無精髭

無精者の日記です

原町火発が除染木材の焼却炉になる??

2014-04-03 16:22:59 | 日記

 「木質チップ燃焼へ 原町火発整備着工 CO2年5万トン減効果」 東北電力が2日発表と朝日新聞に載っているのですが、こんなことをして本当に大丈夫なんでしょうか。 火力発電所まで放射能汚染設備になってしまいます。 というのも石炭と混焼するという木質チップなるものは福島、宮城両県ででた間伐材などで、事故後放射能による汚染の懸念から燃やせないで処分に困っていたものというのです。  福島県産が約4万トン、宮城県産が2万トンの計6万トン/年燃やせるというのです。 しかもこれでCO2の排出が5万トン減るといっているのですが、燃焼によって排出されるCO2量が減るわけはなく、5万トン分が間伐材など再生可能エネルギーだから計算上マイナスしてよいという理屈なので、なんか騙された感じがするのは私だけでしょうか。

 電力側からすれば原発の停止によって増えた火発のCO2の一部を木質チップで少しでも穴埋めしようというのでしょうが、設備を放射能で汚染し焼却灰を放射性廃棄物にして(もっとも国が原発事故後大幅に緩めた8000Bq/Kgの基準はクリヤーできるということでしょうが)将来に厄介者を増やしてどうするのでしょう。  東北電力は燃やす前のチップの放射能測定を行い排ガスも測定すると言っていますが、そんなことは当たり前の話です。 大量の排気ガスで薄められた放射能は何の対策をしなくても「ND」となるなずです。  なぜって現在相馬市光陽で除染廃棄物を焼却している環境省の仮設焼却施設は排ガスの測定をしていますが、検出限界は2Bq/N㎥です。 100万Kwの火力発電所の排ガスは1日何㎥なのかは知りませんが相馬の小さな仮設焼却炉でも85、540N㎥/h、1日あたりは24倍の2、052、960N㎥の排ガスがでますから、これに2(Bq)をかけると実に400万Bqの放射能が毎日煙突から放出されても測定には引っかからず「ND」とされてしまうのです。  100万キロW/hの発電所がら出る排ガスの量は比べ物にならない量だと思われますからおそらくすべての放射能を排出しても「放射能は測定できないほどわずかです」というに違いありません。  しかも環境省の排ガス規制値はセシウム134で20Bq/㎥、セシウム137だと30Bq/㎥というのですからまったくのザル法です。  原発事故以前なら考えられないような数字でしょう。  すでに全域がおせんされているんだから少々ばらまいても環境放射線量が上がったりしませんよということでしょうが、せっかく植物や土砂に固定された放射能を再び空気中に微粒子として再放出するなんて考えられません。  

 それに木質チップを予定しているのは原町ばかりでなく相馬共同火力も着々と準備中です。 こちらの説明では海外の樹木を使用するといっているのですが、原町で福島、宮城を使うんであればわざわざ遠くから燃料かけて運ぶ必要はないし林業関係者からも喜ばれるとあれば、岩手や山形といったところから持ってくることだって考えられます。  

 現在県内各地に続々と除染廃棄物の焼却場が建設されようとしていますが、十分な議論もないままに放射性物質の焼却を急ぐことに大きな疑問を持ちます。  焼却には放射能以外にもダイオキシンや重金属などの問題があって、バグフィルタ-などを使った焼却施設でも健康問題が存在しています。  国内外の英知をあつめてどうすることが将来の子供たちにとって一番いいのかよくよく考えるときではないでしょうか。