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散歩道・47~イラガ蛹化

 長池公園“姿池”の畔にあるイヌコリヤナギの冬芽を観察していたところ、冬芽よりも大きな物体を発見。長さは1.2~1.3センチで直径5~6ミリある。これは「イラガ(刺蛾)」の繭で、春先にこの中で蛹化し6月に羽化する。脱出する際に繭の上端が蓋のように取れる。イラガの幼虫には多くのトゲがあり、触ると激しい痛みを感じる。しかし図鑑を見るとなかなか面白い姿であり、恐いもの見たさで一度実物を見てみたい。
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ナニワズ・2~葉痕

 ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の「ナニワズ(難波津)」。葉痕はラグビーボール形で小さな冬芽がすぐ上に見える。
 さて先日の記事で、漢字表記が“難波津”ならカナは“ナニワヅ”だろうとツッコんだが、数日前のテレビのクイズ番組で『現代かなづかい』(昭和21年(1946年)に内閣告示)の説明がありこれまでの疑問が払拭された。
 それによると、当時の吉田茂内閣が『國語を書きあらわす上に、従来のかなづかいは、はなはだ複雑であって使用上の困難が大きい。これを現代語音にもとづいて整理することは教育の負担を軽くするばかりでなく、國民の生活能率を上げ文化水準を高める上に資するところが大きい。』として広く国民に徹底した。その後の数回の内閣告示や国語審議会報告などにより、現在のかなづかいになっているが、そのいくつかの例を挙げてみよう。
◆“ゐ・ゑ・を”を用いる時はア行の音で示す。“ゐぐさ(藺草)”は“いぐさ”、“こずゑ(梢)”は“こずえ”など。
◆ハ行転呼音“はひふへほ”は、発音によりア行またはワ行の音で表す。但し助詞の“は・を・へ”の語に限り歴史的仮名遣いと同一とする。“かは(川)”は“かわ”、“うへ(上)”は”うえ”など。
◆“ぢ・づ”を含む語は“じ・ず”に統一する。但し連濁・複合語、語意識の働く語彙に関しては歴史的仮名遣いにおける“ぢ・づ”を許容する。“鼻血(はなぢ)”、“三軒茶屋(さんげんぢゃや)”、“続き(つづき)”、“稲妻(いなづま)” など。
◆開拗音では“てふ・てう”は“ちょう”、合拗音では“くゎ・ぐゎ”は“か・が”と表す。
◆ “中”の仮名は“ちゅう”だが、“世界中”は“せかいじゅう”とする。“地”は“ち”だが“地震” は“じしん”、 “地面”は“じめん”とする。(“図”は“ず”であり、“図画”は“ずが”、“地図”は“ちず”で良いが、“図”の漢字はそもそも口の中にツの変形を入れたものでこれは議論になっている。)
 まだまだ細かい説明があるが、上記により“難波津”が“ナニワズ”となった経緯は良くわかった。ちなみに“こんにちは”については言及されていないが、この意味は『今日は良いお天気ですね。』『今日はご機嫌いかがですか』の後半部分が省略された意味であり“こんにちわ”ではなくそのまま“こんにちは”が正しい。
 少し長くなるが、教科書の『国語』は、なぜ英語やフランス語のように『日本語』ではないのかという疑問も、他のバラエティ番組で解説していたので、ついでに記しておこう。これは明治維新後に新政府が国家としての共通語が必要であるとして、当時、武家や商家を中心に使われていた“東京ことば”を元に創られ、学校教育を通じて普及させたもの。その授業が“標準語”という意味の『国語』であった。
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