秋葉原の路上ライブが活発に行われていたとき(近年は警察の取締等も厳しいし、今は新型コロナウイルスのクラスター発生予防のため到底無理だが)、一時は有名雑誌にも掲載されたアイドル視された無名の女性シンガーソングライターが居た。多分2004~2007年だったかな。
彼女の父親も参観していたライブも見に行った。ルックスは可愛いが、声質も特徴が無いし声量不足もあり魅力に乏しいかな、と多少不安視していた。
只、何が売れてもおかしくなかった時代だった。ライブ後の交流会で「地元の政治家に売り込んでもらったら。」という意見がファンから出たが、よほど芸能人が珍しい土地の出身なら政治家側のメリットもあろうが、特定の政治家と結びつくと後々面倒でもある。
いつのまにか、催眠に凝りだして自己暗示をかけていたらしいので、自分も経験があることは言わなかったが(責任が取れないので)「催眠を使って暗示しても効果無いよ。」と助言したが「ううん。絶対に成功する。」と言って聞かなかった。それ以上は何も言えなかったので、そのまま去り二度とライブに行くことは無かったが、今はさすがに引退したようだ。
途中、訳のわからない奇抜なグループを編成したり、覆面してグループ参加したり、それなりに頑張っていたようだが、ますます袋小路に入っていったようだ。
私はこのときも含めて少し悲しくなる経験もあり、歌の下手なアイドル歌手は敬遠したいが、彼女達の希望までは否定したくないのである。
成功するかどうかわからないので思い切った言い方はできないが、もし催眠を使うなら「成功する」とか「人気者になる」とか漠然とした暗示は無意味である。未知の才能が潜んでいるならもしかしたら、ということもあるが、まず間違いなく無理・無謀である。それは下手したら空想・幻想・妄想域への旅立ちのゲートであり、自分だけ一瞬はいい気持ちになるが、やがて現実と直面し挫折感を強くするか、最悪の場合は魔境行きである。
必ず自分自身が行動することを前提として、より具体的な暗示でなくてはならず、それですらかなり精緻な現状分析と計画が練られなくてはならない。
どんな人達が今もてはやされているのか、何が求められているのか、自己満足でなく、人々を喜ばすにはどうしたらよいか必死で分析しなくてはならない。
これも間違っていた(いる)かもしれないが、「自分は人々を勇気づける曲をつくる」「今までにない恋の楽しさを語るようになる」とか、できればもっと一歩一歩進む暗示でなくてはならない。それでも人気を博するのは無理かもしれん。これから時代が進むにつれて、もっと災厄が降り注ぐ激動の時代になるかもしれん。美人芸能人も多い。芸能で成功するのはますます困難になる。
催眠で「全てが思い通り」等万能感ある謳い文句を見ると、釘だけは刺しておきたくなる。嫌な性分である。
※前投稿での、書籍の中身は勿論しっかりと現実的な内容です。素晴らしいと尊敬します。