今日もArt & Science

写真付きで日記や趣味を勝手気ままに書くつもり!
徒然草や方丈記の様に!
あるいは寺田寅彦の様に!

ちょっといっぷく13 メラミンと牛乳(一部追加)

2008-09-22 11:17:32 | 健康・病気

 筆者の実家は高槻市にある。阪急電車を利用して、丸大ハムの工場を窓外の添景として眺めながら、出勤・外出したものである。

  丸大食品(大阪府高槻市)が有害物質メラミン混入の恐れがある総菜や菓子の自主回収を始めた。同社は9月20日、対象商品を「抹茶あずきミルクまん」など5商品と明らかにした。メラミン混入の牛乳を製造し、死者を出した中国の大手乳製品メーカー「伊利集団」の牛乳を原料に使っており、メラミン混入事件は中国から日本へ波及してきたのである。丸大食品は「混入していたとしても微量で、健康に影響はない」としている。日中両国の検査機関で分析中で、日本は25日、中国では26日に結果が出る見通しだ。

 2007年メラミンが混入された中国企業製ペットフードがアメリカ等に輸出され、犬や猫が主に腎不全で死亡する事件が起きた。メラミンのラットでの経口投与による半数致死量(LD50)は 1-3g/kgで、メラミン自体の急性毒性は比較的低い。

 メラミンはホルムアルデヒドと反応し、メチロールメラミンを生成する。メチロールメラミンは熱硬化性樹脂(メラミン樹脂)の原料となり、生産されるメラミンのほとんどが合成樹脂用に利用される。 メラミン樹脂は耐熱、耐水、機械強度などの点で優れており、プラステイック食器などに利用されている。従って、ニュースを初め聞いたとき、メラミンと牛乳がどうしても結びつかなかった。

Mca_aggregate

 この事件ではメラミン(青)と、メラミンに含まれるメラミン合成時の副成品であるシアヌル酸(赤)が尿中で反応し、生成した結晶(シアヌル酸メラミン:メラミンシアヌレート:青がメラミン、赤がシアヌル酸、図参照)が、腎不全を引き起こしたものと考えられている。メラミンはペットフード中のタンパク含有量(窒素含有量)を多く見せかけるために混入されたのである。話はこれだけで収まらなかった。

 今年に入って、中国においてメラミンが混入した粉ミルクが原因で乳幼児に急性腎不全が多数発生した。通常メラミンは水にほとんど溶解しないが、溶解補助剤により人為的に溶解性を高めていたとされる。

 中国で汚染粉ミルクによる乳児の腎結石が最初に判明した乳製品メーカー「三鹿集団」の事件で、同省の楊崇勇副省長は17日、水で薄めた牛乳に有害物質メラミンを混ぜてたんぱく質含有量を高める不正が2005年4月から行われていたことを明らかにした。18日付の中国紙・21世紀経済報道が伝えた。 楊副省長は「不正の張本人は酪農家から牛乳を買い集めて、乳製品メーカーに売る業者。酪農家はむしろ被害者だ」と指摘。逮捕された容疑者の供述によると、メラミンは水に少ししか溶けないが、牛乳の温度を上げて、クエン酸ナトリウムや油などを加えることによって、メラミンを大量に混入していたという。 まさに開いた口が塞がらない!

 丸大ハムがこのような乳製品に手を付けたと言う事は何か流通機構における深い闇があるような気がする。