2013年南相馬市産米から基準を超える放射能が見つかり、農林水産省は福島第一原発の放射性瓦礫の飛散によるものと強く示唆した報告をしました。
しかしその後、原子力規制委員会は「調査の結果推定される瓦礫の飛散量からして考えられない」との見解を発表しました。
農水省は瓦礫飛散以外の原因は考えられないというかなり詳細なデータ(農水省は稲のセシウム吸収のメカニズムを現地で調査しており、基準内に押さえ込む技術・手法に自信を強めていた) をもっていて、東電に注意勧告までしていながら原子力規制委員会の発表をうけて? 問題をうやむやにしてしまいました。 このことは現地で米作再開にむけて手ごたえを感じていた農家の協力者たちに大きな衝撃をあたえたことはいうまでもありません。
今日の朝日の記事はこの問題で現地調査を続けてきた国際研究チームの代表を務める京都大学医学研究科教授の小泉昭夫氏が、瓦礫飛散のシミュレーションや飛散放射能の詳細な分析結果から福島第一原発での2013年夏の瓦礫撤去工事による粉塵飛散によるものと結論付けたものです。 南相馬市で行われた説明会資料 小泉昭夫教授の講演動画あり
原子力規制委員会はこの報告を真摯に受け止め間違いを起こした原因を国民に説明すべきでしょう。 原発の再稼動に関しても事故時の住民の避難や安全確保がないがしろにされたままの、形式的な技術論に終始するのでは何のための組織かわかりません。
飛散防止用テントで覆われる焼却炉
すっぽりとテントで覆われた
焼却炉の撤去がすんで鉄骨の解体が始まった
関連して、こちらは南相馬市のお隣の相馬市で震災瓦礫を焼却していた仮設焼却炉ですが、その役割を終えたということで解体されることになったのですが、環境省もフクイチの放射性瓦礫粉塵飛散事故をうけて解体には全面テントで覆う工法を採用しました。 写真のように現在は焼却炉の撤去が終わりテントの鉄骨の解体にかかっています。 もしあの飛散事故が報道されていなかったらこんな対策も採られていたかどうかと思うとぞっとします。
国も東電もどこまで国民をバカにするつもりなんでしょうか。 このような状況では北朝鮮の核と同様に危険です。 憲法無視のトップが指揮しているんですから。