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イノデ・2~鱗片

 本州から九州の常緑樹の林床などに多く生育する「イノデ(猪手)」。オシダ科イノデ属の常緑性シダ植物で、中軸には褐色の鱗片が、まるでイノシシの手のように密生している。イノデの仲間は多く、葉の光沢やソーラスの付き方などそれぞれ異なるが、この鱗片の形や色も同定のポイントになる。これは鹿島緑地の林縁のもの。
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オオバギボウシ・1~野猿の尾根道

 長沼公園“野猿の尾根道”を走っていて見掛けた枯れた果実。長さ3~4センチで3つに裂け、中には翼のついた黒い種子が見える。茎の太さは8~9ミリあり、根出葉などは枯れて無い。しばらく考えて「オオバギボウシ(大葉擬宝珠)」の名前を思い出した。キジカクシ科(←リュウゼツラン科・ユリ科)ギボウシ属の多年草で、この若葉は山菜の“うるい”として好まれる。“うるい”の名はその葉がウリの皮などに似ているので“瓜菜(うりな)”と呼ばれていたものが転訛したようだ。
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イノデ・1~鹿島緑地

 鹿島緑地の雑木林に生育している「イノデ(猪手)」。オシダ科イノデ属のシダ植物で、葉身は60~70センチ。中軸には褐色の鱗片がイノシシの手のように密生している。関東地方以西の林内や林縁で多く見られ、その仲間も多い。その見分け方のポイントが図鑑などで紹介されている。それらによると、
①葉表の光沢
②中軸鱗片の形と幅
③ソーラスの付き方
④葉柄基部の鱗片の形と色
で見分けるという。一口に光沢と言われても皆同じようにも見えるので、数多く見て情報を増やしていくしかない。思い起こせば、このブログを始めた16年前は、スミレの区別などすることなくすべて“スミレ”で一括りしていたが、11年前からスミレの同定を進めていき、昨年までで当地に26種類あることを確認した。同じようにシダ植物の同定も少しずつ進めていこう。ちなみにこのイノデは葉表は濃緑色で光沢があり、中軸の鱗片は披針形で褐色。ソーラスは中間に付き、葉柄基部の鱗片は披針形~広披針形で褐色だった。
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オトメツバキ

 大栗川遊歩道“番場橋”付近で見掛けた枯れ花。花弁の様子からサザンカのようにも思えたが、どうやら「オトメツバキ(乙女椿)」のようだ。花弁が多く花芯は無い。花は落ちにくく枝に付いたまま枯れる。同じ日にヒマラヤスギのシダーローズを見たところだったので、同じような姿のこの枯れ花も撮っておいた。オトメツバキはツバキ科ツバキ属の常緑低木。
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ヒマラヤスギ

 我が家から松が谷の大塚公園までは、大栗川遊歩道を下りそこから急坂を登る約3.5キロの道のり。この日は急坂の途中からいつもと違う道を登り、初めて公園北側入口から入った。するとそこに大きな「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」が聳えており樹の下一面に果実の破片が散らばっている。『それなら』ということで樹の下を探してみると予想通り、松ぼっくりを2つ見つけた。ヒマラヤスギの花期は夏で果実は翌年の晩秋に稔る。果実は球果で、熟すと下部の翼状の種子の鱗片が開きバラバラに崩壊して散布する。球果の先端部は形が崩れずそのままの形で落下するが、そのバラのような形から“シダーローズ(Cedar Rose)”と呼ばれている。原産地はヒマラヤ山脈西部でスギの名が付くがスギ科ではなくマツ科ヒマラヤスギ属。「ヒマラヤシダー」とも呼ばれるが、このシダーは、英語の “Cedar wood”で、針葉樹全般の樹木を意味する。しかし日本語に翻訳する際に“杉”とされたため混乱を招いてしまった。
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