goo

ミゾシダ・1~高尾山2号路

 高尾山“2号路”に生育している「ミゾシダ(溝羊歯)」。ヒメシダ科ミゾシダ属のシダ植物で、夏緑性のため冬は枯れかけているものが多い。シダは一年中見られると思いがちだが、一般の植物のように“常緑性”“夏緑性”“冬緑性”がある。確かに先日見たホラシノブは紅葉していたし、フユノハナワラビは冬に現れる。さてミゾシダの葉身には両面に細かい毛が生えホコリをかぶったように見える。ソーラス(胞子嚢群)は長楕円形で包膜が無く葉脈に沿って中肋と辺縁の中間に付く。まずはこの名前を覚えて、次は葉が元気に見える頃に細部を観察しよう。溝に生えるという意味の名だが、乾いた場所にも群生するようだ。
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )

ホソバオキナゴケ

 高尾山“6号路”のスギの樹皮に拡がっている「ホソバオキナゴケ(細葉翁苔)」。シラガゴケ科シラガゴケ属のコケ植物で、樹木の根元や朽ち木などに生育する。白っぽく見えるのは枯れているのではなく、その葉が葉緑素を含まない透明細胞の間に葉緑素を含む細胞が挟まっている構造のためで、降雨時にはやや緑色が濃くなるようだ。名の由来は見た目通りで、老人の白髪に見立てている。
 シダ類と同じようにコケ類(蘚苔類)も多く、日本では約2,000種が記録されており、また地衣類は約1,000種があるという。しかし勉強不足で当ブログではまだまだ数が少ない。これまでに記載したものを挙げてみると、イオウゴケ(地衣類 北軽井沢)イチョウウキゴケキヨスミイトゴケコスギゴケコツボゴケサヤゴケゼニゴケハマキゴケハリガネゴケヒカリゴケ(北軽井沢)で、本種を入れてわずか11種しかない。こちらも長い道のり。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

イノデ・2~鱗片

 本州から九州の常緑樹の林床などに多く生育する「イノデ(猪手)」。オシダ科イノデ属の常緑性シダ植物で、中軸には褐色の鱗片が、まるでイノシシの手のように密生している。イノデの仲間は多く、葉の光沢やソーラスの付き方などそれぞれ異なるが、この鱗片の形や色も同定のポイントになる。これは鹿島緑地の林縁のもの。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )