犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

遠足と熊

2023-11-19 22:35:19 | 言葉
写真:ツキノワグマ(Wikipedia)


 次女が勤務している幼稚園で、飯能市の多峯主山に遠足に行くという話がありました。

飯能笹と牧野富太郎

 せっかく下見もしたのに、中止になりました。

 理由は熊の出没

 たしかに、このところ町内の「防災放送」で、

「〇〇町でツキノワグマが目撃されました。ご注意ください」

という内容が何回か流れていました。毎回、場所が違うので、同じ熊が移動しているんだと思います。

「野生動物が見られていいかもよ」

「何言ってるの? 熊に出会ったら、70人の園児を守ることはできないよ」

 職業的な責任感なのでしょう。

 その後、同居している孫娘の保育園で、近くの公園に遠足に行くという話がありました。

「遠足って何ですか?」

 D(三女の夫、フィリピン人)の語彙に、「遠足」はないようでした。

「遠足は、たしか、エクスカーションかな」

「エクスカーション? 聞いたことないです」

「あれ?」


 グーグル翻訳で「遠足」を入れると、excursionが出てきました。

「フィリピンでは使わないのかな」

「どういう意味ですか?」

「近くの公園なんかに遊びに行くこと」

「ああ、school tripですね」


 幼稚園や保育園をschool といっていいのかわかりませんが。

 ところで、excursionはロシア語でэкскурсия(エクスクールシヤ)

 今習っているロシア語のオンラインレッスンでは、英語圏の人向けの学習書を使っているのですが、例文にこのエクスクールシヤがよく出てきます。

 日本語に堪能な先生に意味を聞くと、「遠足」だという。

「でも、大学生は遠足に行きませんけど」

「じゃ見物かな?」


 確かに、美術館に行くのもエクスクールシヤを使います。

 あらためてexcursionを辞書で引くと、

「(行楽のための通例団体の)小旅行、遠足」

 school excursionという用例もあり、school tripよりも堅い言い方、となっていました。

 日本語の遠足は、

えんそく【遠足】〔見学・運動のため〕〈歩いて/日帰りで〉遠くへ行くこと。(三省堂国語辞典第8版)

えんそく【遠足】〔見学・運動などのため〕教員が児童・生徒を引率して、交通機関をなるべく利用しないで遠くへ行くこと。(新明解国語辞典第7版)


 家族で行くのは遠足とは言わないですね。

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