瀬木比呂志『黒い巨塔 最高裁判所』講談社,2016年

瀬木比呂志『黒い巨塔 最高裁判所』講談社,2016年
著者は1954年生まれの元裁判官で現在は某法科大学院教授。専門は民事訴訟法、法社会学等。
まず本書は創作物語、フィクション、小説であって実録ではない旨、プロローグの前とあとがきにも書かれている。舞台は、最高裁判所の事務総局。主人公は判事補、もう数年で判事になる。この主人公が東京地裁に籍を置きながら最高裁の事務総局、民事局局付として民事局第2課で2年間、勤務したときの物語という設定。物語としておもしろく、一気に読める。とくに原発事故訴訟についての裁判官協議会にかかわるシーンが、公害裁判における裁判所の対応との対比で興味深かった。それにしても、裁判官の健康について心配せざるを得ない。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )