「死神の精度」「オーデュボンの祈り」と、なかなか面白かったので、引き続き伊坂幸太郎作品を読み続けています。
伊坂氏の作品は、内容や登場人物が他の作品にもリンクしているそうです。
実際、デビュー作「オーデュボンの祈り」の主人公「伊藤」らしき人物が、次作「ラッシュライフ」に登場していました。(話の本筋には無関係)
次はどんなリンクが貼ってあるんだろう、というのも楽しみなので、発行順に読むことにしました。
順番 オーデュボンの祈り(5/28) → ラッシュライフ → 陽気なギャングが地球を回す → 重力ピエロ → アヒルと鴨のコインロッカー → チルドレン → 死神の精度(4/18) → 魔王 → 砂漠 → 週末のフール → 陽気なギャングの日常と襲撃
さて、2作目「ラッシュライフ」を読みました。
5人の全く無関係に見える人物のストーリーが複雑に絡み合い、最後に一つの時系列に収束します。
①駆け出しの女流画家は、自分の才能を買ってくれていた画廊の従業員が独立しようとした時、彼を裏切って拝金主義者の画廊のオーナー側に付いてしまいます。
②ポリシーのある泥棒は、一仕事したところで売上を失う出来事に遭遇し、もう一仕事、と思った先で別の泥棒と鉢合わせしてしまいます。
③宗教?に嵌ってしまった若者は、教祖にあたる人物が本当に「神」なのか、解体して確認しよう、と幹部に誘われます。
④愛人の妻を殺そうと企む女は、愛人と一緒にその妻を殺しに向かう道中、人を轢いてしまいます。
⑤リストラにあって再就職先の決まらないおじさんは、駅前をうろついていた野良犬を助けたところ、そのままついてきてしまい、その犬に導かれるようにして拾った鍵でコインロッカーを開けたら、拳銃が入っていました。
こんな風に、最初バラバラに始まる個々のストーリーは、ゴチャゴチャしていて読みづらいのですが、後半それぞれのパーツがパズルのように繋がってくると快感に変わります。不可能に思えた「勝手にバラバラになる轢死体」「歩くバラバラ死体」「神の復活」などの謎がちゃんと解決します。
表紙に使われているエッシャーの騙し絵も、ストーリーにうまく絡んでいます
相変わらず、最後にほんのりイイ話になるところが伊坂流?(まだ3冊目だけど)
次の「陽気なギャングが地球を回す」は、映画化されたせいか、図書館の予約がけっこう多く、もうしばらくかかりそうです。
でも、せっかくだから順番どおりに読まないと。