撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

バラトン湖をスケッチ(10) ラベンダーの園

2020-06-23 00:01:58 | 海外生活

 バラトン湖は気候が北海道の富良野に似ているせいか(と自分勝手に思い込んでいる)

ラベンダーの栽培が盛んであり、最近は村おこしなのだろうか役場と協業した

ラベンダー園をあちこちで見掛ける。

今日はバラトン湖周辺で最大と言われているラベンダー園を昨年に引き続き訪れて、

スケッチをしてみた。  ちなみに昨年はバラトンそぞろ歩き(18)...投稿日2019/06/23

にて紹介していますが、2020年版として捉えて戴きたく思います。

  

 

<ロケーション>

 

 ● 高速道路M7の出口手前から見たクルシュ・ヘジィ (Köröshegy) 村

                                Jun. 15 2020

        高速道路の高架橋の上からの絶景スポットより

 

 ● クルシュ・ヘジィのラベンダー園内

 入口                             Jun. 15 2020

  スケッチした場所。 向こう岸にティハニ半島の一部が望める。

 

 

 蝶や蜂たちにとっても素敵な楽園なのだろうなあ。

 

 ここがとっておきの場所のようだが最盛期まで、まだ一週間は必要であろう。

 

<補足>

 ● 中世の教会スケッチ

 ローマカトリック教会 (Köröshegy Szent Kereszt templom) 

    通称は地図の中でもゴシック教会と記されている。

  

   中世の教会スケッチは、24件目(目標176箇所)

                               Jun. 15 2020

  15世紀後半の創建であるからオスマン帝国の進出以前からで、ゴシック様式で

 建てられた。 現在の姿は1970年に修復された物である。

 内部も含めて、これといった特別の物はない。

 教会脇に修道院もあったがオスマン帝国軍によって破壊され、今はない。

  Jun. 15 2020

                                                                                                                  Jun. 15 2020 

  教会横の平地は羊たちの食堂だ。

                               Nov. 08  2013

 

<蛇足>

  この時期が非常に忙しくなるのは、我が庭にあるラベンダーとサクランボの収穫

 時期が重なるからで、サクランボはジャムに、ラベンダーは防虫剤や部屋の香料の

 ために摘み取るのだが、毎年大半は廃却処分となってしまう。

 でも翌年の花の生育を思うと、素人考えではあるが、なるべく多く摘み取った方が

 良いのだろう。 楽しませて貰った分、後処理も大変。

                                    Jun. 10 2020

                              

                                                                                                                      Jun. 16 2020

 

  これにて「バラトン湖をスケッチ(10)ラベンダー」は、お終いです。

  本ブログへのご訪問、有難うございました。

 

 

    

 

 

                                                                                         

 

 

 

 


エステルゴムをスケッチ

2020-06-15 01:43:23 | 海外生活

 前回はセンテンデレの街をスケッチしたが街道(国道11号線)を北にそのまま進むと

ドナウ川にぶつかり、川沿いを暫く辿るとエステルゴムの街になる。

ここまではブダペストから45Km ほどの距離である。  エステルゴム (Esztergom) は

ハンガリー建国の祖とも云うべき町であり 1001年1月1日に初代の王イシュトヴァンが

戴冠式をやった所で、丘の上に宮殿と聖堂を造り、ハンガリーのカトリック教会の中心的な

役割と972~1249年までハンガリーの首都の役割を果たして来た。

 

  

 町の歴史及び大聖堂の特徴については、本ブログで以前に紹介した (2013/03/10投稿)

したので興味がございましたら、ご参照願うとして、ここでは簡単に参考まで。

 

1.大聖堂

  国王イシュトヴァン1世によって1000年頃に聖アダルベルト教会として創立され、

 オスマン帝国の攻撃で破壊されたが1822~1869年に新古典建築様式で再建された。

 ハンガリーで最も大きな教会でハンガリーカトリック教会の総本山である。

 ドームの高さ 71.5m 、1856年リスト (Liszt Frenc) によって大聖堂のこけら落としの

 為、ミサ曲「ミサ・ソレムニス」が提供された。

                             Jan. 05 2008

 

  主祭壇に掲げられている ミケランジェロ・グリゴレッティの「聖母マリアの被昇天」

は大きさが13×6.5mで、世界で最も大きい1枚キャンバスの油絵である。

 

 見上げると天井には壮大なフレスコ画が、

 

 祭壇の対面、一万本のパイプオルガンはこれまた世界最大と言われている。

 

  翼内陣に嵌め込まれたバコーツ (Bakócz) 礼拝堂は、オスマン帝国の攻撃で破壊さ

 れることを恐れ、1600個に分解・保管しておき、大聖堂が再建された時に復元した

 という逸話物で最も古い宝物。

  

 

 丸ドーム(直径53.5m)の展望台からの眺めは、

 ● 南西の方角にエステルゴムの市街地 (Down town)                         Nov. 06 2012

 

 ● 南に目を転じると聖イグナック教会と旧市街地 (Water town)

 

 ● 西の方角にドナウ川を挟んでスロバキアの町シュトロヴォ市が望める。

  橋はマリア・ヴァレリア橋で第二次世界大戦でドイツ軍の撤退時に破壊され、

  2001年に再建されるまでの半世紀以上も破壊されたまま放置されていた。

 

 ● 北方角には蛇行を続けながら、ドナウ川はブダペストへと下って行く

 (最終的にはブダペストは南になるのだが)

 

  隣に城と王宮があったが、オスマン帝国の攻撃で、地下に埋もれてしまい、

 現在も発掘作業が続けられているという。 以下は12世紀末の城と王宮の想像図。

  

 

<ロケーション>

 

2.ヴィシェグラード要塞 (Visegrádi vár) と王宮 (Király palota)

  エステルゴムに着く手前にハンガリーの建国でもう一つ歴史的に重要な城と王宮

 遺跡がある。 要塞からの眺めは「ドナウの曲がり角(ドナウベント)」と呼ばれ、

 ドナウ川は90度、南に曲がりハンガリーの国土を縦断して行く訳であるが、この

 眺めをハンガリーで一番美しいと言う人も多い。

  

 

  要塞はフェッレグ・ヴァール(雲の上の城という意味)、1250年頃に造られた。

 アルパート王朝の衰退後にナポリのアンジュー王朝から来たカーロイ王の時代

 (1308~1342年)からマーチャーシュ王の時代(1458~1490年)にこの地で

 ハンガリーの全盛時代を築いた。 しかし1526年のオスマン帝国とのモハーチの戦い

 での敗北後は、ハンガリーの政局は斜陽に転じる。

 

● フェリー乗り場よりヴィシェグラード要塞を見上げる(高さ333m)

                                                                                                             Jan. 12 2008

 

 ● 要塞への登り口                        Jan. 12 2008

 

 ● 「ドナウの曲がり角(ドナウベント)」            Nov. 07 2012

 

 ● 要塞入口より眺める向こう岸はハンガリーのナジマーロシュ (Nagymaros) 村

   Jan. 12 2008

 

 ● ヴィシェグラード要塞の麓には、王宮 (Király palota) が建てられ、そこはオスマン

 帝国の来襲までは桃源郷のような宮殿であったという。        Jan. 12 2008

 

 ● オスマン帝国の支配時代は使われることなく廃墟化していた。

 ハプスブルク帝国(オーストリア)からの自由戦争(1703~1711年)の時に、

 要塞と共に破壊され埋められてしまった。

 1934年から今もなお発掘が続いているが当時の想像図では、

                     ヴィシェグラード博物館展示場にて

 

    これにて「エステルゴムをスケッチ」は、お終いです。

    本ブログへのご訪問、有難うございました。

 

 

 

 

 


バラトンそぞろ歩き (28) 遅咲きのバラ 

2020-06-07 11:43:53 | 海外生活

 バラトン湖で薔薇の駅と親しまれているアルショウ・ウルシュ (Alsóörs) ... Alsó- って

下という意味で、上という村も山手の方にあります。 felsó- って言います(余談).....

のバラがようやく咲き揃った。

駅前から国道71号線と歩道の間に1㎞ ほど色とりどりのバラが植え込まれている。

例年は5月下旬が満開時期であったが、今年はコロナウイルス騒ぎの影響がここにもか?

(外出自粛で整備が遅れてしまったようだ)

 

<スケッチ>

  

  

   こんなにいろんな色が一緒の所に咲くことはないが、ここにあるバラの色を

   を一緒に描いてみた。

 

  

 

 線路横の土手の上に、線路と並行に植えられている。

           以下の写真は、Jun. 03 2020 に撮影したものである。

 

 道路上から見ると、

 

 ● スタンダードの単色では、

 

 ● シンプルな単色も良いけど、ツートンカラーもシックですね。

 

<ロケーション>

 

 ● もう一つの推奨したい所は、駅の手前にあるフェリー乗り場横の公園;

   薔薇とヨットと湖と....一日はオーバーかも知れないが、半日は確実にノンビリ

  寛げるであろう。

 

  これにて「バラトンそぞろ歩き(28)遅咲きのバラ」は、お終いです。

  本ブログへのご訪問、有難うございました。

 

 

 


センテンデレをスケッチ

2020-06-03 22:58:19 | 海外生活

 センテンデレ (Szentendre)はブダペストの北の避暑地として、南のバラトン湖とよく

比較される。 ブダペストから20Kmという距離的利便性に恵まれて、センテンデレは

四季を通して外国人観光客も圧倒的に多い。 歴史的な経緯よりセンテンデレは小さな

国際都市と言えるだろう。(人口は28,000人程度であるが)

そういう風土と通勤可能距離ということもあり、住む日本人の数も多いと聞く。

かつて2度、このブログで取り上げている (2013/03/07 & 2018/10/13投稿 ) ので、街の

成り立ち等はそちらを参照して戴き、簡単に云えば有史来の古い街、とりわけ16世紀

にはハンガリーの中のセルビア人街として栄えた。

オスマン帝国の支配時代には衰退したが、彼等が去った後は再び以前のようにドナウ川を

辿って、セルビア人、クロアチア人、スロヴァキア人、ドイツ人、ギリシャ人が入植を始

めた。 18世紀には人口の90%が外国人であったが、今では同化し90%以上が

ハンガリー人となっている。

 

<スケッチ>

 左の建物は市庁舎、真正面は街で一番古いローマ・カトリック教会である。

  

  異国の人々が、自分達の信仰する教会を建てたので、小さい町にも拘わらず教会の数

 が非常に多く、又、絵画、陶芸といった芸術家の多くが住む街としても知られている。

 

<ロケーション>

  

  

  避暑地には水が重要なファクターであるが、バラトンには湖が、ここには

 ドナウ川である。

 

① 聖ヤーノシ司教教会 (Kereszteló Szent János plébania temp.)

  オリジナルは13世紀にロマネスク様式で建てられ、15世紀初期にゴッシクで、

 18世紀にはバロック様式で再建された。 三大建築様式が混在し残っている。

 街の中央にある丘の上に佇み、街全体をずうっと見守ってきた。

 

 教会の外壁に取り付けられた日時計が古さを偲ばせる。

 

<スケッチ>

 街の中心は中央広場 (Fő tér) である。

  

  スケッチの右側にはセルビア正教会教会、向こうにはギリシャ正教大聖堂。

 

  

   広場の真ん中には三位一体像

 

 中世を偲ばせる街並み ... 新型コロナウイルス騒ぎの無かった時期の通常の

 人気ぶりである。                                Apr. 20 2008

  アンティーク・ショプのシンボルマークがカワイイ!

 

② セルビア正教会 (Blagovestenska church)

 1752年にバロック様式で建立され、内部には多数のイコンのロココ調の祭壇が見所

    

 

③ ギリシャ正教大聖堂 (Belgrád Szerb Ortodox church)

 1756~1764年にバロック様式で建てられた。

   

 

④ 聖ペドロ・聖パウロ教会=Csiprovacska 教会

  ブルガリアのチプロフツィからの入植者(東ギリシャのスラブ人)が1753~1791年

 にローマカトリック教会を建立。 街で最も高い建物である。

   

 

● コヴァーチ・マルギット美術館(推奨)

  ハンガリーを代表する女性陶芸家 (1907-1977) で、ブダペストでもおみやげ屋さん

 を覗くと心温まるその作品のミニチュアが売られている。

 美術館はセルビア正教会の裏手にある。

 

<作品の例>              美術館で購入した小冊子よりスキャン

 

    これにて「センテンデレをスケッチ」は、お終いです。

    本ブログへのご訪問、有難うございました。