プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

印象派とジャポニズム

2007-01-26 20:36:05 | 美術・カメラ
モネ<<ラ・ジャポネーズ>>(1876)

印象派を語る上で、ジャポニズム(ジャポニスム・日本趣味)を抜きには語れないだろう。
ジャポニズムとは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本の影響を受けた西欧芸術におけるひとつの現象のことである。
ジャポニズム、特に日本の浮世絵は印象派の画家たちに多大な影響を与えた。
モネは熱心な浮世絵のコレクターであり、当時流行していた日本趣味をモチーフにした絵画も描いている。妻カミーユの着物姿を描いたこの<<ラ・ジャポネーズ>>は、第2回印象派展で大きな話題を呼んだ。
ゴッホはポスト印象派として位置づけられているが、やはり浮世絵に強い影響を受け、忠実な模写も行っている。

印象派は、ルネサンス以来の写実主義から開放され、光と色彩を強調して「見た感じ」の面白さを追求する独自の絵画表現を追及した。そこには、浮世絵的な画面構成や色彩感覚なども色濃く影響している。

浮世絵に見られるような平面的かつ装飾的な空間構成は、やはり19世紀末にヨーロッパで花開いた新しい装飾美術であるアール・ヌーヴォーにも影響を与えたといわれている。

このようにして、印象派に端を発した西洋美術界の一大ムーブメントは、近代美術から現代美術へと至る大きな潮流を生み出す。

開国とともに、日本の文化がジャポニズムとして西洋諸国に紹介されたわけで、その意味では日本は美術の輸出国であったわけだ。
ただ、西洋でジャポニズムが起きていたころ、明治維新後の日本は文明開化によって急速な西欧化が起こっていたことは言うまでもない。