無精髭

無精者の日記です

地元「もんじゅ廃炉」に反発??

2012-09-19 18:02:04 | 日記
 「揺らぐ原発ゼロ戦略」「地元もんじゅ廃炉に反発」今日の朝日新聞の3ページ、連載の「プロメティウスの罠」を読もうとしたらこんな記事が・・・

 地元とはどうやら福井県の西川知事や敦賀市の河瀬市長のことらしい。 もんじゅをやめられては地方経済が成り立たないということなのでしょう。 しかしよく考えてほしいのです。 「もんじゅ」は炉心の冷却材にナトリウムを使っています。 ナトリウムは空気に触れただけで激しく燃え出します。 今度の福島第一原発のような事故が起きたら炉心を冷却する術がないばかりか冷却材そのものが激しく燃焼して建物や装置を焼き尽くすでしょう。 1995年12月に発生したナトリウム漏れ事故では金属を溶かすほどの高温が発生しています。 小さなセンサーが壊れただけでも重大な事故になるのですから全電源喪失したらどうなるか想像するだけでもおそろしいことです。 しかも炉の中の燃料はMOX燃料というウランとプルトニウムの混合燃料です。 プルトニウムが大量に拡散したらセシウムの汚染による被害とは比べ物にならない人的被害が出るでしょう。 

 ドイツでは原発を技術的観点ばかりでなく倫理的観点から脱原発を国の政策として決定しました。 今マスコミをにぎわしている尖閣諸島は現在人は住んでいません。 原発事故では日本中が広く汚染されいまだに被災した10数万の人々が避難生活を余儀なくされています。 避難行動の中では多くの老人や病人が亡くなりましたし、生産や生活の場を失い生きる希望を奪われて自殺者が後を絶ちません。 慣れない避難所生活で何人の方々が命を縮めたことでしょう。 家族がばらばらにされ心の中まで壊されてしまいました。 この放射能汚染によって失われた国土は膨大な広さです。 この現実を直視したならば、目先の経済的利益などに目を奪われるような判断が出来る神経が私には理解できません。 

 日経連をはじめ経済団体の多くはいまだに原発が経済的であるかのように宣伝していますが、もはやこんなことを鵜呑みにするほど国民は馬鹿ではありません。 もういい加減うそとごまかしはやめるべきです。 原発の再開は後世に自然環境面でも経済的にも大きな負担を押し付けることになります。 多くの国民が選択したように「原発0」こそ最も現実的で経済的な政策なのではないでしょうか。 これまでの原子力政策は核リサイクルが中心に据えられていました。 しかし高速増殖炉再処理施設核廃棄物貯蔵施設といった中核的重要施設がすべて運転の目処さえ立たずに貴重な血税を貪り食っているのです。 日本の脅威は韓国や中国にあるのではなく反省のない無責任な政治・経済・科学の指導者にこそあるのではないでしょうか。


追記9/22

 同日の紙面には「核燃再処理工場また完成延期へ」という記事。
1989年以降19回目の延期という。 建設費はすでに2兆2千万円も費やされています。 しかも延期の原因はこの施設の中核とも言うべき高レベル核廃棄物をガラスと混ぜて固化するための設備でこの設備が動かなくてはいくら使用済み核燃料を再処理しても最終処理が出来ずに糞づまりになってしまいます。 トイレのないマンションといわれる原発が製造中のトイレ自体が糞詰まりという笑えない話になっているのです。 もし万一この設備がめでたく稼動したところで、人類はこの核のごみを10万年にもわたって安全に保管し続けなければならないのですから、原発が発電した電気のコストは目が点になるほど高額なものになるでしょう。 これらはすべて未来の人類に付けがまわるのです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。