定型句という言い方があります。
たいがいつまらない、と思わせる表現になってしまうので用心はするのですが
どうやら、同好の士に共感を得るにも有効なのかもしれません。
第88回となかなか、ダブル末広がりでおめでたい回数を数える「東京箱根間往復大学駅伝競走」
通称・箱根駅伝の1区で、早稲田大学の大迫 傑(おおさこ すぐる)選手が、
”飛び出した”のです。
見事でしたね。駅伝競技で、集団の走りを宿命づけられるのがスタート区間。
一緒に走り始めれば、なかなか後には引けないから集団で走りますし、多くの一区ランナーには
その実力がある精鋭が箱根では集まっています。
逆に集団から誰も抜け出さず、ペースがゆっくりしたまま団子でころがることもままあります。
昨日の実業団ニューイヤーなどはその典型で、解説者から「社会人のレースとは思えません」
というほどのゆっくりペース(もちろん社会人の職人ランナーとしてですね。キロ3分ちょっとですから)
でした。
しかし、今日の箱根駅伝は違いました。
最初からキロ2分51秒で集団が進みます。あの瀬古さんをして「遅くはありませんね」と言わしめたのですから、
いい疾走をしています。
それでもさすがに、20人の大学生すべてがついて行ききれるペースではありません。
トップを早稲田の大迫 傑選手が引っ張っているのは、画面中央にずっと顔を見せて
涼しい表情なことからもわかります。
そしてまだ東京の中心部にいるうちに、画面に映る選手は、大迫と日本体育大学の服部翔太選手だけに
なりました。きそうこと2キロほどでしょうか。
大迫選手が飛び出しました。
すごいペースアップ。服部選手の並走を全く許さず、劇画なら足のあおりアップ画にグンという擬音をつける
ようなパワーの込め方をしたのです。
グンと、飛び出す。
どんな感じがするのでしょう。もし自分がランナーで走るときにそんな経験ができたら、
どれほどの快感を得るのか想像するだにわくわくします。
自分に力があることの証明なのですから。
そのようなわけで、定型句で始めさせていただいた1月2日のブログには
それなりのランナーとしての共感があるとお取りいただければ幸いです。
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