プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

カメラ・オブスキュラ

2007-01-11 19:10:56 | 美術・カメラ
さて、やっとカメラの話。

カメラの要となる印画法が開発されたのは19世紀の中ごろのことであるが、カメラの原型ともいえるカメラ・オブスキュラの歴史はかなり古い。

カメラ・オブスキュラは原理的にはピンホール・カメラのようなもので、その原理は古代から知られていたようだ。このカメラ・オブスキュラは絵画を描く手法に次第に取り入れられ、15世紀の人物であるレオナルド・ダ・ヴィンチもこれを研究していたようである。

最初の頃のカメラ・オブスキュラは部屋ぐらいの大きさの装置だったようだが、次第に小型化されていった。17世紀の画家、フェルメールは綿密な画面構成で知られているが、このカメラ・オブスキュラを用いていた可能性がある。
このように、画家によって利用されていたカメラ・オブスキュラという装置が、印画法の開発によって、カメラに発展し、「真実を写し撮る」という意味での今日の「写真」に発展した。絵画と写真の関係を語る上で、このことは実に興味深い。

ところで、近代美術において、写真と芸術というものはどのように関連づけられるだろうか。
「見えないものを見」、「届かないものに触れる」ことが芸術の真髄だとすれば、歴史の一部分を切り取り、見たままをそこにとどめる「写真」というものは、果たして芸術の歴史においてどのような位置づけになるのだろう。

(つづく)