ローカル初心者のためのハンダ付け教室です。
「ハンダ付け」とは、当ブログでは金属端子と電線、基盤に抵抗、コンデンサーなどを取り付けることを言います。
代表的な、電子基盤に抵抗をハンダ付けする場合ですが、基盤側に銅箔が張ってあり、抵抗器のリードは鉄メッキ線または銅メッキ線が基盤の穴を通過しています。
この基盤通過部分で、ハンダを溶かして銅箔とリードの間を埋めるわけです。
銅箔とハンダの成分スズが溶けて合金層ができるのです。この合金層の形成によって強度が決まります。
間を埋めたハンダの量によって「フィレット」とよばれる富士山型になるか「芋ハンダ」になります。
芋の方がこんもりして強度がありそうですが、上記のとおり「合金層」によって強度が決まるのです。
合金層を作るための答えはすでに出ています。スズ鉛ハンダで250度、3秒加熱が基本です。
これ以上温度を上げるとハンダの強度が落ちてしまいます。
私が経験したものでは、自動車のエンジンコントロール基盤のハンダはがれとテレビ基盤のハンダはがれがあります。
どちらもハンダが白くなってザラザラした感じで、加熱により強度不足になったものが走行時の振動ではがれたと思われます。
下に実験してみました。
60Wの銅先鏝で十分加熱したハンダは白くザラザラになっています。
鏝を置いた瞬間溶け込んで行くので、おそらく400度以上ありました。
下は温調鏝で250度に温度制御したものです。フラックス入りハンダを溶かしてみました。
下側の小さな玉です、フラックスが蒸発したためにまわりが濡れています。
高温で溶かしたのが大きな玉、低温で溶かしたのが小さな方です。
フラックスもよく効いているので、低温の方が艶があります。
今の時代、自動車から電化製品など身の回りのほとんどのものに電子基板が使われています。
皆さん、温度が高い方がよく着くとお思いでしょうが、電子基板の工場では360度を超えると使い物にならないそうです。
街のブリキ屋さんと一緒の仕事ではいけません。
こて先が黒くなってハンダがつかない時は過熱しすぎ、こて先のハンダが黄色くなる前に温度を下げてください。
温調鏝が無い場合は、コントローラーで制御します。30Wの鏝で50パーセントから70パーセントが良いです。
作業が終わった時はこて先の掃除をしてこて先にハンダをのせてから電源を切ります。
水を入れたスポンジで掃除するのは止めましょう。今のこて先は銅に鉄が巻いてあります、銅と鉄は膨張率が違いますね。
金属を張り合わせたこて先が、急激な温度変化で割れてしまうそうです。
つづく