前回講座の後、講座のやり方ではハンダが溶けないとおっしゃる方がおいでかと思います。
おっしゃるとおりです。でも、その温度が本当なのです、今までこて先が過熱して真っ黒になっていませんでしたか?
前回の写真で、60W銅こて先は真っ黒で先端にハンダがついていました。
これは純銅の鏝先なので段々黒くなってきますが、先端だけはハンダメッキされています。
でも、次の温調鏝はこて先端が光っていて、先の5ミリほどにはハンダがのっています。
250度で普通の60:40のハンダ使用です。基盤なしでハンダを溶かして玉を作るだけなのでこの温度設定です。
鏝の温度を350度にしたばあいでも、今どきの基板は放熱が良いので熱が拡散します。
鏝350度、基盤20度として、鏝を当てて基盤を温めハンダを押し付けて溶かすと、こて先の温度は100度くらい一気に下がります。
これにハンダの溶解熱が引かれて約250度になるのだそうです。
こて先と抵抗の足は点接触ではいけません、鏝先に付いているハンダが抵抗の足にからみついて面接触で熱を伝えるのです。
「温調」でない鏝でしたら、2から3秒でハンダが溶けるくらいの温度が250度です。
こんなことで「面倒」と言わないでください、鉛ハンダなのでこれくらいですむのです。
もうすでに車や電気製品の基板は「鉛フリーハンダ」に替わっています。
これは「EU」が先導している「環境から鉛を無くそう」という取り組みで、鉛を使った製品は売れません。
車で鉛を使っているのが見つかると、過去にさかのぼって全部リコールになります。
日本では、個人の実験研究用なのでアマチュア無線では使って良いのですが、将来は環境問題で使えなくなるとも思われます。
現在、使用中の機器や車を修理をするときは、「鉛フリーハンダ」が使われていますのでご注意ください。
つづく