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マイクロバブルとレイリー卿

2007-08-08 15:22:35 | マイクロバブル

 

P36fig3

 

 

 

図1 スクリューにマイクロバブルが発生する様子(Phys. Today, 2003 Feb, p36)

(Photo by G. Kuiper, Marin, the Netherlands.)

 マイクロバブル研究の歴史は意外と長い。1800年代の終わりに近い1894年、イギリス海軍が初めて高速魚雷艇をテストしていた時のことである。魚雷艇のプロペラが激しく振動し、その表面が激しく腐食することを見出した。この時に、回転するプロペラの表面に多数の泡が形成されるのを目撃し(図1参照)、原因はこの泡の生成と消滅に関係があるのではないかと仮説を立てた。プロペラを大きくしたり、回転数を減らしたりするとこの泡形成(cavitation)の問題が軽減された。しかし、魚雷艇はスピードが命、しかし、スピードを上げると致命的になるというジレンマに陥っていた。ここで、英国海軍は時の古典物理学の神様、レイリー卿(本名はJohn William Strutt)にことの究明を依頼した。卿は形成した泡(マイクロバブル)がプロペラ表面で爆縮(Collapse)する際に、激しい乱流、高熱、さらに高圧力も発生することを見出したのである。モデルを作って計算した(Rayleigh-Plesset Eq.)ところ、温度が一万度、圧力が一万気圧という結果を得た。科学研究の発端は常に現実味を帯び、しかも必要性に駆られて いる。因みに、このとき、やかんの湯が沸騰する直前に発する雑音はこのマイクロバブルが弾けることによる超音波であると指摘している。

 いまやマイクロバブルの世界は物理から化学、医学、工学へと急展開を見せているが、出発はスクリューの泡(マイクロバブル)から始まったのである。

 

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