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The Wonder Stuff 18年ぶりの来日!

2009-04-22 | music : favorite


一瞬、我が目を疑った。「えっっっ!!?? うっそー!? マジ!?」 と思わず声が出て、夜中だったので、心の中で 「キャ~~~~~ッッッ!!!」 と叫んだ。そのあとは、もうただそわそわウキウキ♪

★☆★The Wonder Stuff 来日!!!★☆★  9月10日(木) リキッド・ルーム

時々チェックしているThe Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)のファンサイト “もっと、もっと、もっと ワンダー・スタッフ” で、先週この素晴らしい告知を見た時は、もう本当に信じられなかった。
でも、彼らのオフィシャル・サイトのスケジュールにちゃんと載っているのを確認して、“あぁぁぁ~~~、本当なんだ!” と感慨にふけった。
The Wonder Stuffとの出会いについては、2004年に11年ぶりにリリースしたアルバム 『escape from rubbish island』 に合わせてこちらで語ったので、今回はスルーするが、この時も、翌2006年にリリースされた 『Suspended by Stars』 について書いた記事でも、来日やライヴを見ることを切に願っていた私の夢が、ついに叶うのだ。
思えば涙を呑んだ1994年の来日公演キャンセルから15年! ついに、ついにライヴが見れる! 嬉しい! チケットを手にするまではまだ信じられないくらいだ。
嬉しすぎて、週末は彼らのDVD 『Welcome to the Cheap Seats ROCKUMENTARY』 をずーっと観ていた。

昨年、彼らのデビュー・アルバム 『The Eight Legged Groove Machine』 のリリースから20周年ということで、その全曲と当時のシングル曲を現在のメンバーで再レコーディングして、アニヴァーサリー・ライヴで販売した。
何でも、今のメンバーでライヴを行なうために、リハーサルを兼ねて音を固めるためにレコーディングしたらしい。
そのCDの国内盤が、この度ボートラが3曲追加されてVinyl Junkie Recordingsより5月27日に発売される。アート・ワークは日本オリジナルらしい。
6月に行なわれるGlastonbury Festivalのヘッド・ライナーが決まり、ツアーも5月から始まる。来日の頃にはバンドとしてもきっととてもいい状態に出来上がっているだろうし、盛り上がるに違いない。
あ~、ホントに楽しみっ♪

oasis / Dig Out Your Soul

2009-04-19 | music : favorite


アサヒビールの “off” という発泡酒のCMで流れるoasis(オアシス)の名曲 「Whatever」 は、2002年にSONYの “Vaio” のCM曲としても起用されていた。
先日の来日時にはMステにも出演し、普段洋楽を聴かない人もoasisは聴くという人が増え、音楽は知らなくても名前だけは知っているという人も多い。そのくらい、今ではポピュラーなバンドとなった彼ら。
最近はoasisという名前だけが独り歩きしているような印象があったので、昨年7枚目のアルバム 『Dig Out Your Soul』 がリリースされた時、聴こうか聴かまいか、買おうかどうしようかと迷っていた。
でも好きなバンドのひとつだし、その頃公開された映画 『K-20 怪人二十面相・伝』 の主題歌になった 「The Shock Of The Lightning」 が頻繁にメディアから流れているのを聴いて、成り行きというかクセみないな感じで、リリースから約1ヶ月後に購入したのだった。
そして、期待せずに聴いたのだが、期待以上に良かったというのが全体の感想。少なくとも、過去数枚のアルバムより断然いいし、覇気がある。
ジャケットのアート・ワークが物語っているように、スケールの大きいサイケデリックで重厚なサウンドがとどろき、タイトでスピード感がある。
野太いLiam(リアム)の声と力強いリズムで始まるM-1 「Bag It Up」 は、ズンズンと重低音が響く。サビは、サイケなメロディ・ラインに乗って、Liam節全開。
間髪入れずに突入するM-2 「The Turning」 のリズム・パターンが心地良く、こういうリズムはかなり好きだ。ピアノの音がいい具合に響いていて、控え目なのにとても印象的。
「Bag It Up」 の重低音リズム再びと言った感じの、M-3 「Waiting For The Rapture」 は、兄Noel(ノエル)がVo.なのだが、リズム隊に比べるとVo.がちょっと薄い感じがする。
先行シングルだったM-4 「The Shock Of The Lightning」 に至っては、oasisしか書けない、Liamにしか歌えないというくらいoasis色満載の曲。疾走感があってなかなかカッコいい。映画の主題歌に起用されたのも、わかるような気がする。
ガラッと雰囲気が変わるM-5 「I'm Outta Time」 は、Liamの声がとても味を出しているバラード。個人的には、Liamにこういう曲が書けて、こんなにしっとりと歌うことができるんだと再認識させられた一曲。
Vo.にエフェクターをかけたM-6 「(Get off Your) High Horse Lady」 はNoelの曲&Vo.で、気だるく歌っている。最後に砂利の上を歩くような足音を入れたSEを使い、M-7 「Falling Down」 に繋げる。この曲もNoelが歌っていて、間奏のメロディ・ラインとリズム・パターンがサイケでカッコいい。
M-8 「To Be Where There's Life」 は、ギターのGem(ゲム)が作った曲で、シタールを取り入れている。この曲も、ベースのAndy(アンディ)が作ったM-10 「The Nature Of Reality」 も、あまり抑揚のない曲なので、ちょっとダレる。
ラストは、ベース・ラインが耳に残るM-11 「Soldier On」 で、サイケ色を全面に出して締めくくる。この曲は、ハモンド・オルガンの音色が印象的。

前半がとてもいいので、後半は失速して若干ダレ気味になるのがちょっと残念ではある。でも、かなり完成度は高いと思うし、ここ最近の彼らにはなかったスピード感と、サウンド面での渋さとスケールが感じられる。
4年前に 「Whatever」 を記事にした時は、2nd以降のアルバムは殆んど聴いていなかったが、その後 『Be Here Now』 を聴き、アルバムは持っていないがその他の曲もいくつか聴き、『Don't Believe The Truth』 はオン・タイムで聴いた。
そんな状況だが、これまでのアルバムと比べると、1st、2ndに勝るまでは行かなくとも、今作は間違いなく結構レベルの高い出来だと思う。
相変わらずのBig Mouthも、これなら納得という感じで、いいんじゃない?という感じだ。まあ、彼らからBig Mouthを取ったらちっとも面白くなくなるので、これからも世間の賛否両論、辛辣の荒波を無視し続けて行ってほしいと思う。
来日公演も大盛況だったようで、フジ・ロックへの出演も決まったoasis。クアトロや新宿リキッド・ルームで見た頃が懐かしいが、もう彼らのライヴに行くことはないだろう。でも、ライヴ・バンドとしての地位はゆるぎないものを確立しているし、この先 “何か” が起こらない限り、いろいろ楽しませてくれそうだ。

Ben Kweller / Changing Horses

2009-04-04 | music : favorite


旅行記が続いたので、久しぶりに音楽の話題。
Ben Kweller(ベン・クウェラー)の新作 『Changing Horses』 は、前作との間のブレイクにリリースしたEP 『How Ya Lookin' Southbound? Come in...』 でその方向性を示していたとおりの、Benちゃん流のポップなカントリー&フォーク・アルバムで、テキサスで育ったBenちゃんのルーツに返った、温かいナッシュビル・サウンドが詰まっている。
“カントリー” と聞くだけで決して懸念してはならない、優しくて甘いメロディが溢れるソウルフルな曲ばかりで、聴けば聴くほど味が出て好きになって行く。
これまでのBenちゃんのアルバムをずっと聴いてきた人には、M-1 「Gypsy Rose」 を聴くとちょっと “ん?” と思ってしまうかも知れないが(事実、私はそう思った)、M-2 「Old Hat」 を聴くと、それはもうBenちゃんワールド。優しさが満ち溢れている。
EPにも収録されていたM-3 「Fight」 は、ノリが良くてサビでは一緒にくちずさみたくなること間違いなし。
Benちゃんがドラムを叩いているM-4 「Hurtin' You」 では、アラバマ州出身の双子姉妹デュオThe Piercec(ピアス)がバッキング・コーラスを務めていて、女性の声がちょっぴりセンチメンタルな雰囲気を出している。
M-5 「Ballad of Wendy Baker」 は、ストリングスが美しく響き、指ではじくベースの音色が印象的だ。
そして、M-7 「Wantin' Her Again」、M-8 「Things I Like To Do」 とカントリー色を出した曲が続き、ドブロとペダル・スティールの音が響き渡る。
M-9 「On Her Own」 を最初に聴いた時、Jackson Browne(ジャクソン・ブラウン)が歌いそうなメロディだと思った。
最後はピアノが美しく響く哀愁たっぷりのバラード、M-10 「Homeward Bound」 で締めくくる。

分かり易いシンプルなメロディで、Benちゃんの音楽へのひたむきさが感じられる、とってもハートフルなアルバムに仕上がっている。こういうアルバムを作ることは、Benちゃんの長年の夢だったと言う。単純な原点回帰ではなく、幼い頃から慣れ親しんできた音楽への愛情表現とも言える、存在感のあるアルバムになっている。
そして、来週は東京でたった一夜限りのBenちゃんのライヴ。Benちゃんのステージは今回は初めてなので、とても楽しみだ。

the view / Which Bitch?

2009-03-09 | music : favorite


だいぶ前に先行シングル 「5 Rebbeccas」 がリリースされ、スピード感溢れるご機嫌なナンバーに、次のアルバムを楽しみにしていたthe view(ビュー)。
2ndアルバム 『Which Bitch?』 は、白と黒のツー・パターンのジャケットで発売。加えてDVD付とかいろんなヴァージョンが出て、まるでジャニーズのようだ。(笑)
白と黒のどっちにするか迷ったが、UKの雑誌のレビューに載っているジャケ写の殆んどが白だったのと、白の方が熊さんの足元の点描画がハッキリしていたので、DVDなしの白ジャケを選んだ。
アルバムは、ピアノの単調なメロディのくり返しにハープが絡み、まるで自宅で即興で歌っているかのような短い曲 「Typical Time 2」 で始まる。
もうお馴染みの曲M-2 「5 Rebbeccas」 の疾走感は、やっぱり気持ちいい。メロディもとってもポップで元気にさせてくれる。
ギターがヘヴィなM-3 「One Off Pretender」 は、語り口調で始まる。演奏もコーラスも上手くなったような気がする。最後は、そのままストリングスをふんだんに効かせた凝ったアレンジの M-4 「Unexpected」 に繋がり、もの哀しいメロディが心を打つ。
M-5 「Temptation Dice」 が、1st 『Hats Off To The Buskers』 の雰囲気を感じるのは、ギターの感じが 「Don't Tell Me...」 にちょっと似ているからだろうか・・・。それにしても、いい曲を書く。
かなり意表を突くコーラスで始まるM-6 「Glass Smash」 は、ズンズンと湧き出して行くかのような疾走ロックで、M-7 「Distant Dubloon」 は、オーケストレーションをバックに歌い上げる、ちょっとしたミュージカル・ナンバーのようだ。
お遊び的な雰囲気が伺えるM-9 「Covers」 では、Paolo Nutini(パオロ・ヌティーニ)とデュエット。Kyle Falconer(カイル・ファルコナー)との掛け合いが、バックに流れるトランペットの音色と共に軽快に流れる。
2ndシングルのM-11 「Shock Horror」 も、軽快でスピード感のある気持ちのいいロックで、叫ぶように歌うやんちゃなKyleのVo.を、バック・コーラスがしっかりと支えて駆け抜ける。
M-13 「Give Back The Sun」 では、バッキングVo.にKimberly Knight(キンバリー・ナイト)という女性を迎え、約6分もある大作になっている。
最後のM-14 「Gem Of A Bird」 は軽快なアコースティック・ナンバーで、ここでもKatie Gwyther(ケイティ・グィザー)という女性をバッキングVo.に迎えている。そして、約3分半で曲が終ると、何やら話し声が入り、しばらくするとガレージで演奏しているような荒削りのギターが聴こえてきて終る。
あくまでも個人的見解だが、こういうのはいらないな~と思う。あっさりとアコースティックのいい雰囲気で終ってくれれば良かったのに・・・と、聴く度に思ってしまう。

それにしても、いろんな試みに挑戦したバラエティ豊かな曲が多い。しかし、どの曲も地に足が付いているかのように、自分たちのものにしている。
サウンド面でもストリングスを多用し、音の広がりが増してぶ厚くなっている。
ご機嫌な青春ロックだけじゃないんだぞ、と言わんばかりに、成長した彼らの姿が伺える。
それから前作同様、アルバムのアートワークがとってもいい。メンバーの友達が手掛けたらしいが、ジャケの可愛い熊さんと言い、歌詞カードの各曲の挿絵もオシャレで雰囲気があってステキだ。
Ryan McPhail(ライアン・マクファイル)という新鋭アーティストによる作品で、他の作品はこちらで見ることができる。

Ben Folds / Way to Normal

2009-02-21 | music : favorite


去年、Ben Folds(ベン・フォールズ)がフジロックで来日した時に出演した 『ベスト・ヒットUSA』 で、ニュー・アルバム 『Way to Normal』 からのファースト・シングル 「Hiroshima (B B B Benny Hit His Head) 」 についてのエピソードを語り、そのビデオ・クリップが流れた。
私は最初、「Hiroshima」 というタイトルを見た時、てっきり原爆を受けた広島について歌った曲だろうと思っていた。
が、そんな深刻な内容とは大違い。以前広島でのライヴで、彼がステージに登場した瞬間ステージから落っこちて、頭から血を流しながらライヴを続けたという実話を歌にした自虐ネタだった。
歌詞にはその一部始終が細かく綴られていて、可愛いクレイ・アニメのビデオ・クリップも歌詞に合わせて作られていた。
その 「Hiroshima (B B B Benny Hit His Head) 」 を1曲目に、アルバムはスタートする。
ピアノ・ロックの真骨頂とも言えるM-2 「Dr. Yang」 や、ポップでキャッチーなアクセル全開のM-9 「Bitch Went Nuts」、エレクトリックな音を取り入れたM-3 「The Frown Song」、ちょっとノイジーに仕上げたM-10 「Brainwascht」 など、マルチ・プレイヤーBen Fldsならではのいろんなタイプの曲が聴ける。
彼がこの3年の間に3度も経験した離婚を曲にしたという、今回のアルバム。そんな中、Regina Spektor(レジーナ・スペクター)という女性SSWをフィーチャーしたM-4 「You Don’t Know Me」 は、気持ちのすれ違いを歌っているのに、とっても可愛い曲。
別れを歌ったM-6 「Cologne」 は、バックのチェロの音色がじわ~っと響く美しいバラード。
いきなりア・カペラで始まるM-10 「Effington」 は、スピード感があってとてもカッコいい。
最後の曲、流れるような優しいバラードM-11 「Kylie From Connecticut」 は、既にもう再婚しているというお相手のことを歌ったのだろうか・・・。
元気いっぱいのパンキッシュで疾走感溢れる曲からしっとりバラードまで、弾けるピアノが心地良く、ポジティウでアグレッシヴな傑作だ。
ただ、トランスっぽいM-8 「Free Coffee」 だけは、ジリジリチクチクしたノイズ音が、i-Podで聴いていると気持ち悪くなってきて飛ばしてしまう。

Jason Mraz feat. Colbie Caillat / Lucky

2009-02-15 | music : favorite


前回に引き続き、Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)に関すること。
3rdアルバム 『We Sing, We Dance, We Steal Things』 に収録されている、女性SSWのColbie Caillat(コルビー・キャレイ)とデュエットしている 「Lucky」。
セカンド・シングルとして、先月からこの曲のビデオ・クリップが配信されているのだが、それを見たらこの前行ってきたばかりの旅行先、プラハの映像だったので、“あっ、あそこだ!” と声を上げながらちょっと興奮。懐かしさもあって、一日一回は見ている。(笑)
セピア色のプラハの街を歩く、黒のスーツに白のタイでビシッと決めたカッコいいムラーズさんと、フル・カラーの太陽に輝くアメリカ西海岸の海辺を歩いている、真っ白なサマー・ドレスと小麦色の肌が眩しいColbieとの映像が、歌に合わせて掛け合いで流れる。
始まりは、プラハ旧市街広場。そして、ティーン聖母教会や聖ミクラーシュ教会、ヴルタヴァ河越しのプラハ城、旧市庁舎時計塔、ヤン・フス像、チェフ橋に石畳の旧市街の道と、全部自分がこの目で見てきた風景なので、何だか嬉しい気持ちになる。
それにしても、切なく美しいラブ・ソングのこの曲に、ノスタルジックな美しいプラハの街がとてもよく似合う。




Jason Mraz / Mr. A-Z

2009-02-12 | music : favorite


Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)の2nd 『Mr. A-Z』。
2005年リリースのこのアルバムを聴いたのは、3rd 『We Sing, We Dance, We Steal Things』 を聴いて、ムラーズさんの大ファンになってから。
タイトルの 『Mr. A-Z』 が、そのまんま “Mraz” になっているというのが、こじゃれているというかお茶目というか・・・、ユーモアのセンスがいい。
そんなお茶目な感じとは相反するような、哀しげなメロディのM-1 「Life is Wonderful」 で、アルバムは始まる。
まるで、恋愛映画の悲しいワン・シーン、そう、雨の中ヒロインが泣きながら歩いているようなシーンを思わせるような、もの憂げで切ないメロディが漂う。
続くお得意の早口ソングM-2 「Wordplay」 では、ガラッと変わってポップですがすがしい気持ちにさせてくれる。
M-3 「Geek in the Pink」 は、イントロにスクラッチなんかを入れて、ファンキーにカッコ良く決める。それにしても、オタク(Geek)のことを歌にするなんて、ムラーズさんならではだ。
美しいピアノの音色に乗せて優しく包み込むように歌う、M-5 「Mr. Curiosity」 は、後半オペラ歌手のようなビブラートのかかった歌声が流れてくる。しかし、クレジットを見てもどこにも女性歌手の名前がない。なんとムラーズさん自身が歌っていた。その歌の上手さと声の美しさに改めて感動し、後ろに流れるチェロの音色も心に沁みた。
軽快なリズム感溢れるM-6 「Clockwatching」 の爽やかなサビ・メロは、とても気持ち良くて、思わず笑みがこぼれそうになる。
M-7 「Bella Luna」 を初めて聴いた時、その切ないメロディと透明感のある美しい声が鳥肌が立つほど素晴らしく、しばらく耳から離れなかった。
続くM-8 「Plane」 でもしっとりと歌い上げ、M-9 「O. Lover」 で軽快に飛ばす。早口なのに、言葉がハッキリしていて聴きやすい。
M-9 「Please Don't Tell Her」 は、このアルバムでいちばん好きな曲。徐々に広がって行くメロディ展開が、とても優しくて温かく感じる。そしてこの曲では、語尾の “n” や “m”、“g” の発音を、強調して歌っているのがよくわかる。
ラストM-12 「Song For a Friend」 は、静かにしっとりと、そして最後の最後にクライマックスがやってきて、気持ちを高揚させてくれる。
いろいろなタイプの曲が聴ける、温かみのある叙情豊かなアルバムだ。

ムラーズさんの美しい声は、本当に癒される。そして後追いとは言え、彼の歌の上手さには感動するばかりだ。
CDで聴いて歌が上手いと思っても、実際ライヴではどうってことないシンガーも少なくないが、『We Sing, We Dance, We Steal Things』 のライヴDVD付 “Expanded Edition” の映像に、ギター一本で歌う曲がたくさん収録されていて、ムラーズさんの歌の上手さはただ者ではないということがよくわかる。
仕事の予定がわかったあと、早速今月のライヴのチケっトを購入した。一ヶ月を切っていたので、当然2階席しかなかったが、彼の歌声を生で聴けるだけで嬉しい。

Keane / Perfect Symmetry

2009-02-07 | music : favorite


約2年ぶりのKeane(キーン)のニュー・アルバム 『Perfect Symmetry』 は、80年代のエレクトリック・ポップを彷彿させるような、キラキラ輝きのあるポップ・チューンが満載。
エレクトリック・ポップと言っても、私はピコピコ・サウンドは苦手なので、そうではない部類のものだと思って頂きたい。E.L.O.に近い感じだろうか・・・。
1stは優しくて甘く、もの哀しげな透き通ったアルバム、2ndはアグレッシヴで、サウンド面でいろんな試みを施した実験的なアルバムだった。そして3rdは、とにかくポップ度全開だ。
また、ライヴ以外ではこれまで頑ななまでにギター・レスでやってきて、2ndではピアノにエフェクターを繋いで似た音を出していた。今回、ん?これはギターの音?と思ってクレジットを見ると、やはりギターだった。ついに彼らもギターの音を入れたという訳だ。
Tom Chaplin(トム・チャップリン)の美しい歌声は健在で、とてもビート感があってダンサブルで楽しい曲が多いのも印象的。いい意味で期待を大きく裏切られたと言った感じだ。凄くいい!
斬新なシンセ・サウンドのM-1 「Spiralling」 で、“フーッ” という掛け声のコーラスがあり、これまでのKeaneになかった感じなので少し戸惑ったが、すぐに馴染んだ。
M-2 「Lovers Are Losing」 のサビは、泣きメロ全開。そして一緒に口ずさみたくなるような、親しみ易くて綺麗なメロディ・ライン。
ハンド・クラッピングが入って、ちょっとおどけた感じのM-3 「Better Than This」 は、セレブに熱狂的な人達をファンキーな曲に仕上げたらしい。
アルバムの中でいちばんピコピコしているのがM-4 「You Haven't Told Me Anything」 だが、メロディーが美しいのであまり気にならない。
アルバム・タイトル曲のM-5 「Perfect Symmetry」 は、これまでのKeaneに最も近い感じの、切ない叙情的なピアノ・サウンド。途中のコーラス部分なんか、素敵すぎて涙が出そうになる。
美しいバラードのM-6 「You Don't See Me」 では、特にTomの歌声が心地良く耳に響く。
M-7 「Again and Again」 とM-10 「Black Burning Heart」 は、壮大なスケールの存在感のある曲。
ダンサブルなM-9 「Pretend That You're Alone」 では、サックスを取り入れ、ドラマチックなバラードのM-11 「Love is the End」 では、ヴァイオリンとチェロのストリングスをアレンジに加え、最後にしっとりと聴かせる。

過去にドラッグの摂取で活動を休止し、その後復帰したものの、メンタル的に完全ではなく、再び深刻な状況に陥ってしまったTomだったが、もう心配ないだろう。アルバム・タイトルが示すように、“Perfect Symmetry” つまり “完璧な調和” は、完全復帰を表しているとも言えよう。
ある意味、ひとつの殻を破って弾けているような感じがするし、幸福感も伝わってくる。
昨年のベスト・アルバムの10位に挙げたが、今なら5位くらいまで上げたいほどで、全11曲を聴き終えても尚、余韻に浸って目を閉じたままでいたくなるくらい、愛しいアルバムだ。


★ずいぶんスリムになって健康そうなTom(カッコ良くなった)がちょっと演技している、泣きメロ全開の 「The Lovers Are Losing」。
  このビデオ撮りで走って、更に引き締まったかも?(笑)



Razorlight / Slipway Fires

2009-01-25 | music : favorite


日本では、以前のような盛り上がりはちょっとなくなってしまったように感じるが、本国UKでは押しも押されもせぬ相変わらずの人気っぷりのRazorlight(レイザーライト)。
昨年11月にリリースされた3rdアルバム 『Slipway Fires』 に合わせて早くも来日し、東京公演を終えて、この後名古屋・大阪を控えている。
しかし、国内盤の発売が来日の約1週間前だったのは、少し無謀ではなかっただろうか。前回はクアトロという小さいハコだったが、連日SOLD OUTという盛況ぶりだったのに比べ、今回東京ではSHIBUYA-AX1回のみで、しかも動員はあまり芳しくないのか、AXの2階席は通常すぐに売り切れるのがずっと残っていたし、イープラスから招待メールなんかも届いていた。
ニュー・アルバムはさほど期待していなかったのだが、私の2008年のベスト10内にも入ったほど聴けば聴くほど良くなり、ライヴも行きたかったのだが、仕事の都合で行けなかった。
もちろん私のように輸入盤で聴いてる人も少なくないだろうが、やはりボートラありの国内盤を購入する人の方が多いのではないだろうか。これはレコード会社と招聘先のクリエイティブマンのスケジュール・ミスと言えよう。もったいない・・・。

さてアルバムだが、今回もまたオリジナルと国内盤とではジャケットが違う。別に変える必要はないと思うのだが・・・。
UKの1stシングルとなった、ピアノの音色が綺麗なM-1 「Wire To Wire」 でしっとりと始まる。過去2枚のアルバムとは違った出だしだ。Johnny Borrell(ジョニー・ボーレル)のVo.は、冴えまくっている。
哀愁漂うアコギが響く、M-2 「Hostage Of Love」 も美しい。エモーショナルなサビになると、これまでのRazorlightっぽさが垣間見えてくる。
ピアノ、アコギに続いてM-3 「You And The Rest」 は、ドラムのバチ捌きが軽快でちょっとコミカルなリズムを奏でるポップなナンバー。
タイトに疾走するロック・チューンM-4 「Tabloid Lover」 では、女性コーラスも入ってサウンドに厚みが出て、軽快に突っ走っている。
ゆったりとしたグルーヴを感じるM-5 「North London Trash」、ダークで寂しげなM-6 「60 Thompson」 と続き、ダイナミックなイントロのM-7 「Stinger」 では、前半は儚く歌い、最後は歌い上げる。
アルバムの中でいちばん明るいM-8 「Burberry Blue Eyes」 の、とってもポップで覚え易いメロディーは、つい一緒にくちずさみなくなる可愛い曲。こういうRazorlightが私はとても好きだったりする。
狂おしいくらいに切なく始まるM-10 「Monster Boots」。しっとりバラードかと思いきや、ドゥルドゥルドゥルドゥルルル~というドラミングが入り、ガラッと変わってアップ・テンポで突っ走って行くのが気持ちいい。
最後M-11 「The House」 は、再びピアノをフィーチャーした美しいバラードで締めくくる。

これまでとは違ってロック色は薄い感じがするが、今回とにかく目立つのが、Johnnyの歌唱力。アグレッシヴでドラマチックで、感情豊かに歌い上げるその声は、とても心を揺さぶられる。
スケールの大きい楽曲が多いが、スノッブな雰囲気があって、鋭さも持ち合わせている彼のVo.が響き渡っている。
曲の流れがとても滑らかなので耳触りが良く、聴き流してしまいがちだが、聴く度に良いな~という気持ちが大きくなって行くのを感じる。


 ボートラが5曲も入っている、国内盤のジャケット


Ben Kweller/How Ya Lookin' Southbound? Come in...

2009-01-21 | music : favorite


明日・・・と言ってももう日付が変わったので、今日1月21日、Ben Kweller(ベン・クウェラー)の4thアルバム 『Changing Horses』 が、日本先行でリリースされる。今回、日本のあとオーストラリア・ニュージーランド、次にUK及びヨーロッパ諸国、そして最後に本国USで3月3日にリリースされると言う、ちょっと変わったスケジュールである。
その前に、昨年10月に7曲入りのEP 『How Ya Lookin' Southbound? Come in...』 がリリースされた。買うのを少し迷っていたのだが、円高につられて12月にオーダーして、クリスマス休暇や年末年始を挟んだということもあり、約1ヶ月かかって先日やっと届いた。
マイスペで何曲か聴いていたが、このEPはまるごとカントリー。USの音楽市場では、今でも需要が高いカントリー・ミュージックだが、Benちゃんが演るとコテコテではなく、ポップでキャッチーなカントリーになっているので聴き易い。
そして、テキサス育ちのBenちゃんにとって、小さい頃から慣れ親しんできた音楽であろうカントリー・ミュージックを、Benちゃん流に料理している。
そしてこのEPから3曲、「Fight」 「Things I Like To Do 」 「Sawdust Man」 が、ニュー・アルバムにも収録されている。
そのM-1 「Fight」 は、とっても覚え易いメロディーで、ホンキー・トンク・ピアノやドブロのスティールが軽快に響く。
M-2 「Things I Like To Do」 は、7曲の中でいちばんカントリー色が強い。
ピアノをフィーチャーしたM-4 「Sawdust Man」 は、Benちゃん独特のほのぼのしたゆる~い歌い方のちょっと愉快な曲。
このEPは、ロード(つまりBenちゃんのツアーのことだと思う)にいそしむ人たちと、彼らを支える家族に捧げたアルバムで、曲間に車の走行音がSEで入っていたりする。
優しいタッチのM-5 「The Biggest Flower」 と、エコーがかかって美しく響き渡るM-7 「Somehow (Singlemalt version)」 の間のM-6 「F Train Blues / Gypsy Rosita」 は、1分15秒のテープ逆さ回しのお遊びっぽい曲で面白い。
プライベート・レコーディング風で、フル・レングスのアルバムとはひと味違った、リラックス度全開のアット・ホームな雰囲気の曲ばかり。
ニュー・アルバムに向けてのウォーミング・アップと言った感じだ。