夢酔(雪の花)

朝目覚め
習慣になった庭の梅の木にあわせて
カーテンを少しだけ開けて見下ろす。

すでに瞼の裏に焼きついた
綺麗に咲き誇った大きな梅の木。
2階の窓から覗き見る。

真っ白な梅の花は
しばらくしてして
焦点が定まり
周りの雪景色を取り込んだ。

寝ぼけた目に
夢の世界が広がった。

あ!雪!!!
カーテンを一気に開き
窓を開け放つ

息を呑む美しさだった。
時が止まった。

管理人は
「いつも思っていたの。」

遠くに見える梅の枝の先
梅の蕾が膨らむ大きささえも知っていた。

春の風にくすぐれながら
ほのかに色付く恥じらいの色を
ほほえましく見守っていた。

春と共にピンクに染まった枝が
たった一日の魔法
熱い初夏のような抱擁に
梅の蕾は真っ白な雪の花にかわった。

そうその時から
「ずっと思っていたの。」

咲き誇る真っ白な梅の花をみながら
冬の面影を重ね合わせた。

雪の花が咲いたとしたら
こんな風に違いない。

いやもっと
ふんわりとふっくらに
真綿のような
暖かさを漂わせながら
優しく咲くに違いない。

ひとひら、ひとひら舞い降りた雪が
空気の重みも一緒に重ねながら
ひとひらひとひら
ふんわり
つもり重なる雪の花

耳には聞こえないけれど
優しさの音を
響かせながら
ふわりふわりと重なり重なり

雪の花を咲かせるに違いない。

眺める梅の花を見ながら想像を繰り返した。

時には目を細めながら
うすいうすい光の真綿をかぶせ
こころのキャンバスに
こぼれる日差しをかき集め描いた。

今朝目を覚ますと
夢に見た雪の花が届けられ

管理人は
目の前の奇跡に
心奪われ
胸は苦しいほどいっぱいになった。

それは本当に想像したままだったから

梅の花を優しく包んだ真綿は
花の香りを胸に
やわらかく優しく美しく
そして静かに
雪の花を咲かせた。

確かに雪の下に
昨日までの真っ白な梅の花が
隠されているのがわかる膨らみ

それは、こころのキャンパスに描かれたままだった。

冷たい真っ白な雪ではない。
真綿の暖色白
こころの白を見せてくれた。

2羽の鳥が雪の花の中を遊ぶ。
ウグイスだろうか??
遠くてわからない。

遊ぶ鳥達に時折雪の花びらが舞い落ちる。
楽しそうだ。
鳥達には梅の花の香りも届いているだろう。

雪に埋もれてしまっていても
分るものなのです。

管理人にも鳥達にも見えます。
雪の下の綺麗に咲いた真っ白な梅の花

あぁ!雪の花はこんな香りがするにちがいない。

あまりに素敵な一日の始まりに
酔いしれてしれて

あ!
急げや急げ!!!
今日はこれからめちゃ忙しいのでしたぁ~。

時を忘れる感動
どうぞ、あなたの元にも届いていますように。

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