撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ブダペスト市内の教会

2013-03-08 02:00:13 | 海外生活

 ブダペストについては、多くを語る必要はあるまいし、旅行ガイドブックに任せる方が得策だろう。

本当の気持ちとしては、古刹を巡り歩く旅人にとっては、ブダペストの教会は大き過ぎ、古い物もあまり残って

いないので、興味も薄いことはいがめない。 

そこで、ガイドブックには、あまり出て来ない教会を以下、三つ紹介しよう。

 

<九十九番札所; Nagyboldogasszony Plébánia (聖母マリア司教会)教会>

 遠いローマ時代の頃、ドナウ河畔のこの場所に城があり、城の南側に古い聖母マリア礼拝堂があったのが、

 この教会の始まりである(1200年代)。 ブダとペストで最も古い教会である。

 ジグモンド王の時代(1400年代)に、新しい三層内陣、ぐるりと周囲を回れる祭壇、対角線リブのアーチ天井を

 持った教会が建てられた。

 マーチャーシ王の時代(1480年代)に、ゴシック様式の礼拝堂と南側に新しい内陣を追加した。

 トルコ占領時代は、臨時的にモスクとして使われていた。 それはペスト側に唯一残ったキリスト教会であった。 

 トルコの撤退により、内部の遺物はすべて持ち去られ、教会は空となり廃墟化してしまった。

 1686年に Széchenyi György 大司教が再建、幸いなことに、建物は破壊されていなかった。

 内陣と正面部分(バロック様式)は、1725~1739年に改築した。 その後、1946~1947年の改修したものが、

 今日見ることのできるものである。

 

 エルジェーベート橋のたもとに佇む教会(白くライトアップされている)

 

 教会の間取りと歴史パネル       西側からの教会外観

  

 

 教会正面                            北東側からの教会

 

 

 正面飾り彫刻                           窓(ゴシック様式)

 

 

 西側からの教会

 

 北側(祭壇側)下部         北側(祭壇側)上部

 

 

 主内陣               翼内陣

 

 

 主内陣(入口側)

 

<番外; Szt. Margit (聖マルギット)教会>

 教会は、1920年に建った、まったく新しいものである。

 何故、取り上げたかは、「ブダペスト郊外の教会(1)」で掲載した Zsámbék (ジャーンベーク)教会

 のコピーであるからである。

 István Möllers は、13世紀に建てられたプレモントレ修道会のZsámbék 教会を復活させるために、

 この教会を建てる際のモデル(デザイン、工法)とした。 建物はネオ・ロマネスク様式と呼ばれている。

 教会は1923年に独立司教区となり、活動を始めた。

 教会のロケーションは、近代的に生まれ変わった西駅付近にあり、教会の立派さからブダペストの

 新しいシンボルになりつつある。

 

 

 

 

 

 主内陣(祭壇側)                        主内陣(教会入口側)

 

 

<百番札所; Szt. Anna (聖アンナ)教会>

  ロケーションは、Batthyány (バッチャーニィ)広場、国会議事堂の対岸と云えば判りやすい。

  この付近には、いくつかの教会が点在している。

 

 バッチャーニィ広場より国会議事堂を望む

 

 聖アンナ教会は、1740年に Hamon Kristóf の計画で建築が始まり、1761年に完成した

 カトリック教会(イエズス会)である。

 ブダペストの中では、最も美しいバロック教会建築と評されている。

 その後の200年は、戦争、水害(ここはドナウ川がよく決壊した)、地震に見舞われ続け、

 老朽化が激しく、安穏な教会の歴史ではなかったが、1970~1984年には改修され

 現在に至っている。

 

 北側から見た教会

 

 

                          壮麗なバロック様式の内陣と天井のフレスコ画                           

 

 

 祭壇(大理石と金箔のレリーフ)     側壁

  

 

  西側門                                   聖アンナ像

  

 

 これで、「ブダペスト市内の教会」はお終い。