撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

Pecs (ペーチ)郊外の教会(2)

2013-03-19 16:30:26 | 海外生活

  今回は、Pécs (ペーチ)の市街より南下し、クロアチア国境沿いに向かいます。

 <百十六番札所; Pécs-Málom Szt. József (聖ヨージェフ)教会>

  教会は、12世紀にロマネスク様式でまず、内陣の建屋が創設された。

          (1) その時の物(ロマネスク)が残っているのは、南門、とその上の細長いスリット窓と

             半円形の祭壇部分である。 (茶色壁の建物部分)

        16世紀以降に改築または増築されたもの(白色壁の建物部分)

          (2) ゴシック様式の内陣を西側に延長。 新しいゴシックの門を(上部がアーチ形)追加。

          (3) バロック様式の平べったい塔を作った

        19世紀(1840年)には、北側の建物部分を改築した。

     中世の三つの建築様式(1)、(2)、(3)を巧みに組み合わせた、かわいい教会である。

 

 

 

 北側は後に改築した(1840年)              南門、窓の建築様式比較も面白い。

 

 

 祭壇側外観               内陣(祭壇側)

 

 

 祭壇のフレスコ画は13世紀に、使者達をテーマに天井一面と祭壇の壁に描いた。

 残念ながら、かなりの部分が判明できない保存状態である。

 

 使者の絵(これが最も良い保存状態)              説教台

  

 

 <百十七番札所; Túrony (トゥーロニ) カルビン派教会>

  教会は、アールパード王朝時代のもので、今日では改革派(カルビン)の教会として使われている。

  内陣(祭壇含む)は、14世紀にゴシック様式で建てられ、18世紀にバロック様式で再建された。 

  塔は1827年。 教会を改革派が使う時に 祭壇、壁画は何処かに処分したので、現在は祭壇内は

  みすぼらしい限りである。 財政的に厳しく、現在、世界モニュメント復興事業団にサポートを申請中。

 

 

 

                                 内陣(祭壇側)

 

 

 内陣(入口側)                     祭壇に調度品、壁画はなし。

 

 

 <百十八番札所; Siklós vér Kapolna (シクローシュ城内礼拝堂>

  13世紀に建てられた中世の古城の中に、興味深いフレスコ画が保存されている礼拝堂がある。

 

 Garay (ガライ)城                        礼拝堂の入口

 

 

祭壇(典型的なゴシック建築の天井である)  内陣内のアーチ形の支柱もゴシックの典型

 

 

 かなり保存度の良いフレスコ画が内部に残っている。

 

 

 <百十九番札所; Siklós Ference (シクローシュ・フェレンツェ)教会>

  教会は、14世紀の初めに、アウグスティノ会の為に建てられたものを、のちにGaray家(城の所有者)

  によって、1410年に改装された。 その際、ゴシック様式の祭壇にフレスコ画を飾った。

  このフレスコ画が、なんと云っても一番の特徴であり、非常に保存度が良く、鮮明で、おそらく、国内随一

  の美しいフレスコ画であろう。 祭壇以外の建屋は1700年代の初めにバロック様式で改築された。

 

 北西からの眺め         北からの眺め

 

 

 内陣(祭壇側)          祭壇の天井(ゴシック様式)

 

 

祭壇の窓を飾るフレスコ画   祭壇の右横のブースの中に描かれた使者達の絵

                    (真ん中が聖アウグスティヌス)

   

 

 内陣(入口側)....バロック様式               説教台(ロココ様式)18世紀後半に改修     

 

 

   これで、「Pécs (ペーチ)郊外の教会(2)」はお終いです。

 

 

「バラトン遍路の旅」