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きょうを生きて living in a moment アドラムの洞窟

できることに集中すると美しさが生まれる。

その美しさを感じて息を吸おう。

昔③

2014-12-13 14:30:25 | 日記
覗き窓を開いて


人の焼き具合を確認する。


真っ赤な炎の中に


骸骨が赤黒く光る


死後の状態についての話し合いに


なる。


何百もの死体に触れてきた男は


霊魂を信じるのだろうか?


死後に塵に帰る説明をきいて

あっさりその通りだと


認めた。


彼に言わせると


世の中で一番清潔な場所が


実はこの人焼き場だというのだ。


数百度の高熱で焼き上げてゆく窯では


すべてのウィルスや菌が死に


一番清潔な場所なのだ。


その場所ですべて灰になる。


主な灰を遺族が骨壷に納めたあと


残った骨は瓦礫のように


一箇所に集め業者が買いにくるのだ。


この人の骨灰をあらって


金歯の金や

プラチナを採取する高額ビジネスに


なるようだ。


いずれにしても

焼き上がりの窯は実に清潔な場所になる








昔②

2014-12-12 06:14:22 | 日記
死体が来る前

火葬場の中は暖かい

団欒の場だった。

ゆくといつもストーブの

珈琲を満面の笑みでいれてくれた。

そして

霊柩車の車が坂道を登る音がすると

宇田さんの顔が

急に引き締まる

(お!きたか!)

というと急に

下を向きに不幸に対する哀悼をささげ

ありがたく心づくしの封筒に入った

お金をうけとる。

丸々太った町田さんが

棺桶にいれた死体をギーッと

窯にいれて

ガチャンと閉めると


宇田さんが後ろで

鉄の棒にウエスを巻いたものに

火をつけ

ゴーッと重油が霧状に飛ぶところに

一気に火がつくと


火がついている窯の後ろ側に椅子を

並べ

さっ はじめようか


っと


聖書をひらく


寒い冬に

人を焼く火を唯一の熱源としながら

パチパチと

棺桶が燃え

死体の焼く匂いをかぎながら

死とは何か


語り合うのだ。




昔のこと

2014-12-10 17:51:48 | 日記
火葬場で人を焼く

男たちと研究したことが

あった。

山の奥深くに火葬場があり

昔ながらに重油で焼き上げてゆくのだ。


そこに2人の男たちと

1人の女性が売店をしていた。


表で恭しく死体に礼拝し


強制収容所の死体焼き場の窯みたいな

ところに死体を入れる。


奥にはいり死体の焼き加減を

時々覗き窓を観て確認しながら

聖書研究をするのだ。