
10月4日から開催されている、ピカソ展に行ってきた。
今回の展覧会は、国立新美術館とサントリー美術館の2ヶ所で開催されている。
ピカソと私の出会いは、小学生だった頃に遡る。・・・と言うほど大袈裟なことではないが、家に作家別の美術年鑑があり、私が好んで見ていたのが、ピカソとシャガールとセザンヌやルノワールなどの印象派だった。
今でも決して詳しくはなく、精通もしていないが、旅先で訪れた美術館に彼らの作品が展示されていると、決して見逃さない。
今日はまず、ピカソの青の時代、キュビズム、新古典主義、シュルレアリスム、晩年と、ピカソの全生涯の奇跡を自画像を中心とした作品で綴った、サントリー美術館の 「巨匠ピカソ 魂のポートレート」 展に行ってきた。
タイトル写真はフライヤーなのだが、この絵のタイトルは 『自画像』。1901年青の時代、ピカソが20歳の時の作品で、会場に入ると二番目に見ることができた。
しかし、この絵は20歳のピカソではない。この作品とは対象的に、晩年の1972年、91歳の時の作品に、『若い画家』 というタイトルの自画像があり、いちばん最後に展示されていた。
この2枚を鑑賞して、自画像というのは、その時の自分を描くだけではなく、その時の自分の心を描くものなのかも知れない・・・と感じた。
昔は抽象的なだけで訳がわからないと思っていた作品も、今ではキュビズムというものを知ったので、見方も変わり、ちゃんと理解できるようになった。
『ピエロに扮するパウロ』 という、息子パウロを描いた作品が、とても優しくて温かくて、強いタッチで描かれた他の作品とは違う世界観があった。ピカソの息子に対する愛情が滲み出ている作品だった。

今回の展示作品は、2館で計約230点。全てパリの国立ピカソ美術館所蔵のものだが、となると、今パリの美術館はどうなっているのだろう・・・と余計な心配をしたが、美術館の改装によって実現した回顧展の一環とのこと。なるほど・・・。
サントリー美術館は、今年の1月に 「ロートレック展」 で新しくなってから初めて行ったのだが、従来の日本の美術館とは違い、比較的自由に鑑賞できるので気に入っている。
難を言えば、これは他の日本の美術館もそうなのだが、照明が暗いこと。作品にはライトが当てられているが、それ以外は間接照明で暗い。どうしてもっと明るくしないのだろう。明るくするともっとオープンな気分になれるのに・・・。
国立新美術館にはまだ行ったことがないので、どんな感じの美術館なのか楽しみである。黒川紀章が設計した建物自体は、あまりセンスがいいとは思えないが・・・。
夜になってとても風が強くなって寒さも増してきたが、空気が澄んでいたのか、オフィスの窓から見た夕焼けがとても綺麗だった。そして、サントリー美術館がある、東京ミッド・タウンの周りは、クリスマス・イルミネーションがとても綺麗だった。


