日々茫然

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『有頂天家族』 森見登美彦

2007-11-26 | 本と漫画の話
色々話題作も多くて、かなり人気がうなぎ登りの作家さんみたいなんだけど、『きつねのはなし』がちょっと私の好みに合わなかったので、敬遠気味でした。
この最新作も、なにやら人気らしい。
「でもなぁ…」と思っていたのですが、あらすじを読んでみると、
…なになに?狸が主人公で、舞台は京都?天狗や半天狗の美女も出る?…
「???
なんだか破天荒な設定。ちょっと興味が湧いてきた。

もう一度だけ、「森見登美彦」に挑戦してみようかな!

有頂天家族 有頂天家族
森見 登美彦

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京都・糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の三男・矢三郎は面白主義が行き過ぎて周囲を困らせる太平楽なお調子者。
実力・人(狸)望を兼ね備え、一帯の狸を束ねる“偽右衛門”を務めていた尊敬すべき父・総一郎は、数年前、七福神を名乗る7人の人間がつくる秘密クラブ“金曜倶楽部”の年末の恒例行事・狸鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。
遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。
かつては絶大なる権威を誇り、矢三郎ら狸の教師を勤めていたが、今は落ちぶれて四畳半のアパートに隠棲する天狗の“赤玉先生”は、かつて自ら攫ってきて天狗教育を施した美女“弁天”に恋焦がれ、腑抜けも同然。
半天狗の弁天は、今や師匠である赤玉先生には鼻もかけず、空を自在に飛び回り向かう所敵なし。“金曜倶楽部”の一員でもある。
また、かねてより犬猿の仲であった夷川家に婿入りした父の弟・早雲とその双子の息子、金閣・銀閣は、下鴨家を目の敵にして嫌がらせばかりする。
かくして、狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった―

まあこれでもかと言うほど、濃いキャラ満載で奇想天外。
漫画かアニメにしても全然違和感なさそう、いやピッタリ!絵が浮かぶもん。

というわけで、なかなか面白かったです。
『きつねのはなし』は、謎が謎のまま、煙に巻かれるような話でモヤモヤしたけど、これは明快
古都が舞台で、奇想天外な設定…。万城目 学の『鴨川ホルモー』や『鹿男あをによし』を連想しました。なんか、登場人物(動物・妖怪も)が同時に存在していて別の作品に出てきててもおかしくないような
(かぶってるとも言うけど…)
こんな京都(『鹿男』は奈良)、すっごく面白そうです。

赤玉先生の息子が登場するらしい、第2部へと連載が続いているそうなので、この先も楽しみです。
『きつねのはなし』に懲りずに思い切って読んでみて良かったなぁ。

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4 コメント

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(*^_^*)ゞ (eiko)
2007-11-26 23:28:59
人気だったんですか?

きつねのはなしなのに狸?天狗?

楽しそうですねっー☆(*^_^*)ゞ

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eikoさんへ (ひなにゃんこ)
2007-11-29 16:10:10
『きつねのはなし』は、以前読んだ別の作品なんです。
暗い感じの不気味なファンタジーといった感じでした。きつねのお面が出てきました。

今回読んだ『有頂天家族』は、全く別の話で、きつねは出てきません。
でもキツネと狸はライバルみたいなものなんだから、出てきても良さそうですね。
まだ続編が出るみたいなので、もしかしたら今後は出てくるかもしれませんね
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Unknown (まみみ)
2008-01-28 09:46:51
大人向けの作品で狸(というより動物全般)が主人公のものはちょっとないので、余計に新鮮に楽しめたのかもしれません。
追い詰められるときも困った状況になったときも、この「オモチロサ」を持ってると乗り切れそうな気がします。凹みやすい性質のわたし、狸たちを見習わなくちゃ。
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まみみさんへ (ひなにゃんこ)
2008-01-29 19:38:52
奇想天外な設定がまず惹きつけますよね!
京都が舞台で狸が主人公、天狗や半天狗の美女…というあらすじを見て、「一体どんな話なんだ?」とものすごく興味が湧きましたからね
「きつねのはなし」で出来上がってしまった苦手意識も吹き飛んでしまいましたから

飄々とした矢三郎を始め、ちょっとやそっとじゃへこたれないキャラクター達を見ていると、元気が出ますね
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