幕末掃苔屋 公式ブログ

幕末掃苔屋のブログです。掃苔録不定期更新中。ご意見、ご感想はご自由にどうぞ。

『幕末太陽傳』に見る品川宿パネル展

2012年01月07日 | その他

品川区立品川歴史館で、「『幕末太陽傳』に見る品川宿パネル展」が開催されていたので、行ってきました。
ここは昨年3月にも訪れましたが、そのときは震災の影響により臨時休館中でした。

展示室には、現在公開中の「幕末太陽傳 デジタル修復版」の撮影風景や劇中写真、著名人のコメントのパネルがありました。
コメントのうち、いくつかを以下に紹介します。

古典落語と映画を結びつけて
痛快無類の喜劇を作り上げた
奇才、川島雄三監督に乾杯。
山田洋次さん/映画監督

川島雄三の才気と、
役者というものの存在と実力を
まざまざと見せつけてくれる作品です。
女優陣の豪華さ、フランキー堺の名演技。
溜息の連続です。
おすぎさん/映画評論家

落語種を映画にして成功したのは、
日本映画史上で、これが唯一。
その意味でこれは奇跡である。
井上ひさしさん/作家

なお、「幕末太陽傳」主演のフランキー堺さんは川路大警視の叔母のひ孫にあたり、鹿児島県横川町に大警視の銅像が建立された際には除幕式に参加しています。
「川路は努力家。尊敬している。」とも話していたそうです。

また、常設展示では、品川第六台場模型、ゲベール銃、土蔵相模想定復元模型などを興味深く拝見しました。

「『幕末太陽傳』に見る品川宿パネル展」は1月29日(日)まで開催しています。


水戸に行ってきました

2012年01月06日 | 掃苔録
水戸に行ってきました。

掃苔目的で水戸を訪れるのは四回目です。
今回は、千波町の本法寺で会沢正志斎、松本町の常磐共有墓地で小澤寅吉と豊田小太郎と川辺左次衛門、見川の妙雲寺で井伊直弼、八幡町の祇園寺市で市川三左衛門、那珂市東木倉で根本正を掃苔してきました。
根本正は未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法を提唱し、成立させたことで有名な方ですが、若い頃の一時期、東京で警察官をしていました。
すべてレンタサイクルでまわりましたが、坂道はたくさんあるし風は非常に強いし水戸駅から那珂市東木倉までは八キロほどあるしで、すべての掃苔を終えたときには太股がガクガクブルブル状態でした。
夕方、初詣でほどほどに賑わっている水戸東照宮を訪れ、数年ぶりに安神車(徳川斉昭が考案したという戦車)を見てきました。
いつ見ても興味深い姿です。写真はこちらをご覧下さい。
その後、居酒屋であんこう鍋とあんきもで一杯やったあと、常磐線で帰りました。

話には聞いていましたが、水戸の地震被害は甚大でした。
自宅から近い谷中霊園でも灯篭の倒壊は見かけましたが、墓石の倒壊はあまり見かけませんでした。
しかし水戸の墓地では、数えきれないほどたくさんの墓石が倒壊していました。
復旧までにかかる時間と労力を考えると、気が遠くなりました。

次回の「四十七都道府県 幕末維新掃苔録」(『歴史研究』に書かせていただいている私の連載)では茨城県での掃苔について書きたいと思います。
私は水戸藩については詳しくありませんが、十数年前に訪れた瑞龍山(水戸徳川家累代の墓所)には深い思い出があるので、それを中心に書きたいと思います。


※写真は倒壊した墓石群



元旦 その2

2012年01月03日 | その他

試衛館稲荷を参拝したあと新宿に向かい、テアトル新宿で「幕末太陽傳」を見ました。
「幕末太陽傳」は昭和32年に封切られた日活映画ですが、日活創立100周年を記念してデジタル修復版が現在上映中です。
監督の川島雄三さんと主演のフランキー堺さんについては過去にも書いていますので、よろしければご覧ください。

サヨナラダケガ人生ダ

川路と来嶋又兵衛

「幕末太陽傳」はDVDを買って持っているのですが、劇場の大画面で見ることができる貴重な機会だと思い、足を運びました。
毎月一日は映画の日だということで、料金は千円でした。
劇場内の売店では「こはるの壱口おはぎセット」が売られていたので、上映前にいただきました。
こはるとは南田洋子さんが演じている女郎で、ヒロインの一人です。
「幕末太陽傳」のラストシーンは佐平次が寺の墓地から走り去っていくというものですが、この寺は南品川に実在する海蔵寺がモデルだと言われています。
江戸時代、海蔵寺は品川遊廓で亡くなり引き取り手のない遊女や、鈴が森で処刑された人を供養していたため、投込寺とも呼ばれていました。
海蔵寺には親戚の墓があるので年末にお参りをしてきたばかりです。
品川駅から旧東海道を歩いて向かいましたが、映画とタイアップしている商店がいくつもありました。
「幕末太陽傳」の旗もたくさん飾られていて、ファンとしては嬉しい限りでした。



元旦 その1

2012年01月02日 | イベント

数年ぶりに靖国神社の遊就館に行ってきました。
目的は御遺影展示室に西南戦争で殉職された国分友諒権少警視・神足勘十郎一等大警部・内村直義二等中警部の遺影があるかを確認するためです。
西南戦争で戦死した警視隊七百七十四名は靖国神社に合祀されています。
元旦に訪れるつもりはなかったのですが、昨年末に訪れたところ休館中だったので、本日再訪することにしました。
さすがに靖国神社境内は初詣客で混んでいましたが、遊就館はそれほどでもなく、種田政明の軍服上衣や能久親王着用の指揮刀などをじっくり見ることができました。
御遺影展示室では新発見はありませんでしたが、佐川官兵衛一等大警部の遺影を数年ぶりに再確認してきました。

その後、九段下から新宿線で曙橋に向かい、曙橋から歩いて試衛館稲荷(愛称)に向かいました。
あさくらゆう先生より、地主様のご好意により本日のみ境内に入って参拝できると教えていただいたからです。
参拝後にお神酒をいただき、あさくら先生から稲荷の由来を教えていただきました。
境内では幕末ヤ撃団さまの本が販売されていたので、『三春狐と二本松狐』と『明治維新 会津戦争Ⅳ編』の二冊を購入しました。
昨日今日と二日連続で、自らの研究を本にまとめていらっしゃる方々と出会え、かなりの刺激を受けました。
参拝者の中には矢立茶屋の常連だった方もいらっしゃり、色々と話が弾み、楽しい時間を過ごさせていただきました。
その後、前日に続き、新宿に向かいました。


つづく


※写真は試衛館稲荷

大晦日

2012年01月01日 | イベント
皆さま、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨日の大晦日のことですが、数年ぶりにコミケに行ってきました。
まずはみなもと太郎先生のブースを訪れ、新刊の『風雲児外伝18 弥太郎伝』を購入しました。
岩崎弥太郎のほか、梅田雲浜、川路聖謨の書き下ろしマンガも掲載されています。
今年もみなもと太郎先生の元気なお姿を拝見できました。

次に南薩捕手同好会さまのブースを訪れ、『紀尾井町事件奇譚6』と『中村半次郎 桐野利秋 総集編』を購入しました。
前回は松田秀彦の作品が売られていて感動しましたが、今回は秋月の乱の本が売られていて嬉しくなりました。
南薩捕手同好会さまの作品は、探墓巡礼顕彰会の仲間内でも評判になっています。

次に東ミヤコさまのブースを訪れ、『刑事士族12』を購入しました。
藤田五郎を主人公にした小説で、室田景辰、桐野利衡、坂部寔、清宮善四郎といった面々が登場する小説です。
東ミヤコさまの作品は今回初めて拝見しましたが、明治初年の警視庁を調べている方と出会え、嬉しく思いました。

その後、歌舞伎町の居酒屋カンちゃんで忘年会を行いました。
八海山や久保田を飲みながら、名物のカンちゃん鍋をいただきました。
締めはカンちゃん(店長のキラーカンさん)が振る舞ってくれた年越しそばをいただきました。

新年最初の掃苔は誰にしようか、思案中です。


※写真はカンちゃんが振る舞ってくれた年越しそば