先日、直木賞受賞作収録の『花まんま』を読みました。
まずまずだったので、デビュー作収録の『都市伝説セピア』も借りてみました。
私はこっちの方が断然好きです。
『花まんま』は、作品ジャンルとして、主人公が不思議な体験をする物語、という程度の認識だったのですが、本の作者解説を読むと、本来ホラー作家としてデビューしていたのですね。
そう思いながら『花まんま』を思い返すと、ホラーテイストは薄かった気がします。
『都市伝説セピア』では、1番目の「アイスマン」で、なるほどこれはホラーだ、と納得。
内容も面白かった。『花まんま』では一番ホラー色が濃かった「妖精生物」に近い暗い雰囲気を漂わせながら、読後感は「妖精生物」のようにモヤモヤしませんでした。
決して「めでたしめでたし」な話ではないのは同じなのに、不思議です。
でも一番良かったのは2番目の「昨日公園」でした。
主人公の少年は、親友を事故で失います。翌日、いたたまれず家にじっとしていられなかった少年は、お通夜の時間まで隣町の図書館で時間をつぶし、その帰り道、昨日親友と遊んだ公園の前を通りかかります。
そこへ、昨日親友と遊んだ後、家へ持ち帰って机の中へ入れておいたはずのボールが転がってきます。驚いて拾い、公園へ足を踏み入れると、目の前には死んだはずの親友が…主人公は、昨日へタイムスリップしてきたのです。
昨日、親友は自分と別れた後、帰り道で事故に遭いました。主人公は、なんとか親友を救おうとします。しかし…
ホラーとは違うSFチックな話で、雰囲気は「花まんま」に近いですが、もっと最後がすっきりとして良かった。設定としては目新しくはないですが、共感できたし、良し。
ラストはちょっと泣けました。
その他の「フクロウ男」「死者恋」「月の石」も、それぞれテイストは違いますが、面白かったです。
私は『花まんま』より、『都市伝説セピア』をおすすめしたいです。
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でも、世間は連休、図書館も連休?
休日こそ開けて欲しいのに、残念です
ご報告・・・
2月に貰っていた人間性バトンをやってみましたよ。
でもトカビのお話はちょっと怖かったです…。
うちの市の図書館は、数年前から祝日も開館するようになりました。
でも勤めてる人はかわいそうですよね
先日までしていた仕事が、世間が休みの時こそ働かなければいけない、という仕事だったので気持ちがわかります。
実は以前図書館の臨時職員を数ヶ月した事があるんですが、1週目は土~月の3連休、2週目は月曜だけ、を繰り返す交代シフトでした。当時は祝日は休みでしたから、まだ良かったですが…
次はできれば土日祝日普通に休める仕事に就きたいです。
レイコさんはやっぱり天真爛漫で素敵ですね~
本当にあんな風にしゃべってそうです
だとしたら『都市伝説セピア』の方が怖いかもしれません。
でも「昨日公園」は全然怖くないですから、お薦めですよ
それに、「妖精生物」のような不気味なモノは出てきません。
「アイスマン」「フクロウ男」「死者恋」はちょっと怖いですが、怖いものが出てくるというより、人間の異常な心理が怖いサイコスリラーのような話でした。