撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

Pecs (ペーチ)の教会

2013-03-14 15:21:02 | 海外生活

 私の「ハンガリー教会巡り(遍路の旅)」も、とうとう、百八番札所まで来てしまった。 仏教的観念から云えば、

108という数字は大切にしたい気がするのは、やはり日本人だからだろうか?

そこで108番に相応しい教会をと思い、Pecs (ペーチ)を選んだみました。 理由? とにかく好きな街で、

おそらく、いままで訪ねた数では、一番多かったでしょう。

Pecs は、

 1. ローマ帝国の領土であった4世紀に、すでに、「Sopiane (ソピアネ)」と呼ばれていたキリスト教の中心地

    であった。 街の中心に眠る初期キリスト教霊園が、2000年12月にユネスコ世界遺産に登録をされた。

 2. 人口156,000人(2012年)は国内第5位の都市。

 3. 1009年に聖イシュトヴァーン1世によって司教区となり、1367年には Nagy Lajos によって国内最初の

    大学が創立され、ハンガリーにおいて文化と芸術の中心として位置付けられてきた。

 4. 2000年間の歴史の中で、Pecs はいつも、多民族(ケルト、ローマ、マジャール、クロアチア、ドイツ等)が一緒

    に暮らし合い、異なった文化と価値観が融合しあった町であった。 加えて、オスマントルコの占領時代の150

    年間は、ビザンチン文化の影響も色濃く、まさに国際都市として歩んできた。

    このことは、2010年に Pecs はエッセン(ドイツ)、イスタンブール(トルコ)と共に、“European Capital of

        Culture” に選ばれた所以である。 Pecs の街のモットーは、“The Borderless City”  だそうである。

               Nagy Lajos 1 世 : (1326-1382) 1342年より王位に付き、1370年からポーランドも支配、名君。

 

 街の裏山からのペーチの街

 

街の中心セーチェニ広場                    初期キリスト教霊園(世界遺産)

 

 

 <百八番札所; DÓM 大聖堂>

  11世紀に、聖イシュトヴァーン王は広い三層内陣構造、地下霊廟、オルガンの聖歌隊席、そして

  2つの西側の尖塔を創設した。 当然、これ以前にも4~6世紀には教会はあったと推定されている

  が残っている詳細な記録はない。

  14世紀のオスマントルコの攻撃により、地下霊廟を除いて、ほとんど、すべて破壊されてしまった。

  トルコ軍が撤退した後、1805~1807年に、Pollack Mihály の設計で、ネオロマネスク様式で再建

  された。 現在、見ることのできるものは、1882~1891年に改修されたものである。

   Pollack Mihály ; 1773-1855 ウィーン生まれのクラシック様式の建築家で数多くの聖堂の建築を手掛けた。

 

4隅に建つ塔の高さ60m、建物の長さ70m、幅22m。   西側からの大聖堂

 

 

 東側(祭壇側)からの大聖堂

 

 塔の下に飾られた彫刻

 

 北側の高台にある “哲学の道” からの大聖堂

 

内外から著名な画家、彫刻家、職人を集めた内部装飾品は輝かくものばかり。

 主内陣祭壇側             主内陣入口側

 

 

 翼内陣天井のフレスコ画                   説教台

 

 

 地下霊廟入口          地下祭壇

 

 

<百九番札所; Gázi Kaszim Pasa Dzsámi (ガーズィ・カスィム・パシャ・ムスク)>

  13世紀中期に、ここに建てられていた聖Bartalan 教会を壊して、1543~1546年に、Gázi Kaszim の

 命令によりオスマントルコのモスク(イスラム教会)が建立された。 

 南東側の壁に設置されている手水鉢と建物の窓形状はトルコ建築を代表するものである。

 オスマントルコ軍の撤退後は、カトリック教会として現在も使われており、1702年と1766年に改修施工し、

 1939~1942年には北側半分を増築したので、南側が当時のイスラム教のものである。

 

 セーチェニ広場に佇むモスク                窓はイスラム建築の典型

 

 

祭壇の位置は真ん中で、信者の席は向こうと手前。   イスラム教の聖具(くるくる回る筈)

 

 

 円形劇場のような信者の席                  南東の壁にある手水鉢

 

 

 内陣の天井に描かれたフレスコ画 (大分、カトリックとは趣が異なる)

 

 

  これで、「Pecs (ペーチ)の教会」はお終いです。

 

  本ブログでは、「ハンガリーの教会巡り」の五十七番札所から掲載しております。

  五十六番札所までは、「バラトン遍路の旅」と称して、下記、ホームページに記載しております

  ので、興味ありましたら、ご覧下さい。    http://invitelweb.hu/otsuka

 

 

・ 「バラトン遍路の旅」