シソ科 ムラサキシキブ属 ムラサキシキブ
北海道から本州、四国、九州に分布する落葉の低木です。林の縁や崖地で見られます。
高さは2メートルから3メートル、株から細い茎がのびて枝分かれします。
葉は対生する卵形、先がとがりまわりには細かい鋸歯があります。
葉の付け根付近から花枝をだし、細かく枝分かれして花がさきます。
花はうすい紅紫色で筒形、先は4枚に分かれて開きます。
花粉が入った黄色の葯を持つ雄しべは4本、花の外にのびます。
雌しべの花柱は1本、雄しべより長くのびます、先に黄色い葯がないのでわかります。
秋には紫色の丸い実が多数つきます、紫色がきれいなところから「紫式部」とよばれるそうです。
下の写真はコムラサキです。
シソ科 ムラサキシキブ属 コムラサキ
本州から四国、九州に分布する落葉の低木です。少し湿った場所で見られます。
高さはムラサキシキブより少し低く2メートルくらいで、枝先がのびてくると垂れ下がります。
葉は対生する卵形、先端はとがります、まわりの鋸歯は先端側の半分しかありません。
葉の付け根の数ミリ上から花枝がのびて枝分かれします。
花はうすい紫色で筒型、花の先は4枚に分かれて開きます。
雄しべは4本、雌しべは1本ありますが、雌しべの花柱は雄しべと同じくらいの長さで目立ちません。
ムラサキシキブは葉の周りに鋸歯があること、雌しべの花柱が長いことなどでわかります。
コムラサキは鋸歯が葉先側だけで柄側はなめらかなこと、雌しべの花柱が雄しべと同じくらいです。
花の咲くのはムラサキシキブの方が半月くらい早いです。
コムラサキの方が高く伸びず、花や実の付き方が良いので、庭園で栽培されているのはコムラサキです。