幕末掃苔屋 公式ブログ

幕末掃苔屋のブログです。掃苔録不定期更新中。ご意見、ご感想はご自由にどうぞ。

洞窟陣地②

2012年08月28日 | その他

洞窟陣地内は爆風除けのために曲がりくねっており、方向感覚を失い、一人では迷子になりかねません。
水没していて靴がずぶずぶと沈んでいく場所もあり、こんなところで身動きがとれなくなったらと思うと、冷や汗が流れます。
洞窟陣地の奥の方に、まるで岩をベンチのように削った部屋がありました。
その岩のベンチに座り、少し休憩をしました。
ライトを消してみたところ、真の闇になりました。
セミや鳥の声のみが、かすかに聞こえてきます。

この日は合計五つの洞窟陣地を案内してもらいました。
洞窟陣地内にいる間は、常にビクビクドキドキしていて「早く出たい・・・」という思いに駆られますが、外に出てしばらく経つと「また入りたい」という気持ちになります。
洞窟陣地散策は、予想を超える興奮を味わえ、ぜひまた挑戦したいと思いました。
鈴木さんのおかげで、素晴らしい体験をすることができました。

帰り道、自分の体がなんとなく臭いことに気がつきました。
鈴木さんが「地下壕の匂いです。腐った土とカビの匂いです。洞窟陣地に入ったあとはいつもこの匂いです」と教えてくれました。


※写真は洞窟陣地内に備えられた銃眼


洞窟陣地へ①

2012年08月27日 | その他

鈴木徳臣さんに、九十九里浜沿岸にある洞窟陣地を案内していただきました。

鈴木さんから洞窟陣地の話を聞いているうちに興味をそそられ、このたびお願いして連れていってもらいました。
洞窟陣地とは、太平洋戦争末期に日本軍が本土決戦用に掘った人工洞窟の事です。
上野駅で待ち合わせ、洞窟陣地のメッカである九十九里浜沿岸に向かいます。
洞窟陣地の近くには店も自販機もないというので、駅の近くのコンビニで、飲み物を買います。
そして駅からタクシーに乗り、洞窟陣地が点在するゾーンに向かいました。

鈴木さんはこれまでに何十度も九十九里浜沿岸を訪れ、いくつもの洞窟陣地を発見し、一人で侵入調査を行ってきたということです。
私も目的の墓を見つけるために山中を歩き回ることがよくありますので、シンパシーを感じます。
洞窟陣地の場合、ようやく穴ぼこを見つけたと思ったら古代人の墓であることもよくあるようです。
ようやく洞窟陣地を見つけたとしても、鈴木さんの場合、見つけて終わりではありません。
ライトを取りだし、ためらうことなく穴ぼこに入っていきます。
もちろん中は真っ暗で、虫やコウモリがたくさんいます。
洞窟陣地の中はクネクネした細い迷路のようですし、落盤や水がたまっているところもあります。
携帯電話は圏外なので、もしも怪我をして歩けなくなっても助けは呼べません。
そんな洞窟陣地にためらうことなく一人で入っていくことができる鈴木さんの神経の強靭さには感心させられます。
もっとも鈴木さんは洞窟陣地の構造について徹底的に学んできたため、初めて入る洞窟陣地であっても、構造について大体の予想がつくのだそうです。
洞窟陣地を知り尽くした鈴木さんだからできることであり、素人は決して真似をしてはいけないと感じました。

砲台跡を案内してもらったあと、いよいよ洞窟陣地に突入です。
鍾乳洞好きの私にとって、ドキドキワクワクの瞬間でした。
熱中症になりかねないような暑い日でしたが、洞窟に入るとヒヤッとします。
まるで天然のクーラーです。
洞窟陣地に入ってすぐ、気温的なものでなく、私を震え上がらせるものが現れました。
入り口から十数メートルまで、洞窟の天井や壁にカマドウマやゲジゲジといった気色の悪い虫ランキングの上位に入る連中がうじゃうじゃいました。
頭上にいるゲジゲジやカマドウマは落ちてくる可能性があるので、鈴木さんが木の棒を使い追い払っていきます。
まるで職人のような手さばきです。
こんなやつらが天井から落ちてきて、服の中に入られたらと思うと、ゾッとします。
それでも何度か、顔面や体に、ジャンプが得意なカマドウマにタックルされました。
虫以外にも、カタツムリやガマもいました。
奥に進むと、なにやら変な音と匂いがします。
鈴木さんに「臭いですね」と聞くと「コウモリです」との返事。
ライトで照らすと、天井に大量のコウモリがぶら下がっています。
ライトに驚いたコウモリたちは一斉に飛び立ち、私たちに向かって突っ込んできます。
私は「うわっ」と声を発して身をそらせましたが、鈴木さんは「当たらないから大丈夫ですよ」と言ってまったく動じていません。


つづく



洞窟陣地

2012年08月26日 | イベント

鈴木徳臣さんから洞窟陣地の話を聞いているうちに興味をそそられ、このたびお願いして連れていってもらいました。
詳細については、近日公開予定です。

※写真には洞窟陣地内で出会ったコウモリが写っています。興味のある方は写真をクリックしてみてください。


歴史発見館

2012年08月24日 | その他

歴史発見館は、かつて池袋に存在した個人博物館です。

すでに閉館していますが、建物は現在も残っています。
写真をご覧いただければわかると思いますが、廃墟マニアにはたまらないであろう雰囲気を醸しています。
五階建ての建物ですが、正面には城の天守の絵が描かれています。
横から見ると、三角形の土地に建てられた細くて薄いビルであることがわかります。
看板は電球で囲われた派手なもので、赤地に白文字で歴史発見館と書かれており、左右には葵のご紋と徳川家康らしき人物が描かれています。
この手の施設は温泉街や片田舎にありがちですが、歴史発見館は池袋駅から徒歩10分程度の場所にあり、その立地に驚かされます。

ずいぶん昔に、こちらの展示物を見学したことがあります。20年ほど前だったでしょうか。歴史発見館が東京タワーで出張展示を行っていました。
確か、近藤勇のハチガネやらアームストロング砲やら大蛇の抜け殻など、期待を裏切らない魅惑の品々がたくさん展示されていたと思います。
私の他にお客さんはほとんどおらず、じっくりたっぷり見学することができました。
個人的にはとても楽しめたので、会期中に二回訪れたと記憶しています。

数年前、展示物の中に丹南藩の火事装束があったことを思いだし、今もあるかどうかを電話で問い合わせました。
残念ながらその時はすでに閉館しており、展示物を見ることはできないとのことでした。
あの魅惑の品々はどこへいってしまったのでしょうか。
いつかまた、どこかで出会えれば嬉しいです。



あさくらゆう先生の取材に同行させていただきました

2012年08月22日 | その他

あさくらゆう先生にお誘いいただき、先生の取材に同行させていただきました。

取材相手は、江戸時代から続く某家のご子孫にあたる方で、中学生のお子さんと一緒にいらっしゃいました。
あさくら先生とは初対面とのことでしたが、ご子孫の方は先生からご先祖に関係するたくさんの史料や詳しい説明をいただき、先生はご子孫の家に伝わるエピソードなどを伺っていました。
お子さんが「歴史研究家という仕事について教えてほしい」ということで、あさくら先生に「歴史研究をはじめたきっかけ」や「歴史研究をする上で大切なこと」などなど色々と質問していました。
先生は質問に一つずつ丁寧に応え、お子さんはそれを熱心に書き留めていました。
横で聞いているうちに、「これは私も書き残しておかねば」と思い、慌ててメモをとりました。
計二時間ほどの取材でしたが、双方にとって、そして私にとっても、有意義な時間でした。

取材後は、あさくら先生と二人で豊島区西巣鴨の盛雲寺で新門辰五郎の掃苔をした後、北区滝野川にある新門飯店に向かいました。
ここは新門辰五郎のご子孫が経営している中華料理屋です。
あさくら先生はチャーハンとコーラ、私はモヤシラーメンとコーラを注文しました。
料理をいただきながら先生の今後の活動についてお聞きしましたが、先生はこれから来年にかけてとても忙しくなりそうです。
歴史の話以外にも、共通の趣味である特撮や猫の話などをしました。
また、私の歴史調査に関するアドバイスもいただくことができました。

今回あさくら先生の取材に同席させていただき、ご子孫の方への接し方、取材に臨む姿勢、相手への配慮、話を引き出す話術など、たくさんのことを学ばせていただきました。
貴重な機会をいただけたことを、嬉しく思います。