撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

「バラトンの車窓から」(17)バラトンフェニヴェシ~セントジュルジ

2013-11-28 01:12:21 | 海外生活

 この辺りは、車窓からは湖が見え隠れする程度の風景が続く。         晩秋時期(2013.10.29)

 

バラトンフェニヴェシ (Balatonfenyves) 湖畔、向こうにはフォニョード (Fonyód) の丘。   2013.11.27撮影

 

バラトンマリアフルドー (Balatonmáriafürdó) 埠頭。  風の強い日はまさに海のよう。   (2013. 11.27撮影)

 

バラトン湖には、白鳥と鴨、そして湖畔より離れた平原には、ハンガリー特有の灰色牛に出会うだろう。

 

 

 ねじれた角を持つラッカ羊もハンガリーの特産である。 マンガリッツァ豚も特産であるが撮影の機会に恵まれず。

 

列車はフォニョードを出ると、アルショウベーラテレップ駅、バラトンフェニヴェシ駅、フェニヴェシアルショウ駅、

バラトンマリアフルドー・アルショウ駅と通り過ぎると、バラトン西端はもうすぐそこに迫る。

  アルショウベーラテレップ (Alsóbélatelep) 駅          バラトンフェニヴェシ (Balatonfenyves) 駅

 

 

 

 フェニヴェシアルショウ (Balatonfenyves-alsó) 駅      マリアフルドー・アルショウ (Balatonmáriafürdó-alsó)

  

 

バラトンマリアフルドー駅を過ぎるとバラトン湖畔沿いの町としては最終のバラトンベレーニィ駅で、そこからは

湖畔に別れを告げ、内陸部に入って行く。 そしてバラトンセントジュルジ駅でバラトン湖周遊の旅は終わる。

  バラトンマリアフルドー (Balatonmáriafürdó) 駅        バラトンベレーニィ (Balatonberény) 駅

 

 

 バラトンセントジュルジ (Balatonsentgyörgy) 駅         列車はバラトン湖からナジカニジャ (Nagykanizsa)に

                                      向かって走り去る。

 

この周辺の教会; 

 ① バラトンケレストール教会 ; ローマカトリック司教区教会であり、オスマントルコ軍によって中世の教会は焼失し、

   1753~1758年にバロック様式で再建されたものが現在に至る。

 Balatonkeresztúr 教会        18世紀のフレスコ画 (Anton Maulbertsch作)とロココの説教台が残っている。

         

 

 ② バラトンベレーニィ教会 ; ローマカトリック教会でオリジナルは15世紀にゴシック様式で建立されたが

   18世紀にバロック様式で改築された。 塔は1800年代に追加された。 オリジナル時のゴシックの窓と

   南門は残されている。

 

 

     ゴシックの窓                           南門

 

 

 ③ バラトンセントジュルジ教会 ; アルパード王朝時代より、すでに、この地にあったと言われ、

   オスマントルコ軍によって破壊された後は、石造りの礼拝堂のみが使われ続けたが、1923年に

   現在の教会が脇に建てられた。                   裏手に残る礼拝堂

 

 

お薦めビュー・スポット; バラトンベレーニィ駅前湖畔からの対岸風景

 ① シグリゲット (Szigliget) とバダチョニの丘....「バラトンの車窓から」(11)で触れた対岸からの眺めとの対比。

 

 ② ケストヘイ (Keszthely) の町並みを望む。                       2013年10月23日撮影

 

   ケストヘイのホテル群とフェシュテティッチ宮殿を望む。                2013年11月27日撮影

 

イベント紹介; 行楽ミニ列車がシーズン中、一日数本、Balatonfenyves~Somogysentpál 間を走っており、

          9月の第1週末には、Kisvasút Nap (ミニ列車祭り)があり、子供達やマニアで一杯になる。

   バラトンフェニヴェシ駅 (MÁV) の脇に専用発着所がある。

 

  

 

 これでバラトン湖を一周197kmのMÁV(ハンガリー国有鉄道)の旅を終着とします。

  ・バラトン北岸沿線; Balatonakarattya ~ Tapolca =84 km、Tapolca ~Balatonsentgyörgy =35 km

    ・バラトン南岸沿線; Balatonaliga ~ Balatonsentgyörgy =78 km

 貴方に気に入って戴いたのは、バラトン北岸沿線? それとも南岸沿線?

 貴方なりの取っておきのビュー・スポットを探し求めて下さい。

 いつか、マッチ箱のような駅の片隅で、貴方を見かけたら声を掛けましょう、“Jó napot kivánok!” って。

 

 「バラトン遍路の旅」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「バラトンの車窓から」(16)バラトンボグラール、フォニョード

2013-11-17 03:34:15 | 海外生活

 バラトンフルドヴァール (Balatonföldvár) を出た列車は、バラトンサールソー駅、バラトンセメシ駅

バラトンレッレ駅を駆け抜け、バラトンボグラール駅に到着する。

     バラトンサールソー (Balatonszárszó) 駅       バラトンセメシ (Balatonsyemes) 駅

 

 

 バラトンレッレ・フェルショウ (Balatonlelle-felsó) 駅      バラトンレッレ (Balatonlelle) 駅

 

 

 この近郊で最も大きい町バラトンボグラール (Balatonboglár 人口6000人) に到着。

 

 

 町の特徴は、町中心部のすぐ背後にある展望台、遊園地、霊園が多くの観光客を集める、バラトン湖の

ワイナリーとして近年人気上昇中。 展望台から見た町の中心部と向こうにフォニョード (Fonyód) の丘を望む。

 

 展望台からは対岸のバダチョニ山も望むことが出来る(この日は残念ながら、霧が深く、視界がきかず。)

 

 展望台と山中を走るコースター等、遊具を揃えた遊園地は、子供達に大人気。

 

 

 新しい教会と礼拝堂、墓地は山の半分を使い、老若男女、幼児と全世代で山を共有できる都市計画には称賛。

 新しい礼拝堂と向こうには教会。   新しい教会の隣にには、13世紀に有った教会の基礎のみが残っている。      

         

 

急行列車はフォニョードリゲット駅を通り過ぎ、フォニョード駅に到着。(ブダ南駅から2時間22分)

  フォニョードリゲット (Fonyódliget) 駅              フォニョード (Fonyód) 駅構内

 

 

 あれは何時頃の事だっただろうか? 1999年の夏の暑い日だったような? 坂道を降りたバス停の前で

麦わら帽子を被った好好爺然としたKさんが手を振って合図しながら迎えてくれた。 Kさん夫妻の家を訪ねた

あの日が最初で、最後の出会いになってしまったが、以後、ここに来るたびに、あの麦わら帽子姿が立って

待っていてくれるような気がしてならない。 そして、ここが私の取っておきのビュースポットになってしまった。

Kさん、里帰り(第二の故郷としての)はどうですか? 今度は私が麦わら帽子を被って待っていましょう。

  坂道を登った所がバラトン随一のビュースポット。      

 

 

   左よりバダチョニ山(438m)、グラーチ山(393m)、チュンゲ山(311m)。

 

  グラーチ (Gulács) 山は、まさにバラトンミニ富士。

 

 フォニョード埠頭からバダチョニ (Badacsony) 山を望む。

 

 フォニョード湖畔から

 

この近辺の教会; 湖畔沿いには少ないが、平原部には、中世の美しい教会が点在している。

              詳しくは、ホームページ「バラトン遍路の旅」を参照下さい(巻末にリンク有り)。

 ① バラトンセメシ教会(12世紀建立)            ② テレキ (Teleki) 教会 (13世紀前に建立)

 

 

 ③ ラディ (Rádi) 教会遺跡 (13世紀建立)      ④ ギュジ (Gyugy) ローマカトリック教会(900年頃建立)

 

 

 ⑤ ブジャーク (Buzsák) 白いチャペル(13世紀建立)    ⑥ 現役のブジャークRK教会(1791年建立)

 

 

お薦め観光スポット; 

 ① ブジャークの古民家と刺繍の里、古民家の中で刺繍を即売。

 

 

 ② ショモジ城跡 (Somogyvár) : 10世紀のアルパード王朝時代に造られた。

 

 

      これで、「バラトンの車窓から」(16)バラトンボグラール、フォニョードは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

 

 

       

 

 

 

 

 


「バラトンの車窓から」(15)ザマーディ、バラトンフルドヴァール

2013-11-09 22:05:44 | 海外生活

 シオーフォク (Siofok) を出た急行列車は、ザマーディ・フェルショウ駅は通過し、ザマーディ駅

に停車する。 ザマーディ駅は、対岸に渡るカーフェリーの出ているところ(サーントード Szántód) の

最寄りの駅である。 普通列車ならば、サーントード・コルシヘジ (Szántód-kőröshegy) 駅の方

がちょっと近い。

    ザマーディ・フェルショウ (Zamádi-felsó)         ザマーディ (Zamádi) 駅      

 

 

 サーントード・コルシヘジ (Szántód-kőröshegy)駅         カーフェリー発着所 

 

 

  サーントード (Szántód) 埠頭から眺めるティハニー (Tihany) 半島

 

 ティハニーからのフェリーとクラブティハニー(4つ星ホテル) フェリー料金; 乗用車1670Ft. 人580Ft. 自転車270Ft.

 

ザマーディの教会 ; ローマカトリック教会で1771~1774年にバロック様式で建立された。

               歴史的価値には乏しいが、当時の祭壇壁画、説教台、洗礼鉢が残っている。

                 

 

ザマーディの一押しビュースポット; クーヘジ (Kő-hegy) 展望台   教会付近の旧中心部

 

 

      

    ザマーディの湖畔とティハニー半島

 

    ティハニーの修道院教会と更に、向こうにバラトンフレドの町並みが望むことが出来る。

 

 次の到着駅は、バラトンフルドヴァール (Balatonföldvár) で急行列車は停まる。

町の人口は約2300人で大きくはないが、バラトン湖南岸沿線で最も多くの富裕層観光客を集める地域では

なかろうか?  豪華で、綺麗なホテル、ペンション、アパートメントがとにかく多い。 

多くの観光客を集める為、駅舎は可愛く、駅前は綺麗に整備されている。

     バラトンフルドヴァール駅                   右側が駅舎で左側が教会である。

 

 

 駅の反対側は、自動車道路、自転車専用道路、線路が3本並行に

真っ直ぐ、走っており、素晴らしいプロムナードを提供している。       バラトンフルドヴァール埠頭

                

 

 向こうに望むはティハニー半島、ヨットハーバー、フェリー発着所と良質な埠頭になっている。

 

バラトンフルドヴァールの教会; クールシヘジ (Kőröshegy) ゴシック教会

 15世紀にゴシック様式で修道院と共に建てられたが、1530年オスマントルコ軍の襲撃で建物は完全に焼失し、

 修道士達は逃げ去ってしまい、トルコ軍が去った後、18世紀に現在の教会のみが再建された。

      

 

高速道路M7の建設で最も難工事(橋梁建て)であった区間。 教会脇の広場より、羊と共に眺める。

 

 クールシヘジ (Kőröshegy) ゴシック教会脇の広場で草を食むヒツジの群れ。

 

お薦めレストラン; Kukorica Csárda (直訳でトウモロコシの宿) 

 駅から真っ直ぐ、国道7号線に向かって、国道沿い。 夏場は民族ダンスをやっている。 郷土料理が美味しい。

    

 

 

 

   これで、「バラトンの車窓から」(15)ザマーディ、バラトンフルドヴァールは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

 

 

 

  

 


「バラトンの車窓から」(14)シオーフォク

2013-11-05 18:46:11 | 海外生活

 バラトン最大の町シオーフォク (Siófok) は、人口25,000人であるが、夏場(6~8月)には近郊を合わせると

100万都市に膨れ上がると云われる。 その為か駅舎も立派で、駅前の中心街は数年前に大改造された。

 

駅舎と向かって右側にバスターミナルが繋がっている。   給水塔(高さ45m)は1912年からの町のシンボル。

  

 

お薦めレストランとケーキ屋さん; ①と②は駅前の中央広場の角にある。

 ①イタリアン “Bella” は本場仕込みでスパゲッティ    ②ケーキ屋 “MARCIPÁN” はいつも満員で

   の麺に腰がある。                          夏場は脇にテラスができ、路上を賑わす。

      

 お薦めケーキは “Tönkölybúzás”  160Ft. と安く、マーコシ(ポピーの種子)のトッピングで甘さ抑えた日本人好み?

 

 

 ③ 駅からは、ちょっと遠いが行く価値ありのハラスレーの美味しいレストラン; “Öreg Halász” (ウレグ ハラス)

   淡水魚の臭みが全くなく、量も多いのでパンを添えて貰うだけで昼食には充分であろう。

   オーダーする時に、タマゴを入れてくれと頼むと、鯉のタマゴが賞味出来る。 ハンガリー随一の味かも?

 

 

シオーフォク駅構内(480系気動車はブダペスト南駅からの急行列車(6両編成)     2等車内模様

 

 

シオーフォクの教会;

 ① ローマカトリック教会  現在の物は1903~4年に建て替えられたもので、オリジナルはバロック様式で

   1737年に聖母マリアを祀って建立された。       教会内部(祭壇側)

                

 

                                  ② ルター派プロテスタント教会 ; 1991年に建てられた            

  教会内部(入口側)                     新しい教会であるがユニークなデザインで人気を呼んでいる。

       

 

バラトン最大の街に相応しく、夏場は路上の屋台、店には多くの観光客が集まる。 湖畔には湖水浴客で賑わう。

 

 

 夏に賑わった湖畔もシーズンが過ぎると、替わって白鳥と鴨の賑わい。    2013年11月3日撮影

 

 シオーフォク港の入口、向こうに望めるのはティハニ半島。

 

港内から多くのフェリー、遊覧船が発着する。

 

シオーフォクを出ると普通列車が停まる次の駅は、バラトンセープラク・フェルショウ (Balatonszéplak-felsó)

その次が、バラトンセープラク・アルショウ (Balatonszéplak-alsó) である。

  バラトンセープラク・フェルショウ駅                  バラトンセープラク・アルショウ駅

 

 

  

 

      これで、「バラトンの車窓から」(14)シオーフォクは、お終いです。

 

 

「バラトン遍路の旅」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「バラトンの車窓から」(13)バラトンアリガ、ビラゴシ

2013-11-02 19:08:39 | 海外生活

 バラトン湖の南回りの玄関口は、バラトンアリガ (Balatonaliga) である。

駅の真下には、クラブアリガという風光明媚な湖畔と港、宿泊施設を持った特別ホリデーリゾート区域がある。

第2次世界大戦後にソ連共産党のホリデーリゾートとしてバラトンビラゴシ (Balatonvilágos) 側を、又、

ハンガリー政府のリゾート地としてバラトンアカラッチャ (Balatonakarattya) 側を特別に隔離使用していた

ので湖畔道路は一般車両の通行を規制している。 この政府の私有化はバラトンアリガとバラトンビラゴシが

統合する2006年まで続いた。 最近では、内部の湖水浴場、ホテル、港が一般にも開放され始め、年々、

一般保養客が増えて来ている。 但し、湖畔道路はどういう訳か、依然として規制されたままである。

二つの村を合わせた人口は約1200人で、2013年よりVesprem 県からSomogy県に管轄は移った。

 

 森の中に佇むバラトンアリガ駅                  駅の向こう崖下に広がるクラブアリガ

 

 

セーケシフェヒルヴァール (Székesfehérvár) からの     駅から降りたところにお薦めレストラン;

普通列車(431系気動車で3両編成)              “HÁRSFA (ライムの木)” バラトンの魚料理が良い

 

 

 バラトンの南回り路線で高台を通るのは、この辺だけなので、車窓からの眺めはこの辺が一番だろう。

 向こうに望むはシオーフォク (Siófok) の街である。

 

バラトンアリガとバラトンビラゴシの間にある広大な広場は、人々にやすらぎと憩いを提供してくれている。

 

 森に包まれたクラブアリガ

 

アリガ~ビラゴシ間を走る列車(431系気動車)                                 2012年1月9日撮影

 

 雪の中を頑張る431系気動車;                                 2012年2月5日撮影

 431系は姉妹車V63型と共に、インターシティ、ユーロシティで今も活躍中(1960年代から)

 

静かな散歩道(勝手に名付けた哲学の道)と名物になっている貯水池

 

 バラトンビラゴシ(Balatonvilágos) 駅              サバデショシトー (Szabadisóstó) 駅

 

 

 サバデショシトー駅の前に無料の湖水浴場がある。    サバデフルドー (Szabadifürdő) を過ぎると次は

 無料で設備の整っているのは、ここだけ。           バラトン最大の街シオーフォクである。

 

 

駅名 (Szabadifürdő) を直訳すると「自由浴場」となり、駅前に温泉があるが、自由と云えどもタダではない。

バラトンにある公共温泉は2つ有り、ひとつは有名な「ヘーヴィーズの温泉湖」と、もうひとつはここである。

バラトン湖の水が冷たい季節は、ここでの入浴も格別のお薦め。  (料金は2400Ft/3H, 2900Ft/日)

 

 

 

     これで、「バラトンの車窓から」(13)バラトンアリガ、ビラゴシは、お終いです。

 

「バラトン遍路の旅」

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