幕末掃苔屋 公式ブログ

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柏崎の川路大警視

2012年04月30日 | 川路利良

天皇が各地をまわることを巡幸といいます。
明治天皇は六回の巡幸を行っていますが、明治十一年の巡幸では北陸・東海をまわっています。
この巡幸では岩倉具視・大隈重信・井上馨・大山巌・品川弥二郎・徳大寺実則・杉孫七郎・香川敬三・山岡鉄太郎・佐々木高行・土方久元・高崎正風・山口正定などが供奉し、川路大警視は権少警視迫田利綱以下警部・巡査約四百人を率いて警衛にあたっています。
この巡幸の際、大警視は各地でいくつもの漢詩を残していますが、それらは『龍泉遺稿』で読むことができます。
巡幸中の川路大警視の動向を知りたいと思い、『明治天皇紀 第四』を読みました。

明治天皇が柏崎に宿泊した九月十三日の記録を見ると、
「行在所 柏崎校 東輪にて獲る所の魚を右大臣岩倉具視・大隈井上両参議及び大警視川路利良・陸軍少輔大山巌に頒ち賜ひ、険路供奉の労を思ひたまひて、馭者・輿丁等に酒肴料を賜ふ」
と記されています。
現在、柏崎小学校には明治天皇柏崎行在所碑が建てられており、先日の柏崎訪問はこの碑を確認することも目的の一つでした。

『明治天皇紀 第四』ではその他にも、数カ所で大警視の名前を見つけることができました。
「九月八日 午後五時二十分長野に著御、行在所 善光寺別當 大勧進坊舎
(中略)今夕、大臣・参議及び大警視川路利良・陸軍少輔大山巌等に酒饌を其の館に於て賜ひ、供奉の労を慰したまふ」

「十月十六日 京都御所 今夕大警視川路利良を近く召して警視局警部・巡査等が數十日の供奉警衛を親しく犒ひたまひ、皇族其の他より獻れる鮮鯛十八尾を下賜して、之れを慰せしめらる、利良聖恩の渥きを拜し感泣して退く」

柏崎市は県内有数の天然真鯛の水揚げ量を誇っており、昔から名物として鯛料理を提供している店が多かったそうです。
現在ではご当地グルメとして鯛茶漬けを売り出し中です。
柏崎の市場でもたくさんの鯛が並んでいるのを見かけました。
大警視は京都御所で明治天皇より鯛を賜り感泣していますが、その約一年後の十月十三日に亡くなっています。
柏崎で明治天皇から賜った魚も鯛だったのかもしれません。
そんなことを思いながら、私も柏崎名物の鯛料理をいただきました。


※明治天皇柏崎行在所碑

柏崎に行ってきました

2012年04月19日 | 丹南藩

新潟県の柏崎に行ってきました。
目的は相も変わらず川路大警視の追っかけですが、それについては後日まとめてから紹介するとして、今回は大警視関連以外で訪れた史跡と施設についてご紹介します。

まずは柏崎駅から徒歩で、官修墓地を訪れました。
官修墓地には日柳燕石の墓があり、隣接する一角には生田万の墓があります。

その後、礼拝駅に移動し、タクシーで椎谷陣屋跡に行きました。
昨年、茂呂さまから「東京紀勝」という資料をいただいたことで、丹南藩にゆかりのある竹内楊園が後に椎谷藩に出仕していたことがわかりました。
それ以降、ずっと椎谷陣屋跡を訪れてみたいと思っていました。

その後、青梅川駅に移動し、徒歩で「昭和懐物ランド・こどもの時代館」に行きました。
以前ここは、石黒敬七氏のコレクションを展示する「とんちン館」という施設だったのですが、現在は昭和のテレビアニメや漫画のキャラクター等を集めた博物館となっていました。
私は「とんちン館」に行きたかったのですが、「昭和懐物ランド・こどもの時代館」もなかなか見ごたえのある展示内容と所蔵点数で、じっくり見入ってしまいました。
特に池森大氏のゴジラコレクションは充実しており、ヘドラだけでも約60体のフィギュアが展示されていました。
次に、黒船来航前後の様子を伝える資料収集では日本一と言われている「黒船館」に行きました。
横浜や下田ではなく、新潟県の柏崎にこのような施設があることを不思議に思いました。
私が春廼舎で出会った方の中には凄まじいコレクターが何人もいらっしゃいますが、柏崎にもそのようなコレクターが何人もいることを知り、驚きました。


大隈重信ゆかりのそば屋

2012年04月14日 | 幕末グルメ

大隈重信のご用達だったと言われている早稲田のそば屋・三朝庵に行ってきました。

店構えはごく普通のそば屋ですが、店内に入るとその広さに驚きます。
まずは入り口で食券を買います。
カレー南蛮発祥の店と聞いていたので、カレー南蛮(780円)を注文しました。
店内にはいたるところに芸能人や有名人のサインが飾られています。
私が好きな藤子不二雄A先生の色紙(喪黒福造がそばをすすっているイラスト入り)も飾られていました。
私が座った席の横の棚には、大隈重信の肖像とミニ胸像が飾られていました。
歴史と人気を感じさせる店でした。



勝丼

2012年04月11日 | 幕末グルメ

川路大警視追っかけ行為の一環として、横須賀と浦賀に行ってきました。
大警視と横須賀・浦賀にどんな関係があるかについては、後日、成果がまとまった時点でご報告したいと思います。

横須賀・浦賀での調べ物を終えた私は、京急浦賀駅から徒歩五分ほどの場所にある梅本といううなぎ屋さんに向かいました。
以前、この店が勝海舟ゆかりの店として紹介されていたのを見たことがあったからです。
店内には勝海舟の像や肖像画やイラストが飾られていました。
うなぎ屋さんですが、「ハイカラ海舟にあやかり 勝丼(椀・香物付) 八百円」というメニューに惹かれたので、それを注文しました。
お店の方に、「なにか勝海舟と関係があるお店なのですか?」と訪ねると、「うちの鰻を召し上がったのです」と答えてくれました。
帰り道、京急浦賀駅のすぐ近くにある精栄軒というお菓子屋で「黒船サブレ」と「海舟と咸臨丸」を買いました。
浦賀での勝人気はなかなかのものだなと感じました。
他にも坂本龍馬の名を付けたお菓子が売られていましたが、中島三郎助系のお菓子は見当たらず、残念でした。
浦賀は好きな町なので、ほぼ年一で訪問しています。
今度は勝海舟が食したという鰻も食べてみたいと思いました。


砲台そば

2012年04月02日 | 幕末グルメ

立会川に行ってきました。
立会川周辺にはかつて土佐藩の下屋敷があったことから、数年前より「若き日の龍馬が歩いた街」として坂本龍馬で盛り上がっています。
京急立会川駅のホームに降りると、目の前に「ようこそ!坂本龍馬ゆかりの地 立会川へ!」とかかれた看板があり、駅近くの公園には坂本の像まであります。
商店街の各店舗では坂本にちなんだ商品が販売されているようです。
坂本人気、恐るべしです。

駅の改札を出て左に進むと、大村庵という蕎麦屋があります。
私が立会川を訪れた目的は、土佐藩が黒船来航に備えて設置した浜川砲台の発掘記念として大村庵がつくった「砲台そば(1000円)」をいただくためです。
砲台そばとは、ピーマン・かぼちゃ・ナス・舞茸・砲台に見立てた大きなエビの天ぷらがついた蕎麦です。
私とほぼ同時に入店した常連らしき年配のお客も、砲台そばを注文していました。
その後、入店した若いお客も、やはり砲台そばを注文していました。
砲台そばはボリュームがあり、味も良かったです。
最後にそば湯をいただきました。

たとえ立会川から坂本ブームが去ったとしても、砲台そばは人気メニューとして愛され続けていきそうです。