昼までに仕事が終わったので、山に走り登って温泉に入ったあと、昼御飯ついでに街巡りに出ました。縦横無尽に伸びるアーケードのおかげでボタン雪もあまり気になりません。呉服屋さん、布団やさん、乾物やさんに電気やさん、蕎麦屋に割烹、何でもあって、片寄ってないのが一つの特徴と見ました。しかもたくさん並んで商店街になっていても、ほとんど空き家がなく、たまに見つけても、これも新陳代謝と微笑むことができるほどです。さらにコンビニを含む全国チェーンが少ないのは、この時代には個性と呼べるほどの街作りでしょう。そして昼に入ったのが、表通りから一歩奥のお寿司屋さんで常天。ガラリと木戸が鳴るところが店の歴史を感じます。無口な旦那と愛想よく温泉案内までしてくれる奥さんという並び方も店の格式というものでしょう。頼んだのは特上握り。竃で焚くというシャリがモッチリと下支えしてくれます。9カン出た中で印象的だったのがモサ海老というネットリした身と甘味が膨らむネタと 知り合いの漁師から直接箱に入って届くウニでしょう。地物
の良さが嬉しくなります。以上2310円、良い具合です。
次に来たのはさらに北へ5分、丸福コーヒー店。来鳥初日から魅力を感じていたのは店構えの落ち着きと、そうホットケーキ!!メニューを見るとコーヒーとセットなら一枚単位でOK。寿司を食べたばかりの身にはありがたいサービスです。サービスといえばウェイトレスのお嬢さんが明るい声で気さくに話してくれてクルクルよくたち働くのも老舗喫茶の魅力でしょう。ホットケーキの魅力はそれに輪をかけて、銅板で焼く表面は輝くきつね色。バリッとナイフを入れた中はふうわり気持ちよく膨らんで甘い湯気が立ち上ります。バターを塗ってガラスの小瓶からメープルシロップをかければ、幸せが口の中に丸く広がりました。あまりの心地よさに既に滞在一時間、苦味の深いインパクトのあるコーヒーをおかわりします。