日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

映画「岳」を見ました

2011-05-25 00:42:11 | 映画

数ヶ月前に雑誌で広告を見てから、ずっと公開を待っていた「岳」に行ってきました。
舞台は北アルプス、主役はボランティア山岳レスキュー三歩と、長野県警山岳救助隊の新人・久美ちゃんである。この二人を、小栗旬と長澤まさみが演じます。

漫画では山を生きるスーパーマン。実写ではどうなるか?しかし、その心配は杞憂でした。
小栗君、見事にスーパーな大人振りでした。クレバスに落ちて何とか助かった人にも、
絶壁から落下して命を落とした若者にも、「よく頑張った」とかける声は、救いとしか
言いようのないものでした。もちろん、その命を左右する現場では能天気にも思える言葉に、
山にわだかまりのある久美ちゃんは少し恨みを持ちながら、三歩の背負った過去の十字架を知るとともに、
山が持ち山が与えた偉大な力を、知っていくのです。

このわかりやすい表裏と、でも絶対的な生きることのすばらしさを
恥ずかしげもない前面に立ててストーリーを進められるのは、
下手に日常性を描かず、作品を構築する擬似世界の真骨頂を渡り歩こうとする、
45歳のテレビ界出身・片山監督が偉大な仕切りをしたからこそでしょう。
この点、昨年の私的最高作品「風が強く吹いている」で、友情と情熱と、努力、
仲間とともに追い求めるゴールという、べたで恥ずかしくて、だけどあこがれる
圧倒的なシチュエーションをこれでもかと並べ立てていたのを思い出しました。

最大の見せ場、爆弾低気圧のなかで繰り広げられる、
嵐のヘリ、数時間で松本市内から山頂へ駆け上がる三歩、
中越典子父娘の愛情、身を縛るロープを切り遭難者に近づく久美
のシーンは必見。
生きてるだけで丸儲け、山のように大きな人間になりたいものだと
切なく思う私でありました。


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