ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

プロ多重。

2007年01月16日 | blog

じぶんでごはんをつくると、ふつうにおいしいんだけれど、
おいしい外食で出会うような、「ぱぁっとした、華」はない。
なにが違うんだろうなぁといつもおもうのだけれど、
よくわかんないです。



じゃぁ工業デザインの、
プロとシロウトの違いはなんなのか?
と考えてみたときに、
いろいろありまずが、まずは「プロ多重」ということだとおもいます。

デザインしますね。
同僚とか上司のデザイナーに見せて、どうのこうの言われるわけです。
この時点で、複数の視点の「プロの意見」が入る。

その後、商品企画や営業部門、マーケティング部門などにレビューをして、
そこでも、それぞれの立場からの「プロの意見」が入ります。

商品企画は商品性を見ますし、
営業、マーケは、販売現場の現状を踏まえた意見を言います。

前後して、技術部門とのすり合せを行います。
ここでエンジニアの「プロの意見」が入ります。
作り勝手や条件から、使い勝手やわかりやすさにまで及びます。

さらに、品質管理部門のチェックが入ることもあります。
過去モデルでの問題点やクレームに抵触しないかなどの「プロの意見」。

広報や、さいきんではブランドマネージメントの部署があったりすると、
そこからも「プロの意見」が。

ひとつのデザインが製品になるために、
とても多くの「プロの意見」がが重なってゆきます。
ひとつの開発期間のなかで、イッキにモノの経験値があがってゆきます。

そのことを何度もくり返すと、
最初からある程度、「製品に足る」デザインが
できるようになってきます。

そこが、シロウトとプロとの違い。

わたしは、デザイン事務所にも勤めていましたが、
依頼内容をこなせば、あとのプロセスには深く関われない。

「プロ多重」の、立体的な経験値を上げるのなら、
メイカーのほうが有利だとおもいます。



こういう図式って、料理にあてはめても、
いまいちピンと来ないんだよなぁ。
なんなんだろうなぁ。

ケーキもおいしい、D&DEPARTMENT。