韓国駐在中に覚えた中国東北地方の延辺料理。
旧満州に居ついたコリアン(朝鮮族)の料理で、羊肉の炭火串焼きが売り物です。
日本では新大久保で同じ料理を見つけ、私のお気に入りの一つになりました。
そして新大久保の千里香が池袋に出した系列店が四季香。こちらは、味は同じだけれども、串焼きを自分で焼ける席が少ないのが難点。やはり串焼きは焼きながら食べなくてはおいしさが半減します。
ところが最近、池袋にもう一軒、「千里香」ができた。それも四季香と至近距離です。
四季香の店員に聞くと、
「あれはうちとは系列が違う。上野の系列です」
と、敵愾心に満ちた口調。どうも、上野にも新大久保とは別の「千里香」があるらしい。そしてそれぞれの系列店が池袋で激突したんですね。
もともと上野は古くからの在日がコリアンタウンを作っていた、旧勢力の本拠地。ところが最近では精彩を欠き、さびれつつあることは、以前にこのブログでお伝えした通りです。
一方、今や東京のコリアンタウンといえば新大久保。旧来の在日ではなく、ニューカマーのコリアンがさまざまな韓国料理の店を開き、韓流ブームに乗って、マスコミでも頻繁に取り上げられている。
そして、池袋はどうかというと、こちらは中国系が幅をきかせ、ミニ中華街の様相を呈しつつある。
池袋における二つの朝鮮族系列店の勢力争いは、上野の在日勢力と新大久保のニューカマーコリアンの代理戦争か…。
さて、上野系列の千里香のお手並み拝見ということで、先日、行ってきました。
新しいだけあって、店はきれい。そしてすべての席に炭火こんろが置かれているのは魅力です。
さらに!!
なんとすべてが「自動串焼き機」なのでした。
通常、羊の串焼きは、炭火のうえに二段になった串乗せ台を設置し、まず下の段で焼いて、焼き上がったら上の段に移し、冷めないようにします。
下の段で焼くとき、串を普通に平行に置いて焼くと、ひっくり返すときがやっかい。どうしても重いほうが下になり、片方しか焼けないのですね。それで、串が回らないように4~5本の串を扇子状に開いて焼くのがこつです。
ところが自動串焼き機は、ただ平行に置いておくだけで、串が自動的に回転してくれる。われわれは焼きあがるまで待っていればいい。ラクチンです。
一串当たり単価はちょっと高いけれど、肉質は新大久保千里香にひけをとらない。この自動串焼き機は魅力的です。
かつて無煙ロースターを在日が発明し、本国に逆輸出したように、在日朝鮮族の自動串焼き機は韓国の、そして満州の串焼き文化を一変させるか!!!
もちろん人によっては、串は自分でひっくりかえさなくちゃ、という向きもおられるでしょう。そこは好みの問題ですね。
この戦い、新兵器で武装した上野系に分があるような気がしますが、どちらが客を集めるか、予断を許しません。
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アガシの新しい場所と合わせて行ってみたいですねぇ。