日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

6月に読んだ本

2012-07-07 | 本と漫画の話

6月は、いつもよりちょっと少ないかな?くらいに思っていたら、半分以下でした(^_^;)
なぜこんなに少ないのか、自分でも分からない・・・。
6月の半分ぐらい、寝てたんじゃないだろうか(笑)


6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2097ページ
ナイス数:169ナイス

ハードカバーの本をつくってみよう! (かんたん 楽しい 手づくり本3)ハードカバーの本をつくってみよう! (かんたん 楽しい 手づくり本3)
★4  第3弾は、ぐんと難易度が上がって、ハードカバー本を作る!
  文庫本にハードカバーの表紙を付ける→丸々ハードカバー本を作る→ハードカバーの豆本を作る、の3段階。
 なかなか大変そうだけど、イラストで分かりやすく手順を紹介してあるので、実際に試してみたくなる。アルバムとか、手作りの表紙を付けたら、記念になりそうだなぁ。 豆本も、可愛くて素敵。
読了日:06月01日 著者:水野 真帆


日本語を使う日々日本語を使う日々
★3.5  日々の暮らしの中で見つけた「気になる日本語」についての、ゆる〜いエッセイ。
 伊藤理佐さんとの結婚→お子さん誕生と、時期が重なるため、生活の変化についての描写が多い。最初の方は、比較的真面目に?「気になる日本語」をネタにしているけど、徐々に「日常」についての話が主で、言葉についてはオマケみたいに(苦笑)。言葉の考察を少し絡めた身辺雑記、という感じ。でも、言葉選びのセンスはさすがだし、ちゃんと気になる言葉について調べた雑学とかも触れてて、「へぇ〜」となる所もあるし、なかなか面白かった。
読了日:06月10日 著者:吉田 戦車


あやかし草子 みやこのおはなしあやかし草子 みやこのおはなし
★4  人と人外の存在との交流を描いた奇譚集。舞台は平安時代? 奇譚もの好きにはドストライク。
 1話目の冒頭から、「ん?『陰陽師』?」と思ったら、「葉二」も出て来るし、彼の父はあの人? 『青竹に庵る』のラストで触れてあるのも、あのお方だし! かなり『陰陽師』がちらつく(笑)。青竹のエピソードは、『蟲師』とダブるし。先行作品と世界観が近いしエピソードも被るし、二番三番煎じ感はあるけど、元を辿れば今昔物語とかだから、そこは仕方ないなぁ。文章も上手くて読ませるから、大して気にならなかった。 
 『鬼の笛』『ムジナ和尚』『天つ姫』『真向きの龍』『青竹に庵る』『機尋』の6編。 ムジナ和尚と機尋が特に良かった。
読了日:06月10日 著者:千早 茜


生きもののヘンな顔生きもののヘンな顔
★3.5  もうタイトル通り。笑っちゃうようなユニークなのや、グロテスクなの、ひたすら「うわーっ(^-^;)何でこうなったw」と思うような、変な顔のオンパレード。自然の造形ってスゴイ、と感嘆。 『へんないきもの』のイラストで見て、「うそーんw」と半信半疑だった生き物の写真もいくつかあって、「やっぱり実在してるんだ・・・」と妙に感心。 虫だけは苦手なので、ときおり虫のアップに遭遇しては、心臓がギュッと縮み上がりましたが(゜◇゜;)
読了日:06月10日 著者:


サザエさん旅あるきサザエさん旅あるき
★4  読友さんとサザエさん談義をしたら、懐かしくなって図書館で。これって今思うと、紀行エッセイ漫画のはしりじゃないかな。
 一人旅、お母さんやお姉さんとの国内・海外旅行(お母さんが、見た目はお舟さんなのに、天然でパワフルで面白いw)、「人生という旅」と解釈した中での、結婚式や病院の話など。 長谷川先生は、いいとこの子なのかなぁ? 漫画家になって稼ぐようになってからはもちろん、幼少期も、当時としては贅沢そうな旅をしてる。家族や親戚がクリスチャンっぽいのもビックリ。色んな意味で面白かった。
読了日:06月13日 著者:長谷川 町子


百姓貴族 (2) (ウィングス・コミックス)百姓貴族 (2) (ウィングス・コミックス)
★4  図書館予約したら、1巻より先に順番が来てしまった(^-^;)
 実家が北海道で農家を営む作者の、農業エッセイ漫画。キレイ事で済まない農業の現実を、重くならないようにコミカルに描いていて、ためになる。「命」と直に向き合う場面も多く、ペットのように可愛がればいい命とは明らかに違う牛などとの関わり方に、背筋が伸びる思い。野菜にしても、お店に並ぶ形やサイズが整った野菜の背後には、大量の規格外野菜が選別されている。お手伝いで農業体験をしたサラリーマンが「もう好き嫌いしません!」と叫ぶのが印象的。
読了日:06月14日 著者:荒川 弘


綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー(3)綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー(3)
★4  凄くいい企画だったので、シリーズ終了が惜しい。もっと読みたかったな。
 ◇プレ新本格、二人の女王…『袋小路の死神』栗本薫/『虹への疾走』山村美紗
  ◇首切りと足切り…『秘密の庭』G・K・チェスタトン/『赤い靴』山田風太郎
 ◇グロテスクなヴィジョン…『頭のなかの鐘』倉阪鬼一郎/『発狂する重役』島田荘司
  ◇ミステリとルール…『探偵小説十戒』ロナルド・A・ノックス、『推理小説作法の二十則』ヴァン・ダイン、『四つの黄金律』ディクスン・カー /『薔薇荘殺人事件』鮎川哲也

以下感想
 まずは“二人の女王”。栗本作品は、島田荘司すら登場前の本格ミステリということにビックリ。確かに意外性はあるけど、事件の背景を延々と述べる描き方が好みじゃなかった(^-^;)
 山村作品は、2時間サスペンスのイメージしかなくて、ちょっと侮ってた(笑)。事件の入りとしては面白かった。でも時刻表トリック的なアリバイ崩しはこれまた好みじゃなくて残念。トリックの骨子も読めちゃった。
 チェスタトンは、クリスティが好きなので、スッと入れた。翻訳ものが苦手な人には合わないかも。首なし死体の謎は、今となっては使い古されたネタだけど、当時のミステリの世界観が楽しめる作品。ブラウン神父もの、読んでみたくなった。
 山田風太郎『赤い靴』は、既読の『妖異金瓶梅』の1篇。あれはミステリだったか(笑)。忍法帖シリーズの流れで、伝奇ものとして読んだけど、確かに改めて読むと立派なミステリ! “「大」の付く傑作”“爆笑と感嘆”など二人の熱弁も楽しく、ちゃんと読み返したくなった。
 倉阪作品は、ミステリか? 綾辻さんも「広義の」と付けてるし。話の筋をひっくり返して、最後の状況を傍から見れば、不可能犯罪的なミステリに見えるけど、もしそれから真相を明かされたとしたら、きっと「馬鹿にしてんのか」となる(笑)。純粋に読者側から読むと、たまに「ん?」となる作品が収録されてるのは、ミステリ作家からの視点で読んで、「これは(ある意味)ミステリだ」「これはミステリ的発想だ」と捉えてるらしい。創作する側としての読み方が垣間見える部分。
 島田作品は、奇想天外な状況が読ませる。もう怪奇現象としか思えない出来事を、論理的に説明してしまうのは見事。「実際にはありえない!」「無理ありすぎ!」とツッコミ入れつつ、「よくこんな謎思いついたな」と感心してしまう。 最終章で取り上げられた「ミステリのルール」は、今となっては古臭い縛りもあって、それを破ることから生まれた傑作も数多い。というミステリの歴史を振り返る話。今では、読み手それぞれに「十戒」的なものを持ってて、「これはズルイ」とか「無理がある」とか好き勝手言ってると(笑)。
 ラストを飾るのは、鮎川作品。これは見事、やられた! こういう「やられた!」感を楽しみたくて、ミステリを読んでるんだな、と再認識する「ザ・ミステリ」的作品。ストーリーとしては地味だけど、そういうのを払拭してしまう仕掛けの上手さが、満足感に繋がる。
読了日:06月20日 著者:綾辻 行人,有栖川 有栖


Mystery Seller (新潮文庫)Mystery Seller (新潮文庫)
★4  島田荘司、有栖川有栖、我孫子武丸、・・・豪華ラインナップに、ほくほくしながら読んだ。
「これはミステリ?」と迷うような作品もあったけど、さすがにどれも持ち味が出てて、面白い(*^^*) と思ってたら、後半のいくつかの作品は「あれれ?」失速感が感じられてしまったのが残念。

以下各編あらすじ&感想。
【戻り橋と悲願花/島田荘司】
 御手洗がロスで出会った韓国人は、戦時中、日本にいたという。彼の壮絶な半生の末、ロスで起きた奇跡。 **久々の御手洗潔!と思ったら、彼は狂言回しで、推理はお預けだった(^-^;) 史実をベースに「数奇な半生」を描きながら、そこに不思議な謎が横たわり、最後にはビックリするような解が示されカタルシス、という、近年のお得意パターン。どれも最後には度肝を抜かれるんだけど、「半生」が長いのがなぁ(^-^;) それだけでも小説として十分ドラマチックなんだけど、いわゆる「ミステリ」が読みたくて読んでたら、「半生」は枝葉に思えちゃう。そのドラマあってのカタルシスなんだけど・・・(汗)。
【四分間では短すぎる/有栖川有栖】
  「四分間しかないので急いで。靴も忘れずに。いや、Aから先です」有栖がふと耳にした会話の断片。そこからどんなストーリーが導き出されるのか、ミステリ研メンバーの推理ゲームが始まった。 **学生アリスシリーズ。ケメルマン『九マイルは遠すぎる』へのオマージュになっていて楽しい。ミステリ談義になってるのも。古典や定番も読まないとなぁ。
【夏に消えた少女/我孫子武丸】
 少女拉致暴行事件が相次ぐ中、また一人の少女が連れ去られた。少女は無事に帰れるのか。  **警戒しながら読んでても「やられた!」 これはミステリらしいミステリ。 
【柘榴/米澤穂信】
 美人で要領のいいさおりは、モテ男・成実を手に入れ、二人の娘も生まれた。だが成実は生活力がないダメ男だった。娘達のために離婚を決意したが・・・。  **ミステリっぽくないけど面白かった。米澤さん、アンソロジーでたまに読むけど、どこか病んだ人物が妙に魅力的で、後味良くはないのに、何かぐいぐい読んじゃう。
【恐い映像/竹本健治】
 テレビにあるCMが流れた途端、激しい恐怖に襲われた男。何が原因なのか、CMに映る風景を探すうち・・・。  **判明した原因はなかなか衝撃的。カウンセラーがやけに名探偵(笑)。結末は、ちょっと消化不良。 
【確かなつながり/北川歩実】
 行方不明になった専門学校生・美空を探す探偵の英香。美空の父・井波の話から、原山という男が浮かび上がる。  **途中まで面白く読んだけど、結末が。これってバカミスの部類かな?(^-^;) 笑わすつもりならいいけど、大真面目に書いてるんだとしたらちょっとなぁ。
【杜の囚人/長江俊和】
 ある別荘に移り住んだ兄妹。妹が周辺で聞き込んできたのは、殺人事件の起きたいわくつきの場所だという噂だった。  **ビデオ撮影が趣味らしい妹の映像の場面と、別の視点から見ているらしい場面で構成されていて、これは何か仕掛けがあるぞ、というお膳立て。結果、これは好みの問題で済ますのも苦しいというか、正直、ミステリとしてお粗末なレベルなんじゃないかなと(^-^;) 経歴見たら、この人だけ小説家じゃなく映像作家みたい。名手が揃っているアンソロジーだけに、畑違い感があった。
【失くした御守/麻耶雄嵩】
  霧の多い閉鎖的な町に住む優斗は、彼女とお揃いで買ったうさぎの御守を失くしてしまう。一方、名家・鴻嘉家の一人娘、恭子が駆け落ちしたという噂で町は騒然となり・・・。  **えーっと、面白くないわけじゃないけど、評価に困る話。特に叔父さんのキャラに困惑。優斗の見る通りのいい人なのか、底が知れないのか、優斗自身もそこまで分かっていての話か、事件の謎は解けたけど、心が計り知れない妙な不安感が。イマドキっぽい軽さなのに、闇が感じられる。 
以上8編、長くなりましたm(._.;)m
読了日:06月28日 著者:


絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵
★3.5  話題の絵本、ついに本屋さんで発見、立ち読み(^-^;)
  悪いことをしたら、地獄に落ちる。古い地獄絵図から引用した、えげつなく恐ろしい光景。子どもにはインパクトあるんだろうな。ちょっと説教臭い気はするけど、絵に力があるから、子供心に強烈に焼き付くことは確かかも。
「気をつけなされや」(笑)。
読了日:06月28日 著者:白仁成昭,宮次男


PKPK
★4  『PK』『超人』『密使』の3編。
 独立した短編ながら、どこかで繋がっていて、一つの話のようになっている。こういう話が大好物なので、楽しんだ。
 複数の人物の視点と時間軸が絡まる、伊坂さんらしい構成だけど、それに慣れてても、全話を見通そうと思うとやや複雑かも。全部同じ流れの中に纏まるのかと思ったけど、微妙に違う部分もあるから、これは多分、文中でも出てくるような、A・A′・A″のパラレル構造になっているんだろうな。
 どの話も、ちょこっと希望の持てるラストで、「きっといい方に転ぶよ」と思える、愉快な話だった。
読了日:06月30日 著者:伊坂 幸太郎


 2012年6月の読書メーターまとめ詳細

 読書メーター


自分の長ーーーい感想を読んでて分かったような。
アンソロジーをちまちま読んでいたので、冊数が進まなかったのかな。
それにしても、6月はあっという間に終わった気がします。
なんとすでに1年の半分過ぎちゃったし・・・(^_^;)
早いなぁ・・・


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2 コメント

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Unknown (もみじ)
2012-07-17 17:19:48
私は伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」をやっと読み終わりました。

最近は活字読み始めると眠くなって、ぜんぜん進みません。
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もみじさんへ (ひなにゃんこ)
2012-07-17 18:28:29
お久しぶりです(^-^*)
コメントありがとうございます!

『ラッシュライフ』は好きですよ!
泥棒の黒澤さんが好きなので(*^-^*)
たまに他の作品にもチラッと登場するので、新作を読む度に、「黒澤さん出て来るかなぁ?」と期待してしまいます(笑)。
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