元サラリーマンの植物ウォッチング第5弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part5
ウグイスカグラ・5~立春

ちなみに気象庁ではこのようにウグイスの初鳴日やサクラの開花日などの『生物季節観測』を行っているが、その種類は驚くほど多い。いくつか挙げてみると、まず植物では“アジサイ開花”“イチョウ黄葉”“ウメ開花”“カエデ紅葉”“クワ落葉”“シバ発芽”“ススキ開花”“スミレ開花”“ライラック開花”など全部で41種類。動物では“アキアカネ初見”“アブラゼミ初鳴き”“カッコウ初鳴き”“シオカラトンボ初見”“トカゲ初見”“ニホンアマガエル初鳴き”“ヒバリ初見”“ホタル初見”“モンシロチョウ初見”など全部で24種類。気象庁もなかなか芸が細かい。ついでに“ツクシ発芽”や“ホトトギス初鳴き”も選んで欲しかった。
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ヒメリンゴ

新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは人類にとっては脅威だが、岩手大学の吉川信幸教授らは植物を宿主とするウイルスを活用した新たな品種改良の技術を開発した。研究チームはリンゴを宿主にする“リンゴ小球形潜在ウイルス”に着目し、このウイルスに開花ホルモンとして知られる遺伝子“フロリゲン”を働かせるRNA(リボ核酸)と、開花を遅らせる遺伝子を抑制するRNAも仕込んだ。
リンゴは通常植えてから開花するまで6~10年掛かるが、新技術ではわずか2ヶ月で開花し、5~8ヶ月ほどで直径数センチの実をつけた。感染させるウイルスは無害でこれを植物から取り除く方法も考案し、また次世代のほとんどはウイルスの無い苗にできるそうだ。
“桃栗3年、柿8年”の通り、果樹類は種子から発芽して果実が出来るまではかなりの年数が掛かり、品種改良には十数年から長くは数十年も掛かる。地球温暖化の進行などで果樹類では着色不良など高温障害が問題になっており、その対応のために新品種の育成が必要になっている。この育成は品種同士を交雑し優良株を選抜して作るが、この技術を利用すれば1世代の品質評価が1年で出来るため、農産物の新品種が迅速に開発されることが期待されている。この方法は農水省の審議会で遺伝子組み換え作物には当たらないと判断されたという。
写真は浄瑠璃緑地の「ヒメリンゴ(姫林檎)」。バラ科リンゴ属の落葉高木で冬芽は赤紫色。葉痕には3つの維管束痕が見える。
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