を取り込むか、夕食の準備のため、裏の野菜袋から何か取り出していた気がします。

あの頃は宿題なんて殆どなく、夕飯までは、ぼんやりと縁側に座り、ネコと遊んでいた気がします。母がちゃぶ台をテレビの前に出してきます。そのうちお勝手から味噌汁のにおいがしてきます。夏野菜の漬物皿が、いつのまにかちゃぶ台に載っています…! 私の知らないうちに母の働きで、家の中は一日の終わりに向かってテキパキと動いているのでした。
トントントコンとテレビから太鼓の音がします、あ、お相撲だ~!お相撲がテレビで始まると、いつもはしんとした家の中がにぎやかになるようで、なんだか嬉しい気がしました。

二学期は始まったばかり。日に焼けた友達の笑顔、給食も始まり、運動会の練習…それはわくわくとする季節なのですが、どこかしんみりと淋しいような。

まだ日差しも強く、校庭を走り回ると汗だくになるのに、吹いてくる風は夏休みのあの風とは違うんです。ちょっと、どこか、よそよそしくなっていて…! 夏の終わりと秋の始まりが一緒にやってくる頃です。季節の小さな変化は、幼い心にもちゃんと届いていて、心のどこかに残っていくものなのでしょうね…。